クラスター分析×ビジネスウェブメディア #02

今、攻めるべき新しいビジネスマン像とは?(後編)

  • Nakamura kazuki pr
    中村 一喜
    株式会社 電通 出版ビジネス・プロデュース局 デジタルビジネス・プロデュース部 プランナー

前回は、電通が実施したビジネスマンのクラスター分析の結果を報告しました。7つのクラスターの中で、電通が注目する「スマートリーマン」「イノベータービジネスマン」は、インターネット関与が高く情報収集に熱心という特徴があります。また、ビジネスジャンルのウェブメディアへの接触率が、他のクラスターと比較して高いということが明らかになりました。

 

 

そんな注目すべきクラスターが情報を取得しているビジネスジャンルのウェブメディアを代表して、東洋経済オンライン・山田俊浩編集長、現代ビジネス・川治豊成編集長、ハフィントンポスト日本版・竹下隆一郎編集長が登壇したセミナー「いま攻めたい!ビジネスマンの新機軸-7つのクラスターと3人の編集者から読み解く-」が8月24日、電通ホールで開催されました。

各編集長の話から、この2つのクラスターへの理解をより深めていきましょう。

左から、ハフィントンポスト日本版・竹下編集長、東洋経済オンライン・山田編集長、現代ビジネス・川治編集長

■ビジネス系ウェブメディア編集長が語る自社メディアの読者特性とは?

セミナーは、ビジネスマンの7つのクラスター紹介を前半に行い、その後に、自社メディアや読者特性を表すような象徴的な記事を用いての各編集長による講演という形式で進められました。

まず初めにマイクを握ったのは東洋経済オンラインの山田編集長です。

東洋経済オンライン・山田編集長

東洋経済オンラインを象徴する記事として紹介されたのはこちらの記事でした。
<「時給910円」で働く39歳男性の孤独な戦い>

東洋経済オンラインの読者は、25~44歳の比較的若い世代のビジネスリーダーで、サイトの月間PVは約2億、UBは約3000万と、ビジネスジャンルのウェブメディアの中でも最大規模です。

この記事は「貧困」という社会的テーマについて考える連載記事の1本ですが、こうした社会問題を上滑りの「べき論」で済ませるのではなく「日本社会で何が起きているのか」をきちんと自分なりに消化・理解しようとする東洋経済オンライン読者に向けて、企画・取材された記事です。

山田編集長は読者について、「年齢は関係ありません。常に現場でアクティブに動いている人、前向きに物事を考えられる人、積極的に意思決定に関与していこうとする人に対して、エビデンスを持った役立つ記事を提供していきたい」と語りました。

次に話したのは、現代ビジネスの川治編集長です。

現代ビジネス・川治編集長

現代ビジネスの代表記事として紹介されたのはこちらです。
<坂口恭平の熊本脱出記>

講談社が運営する現代ビジネスは、総合出版社である強みを生かした豊富な書き手の存在が特徴的です。経済情報だけでなく、教養や文化など幅広いジャンルの記事を取り扱うサイトです。

この記事も、そんな書き手の一人である、熊本在住の作家・坂口恭平氏による渾身の熊本地震ドキュメントレポートです。突然の大災害の中、筆者がどう考え、行動したかを被災者の立場からレポートすることで、誰もが熊本を近く、生々しく感じることができます。

「誰が記事を書いているか、ということを大事にしたいです。専門家にきちんと書いてもらうことで、ユーザーには教養を持ってもらえればと思っています。新しい情報がどんどん入ってくる中で、よって立つのは教養です」と川治編集長は説明しました。

最後に語ったのは、ハフィントンポスト日本版の竹下編集長。

ハフィントンポスト日本版・竹下編集長

こちらが紹介された、ハフィントンポスト日本版を象徴する記事です。
<オバマ大統領が去った広島で、23歳のボランティアガイドが思うこと。>

ハフィントンポストは世界16カ国・地域(11月には南アフリカ版が加わる予定)で展開されるグローバルメディアです。政治やビジネス、社会情勢などの各分野の専門家や有識者と個人が意見をやりとりできる、ソーシャル性の高さが特徴のサイトです。

この記事は、ハフィントンポストが誇る1000人のブロガーの1人が書いた記事です。インターネットの集合知が感じられ、また、リアリティーをもって伝えるには、ブロガーのオリジナルな視点や文章が重要であることに気付かされます。

竹下編集長は「例えば転職するとそれだけで新しい知見を抱えることができます。ちょっと海外に行くだけでも、普段とは違った情報を検索しますよね。そういう『移動』をし続ける人がエリートだと思っていて、そういった中で個人の視点を発信でき、多様性を受け入れられる人をターゲットにしています」と述べました。

■ビジネス系ウェブメディアでビジネスリーダーへのアプローチを

「スマートリーマン」および「イノベータービジネスマン」というクラスターは、積極的な情報収集や新しいことへのチャレンジというキーワードが特徴的なアクティブなクラスターです。

そういった特徴を裏付けるかのように、これらのクラスターの共通点として「課題意識を常に持ち、自分で何かを変えようと行動しているビジネスリーダー」という像が、3人の編集長の話から浮かび上がりました。

読者の皆さんの抱えるターゲットが「ビジネスマン」である場合、それを単純に「都心に勤務するビジネスマン」や「高年収のサラリーマン」というような属性で考えるのではなく、今回の分析で浮かび上がった「スマートリーマン」や「イノベータービジネスマン」のようなビジネスリーダーにアプローチすることが新たなコミュニケーションやビジネス展開を生むための大事なポイントになってくるといえます。

なぜならば、常に課題意識を持ちながら行動する彼らこそが情報発信力が高く「世の中に変化を起こす力」の持ち主だからです。

ビジネスジャンルの各ウェブメディアは読者属性やデータの整理に取り掛かっており、かなり高度なセグメント対応が可能なウェブメディアも登場し始めています。

商材がB to Bであれ、B to Cであれ、こうしたビジネスジャンルのウェブメディアを活用したリードジェネレーション施策やネイティブアドによって、より効率的・効果的なコミュニケーションが実現できるのです。

プロフィール

  • Nakamura kazuki pr
    中村 一喜
    株式会社 電通 出版ビジネス・プロデュース局 デジタルビジネス・プロデュース部 プランナー

    2005年電通入社後、雑誌広告、出版物のプロモーション、電子雑誌事業、出版社のデジタル事業開発と一貫して出版社関連業務を担当。現在も「出版社×デジタル」をテーマとして広告主の課題解決に向けたソリューション開発に従事。

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