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「共働きパパ」を狙え!No.2

働くパパを六つのクラスターに分けてみた

2016/11/30

家族の形が多様化する現在、共働きパパはマーケティングターゲットとしても非常に魅力的です。
では具体的に、働くパパはどんなタイプに分類されるのでしょうか? 共働きで子育てする世帯の父親を研究している電通「パパラボ」の調査から見えた六つのパパクラスターを紹介します。

パパは六つに分類される

今回、中学生以下の子どもがいる働くパパを対象に、育児や家事、仕事への意識、生活価値観を軸にクラスター分析を行った結果、六つのクラスターに分かれることが分かりました。それぞれのクラスターについて簡単に説明します。

①全方位パパ

①	全方位パパ
下 穂菜美(電通 マーケティングソリューション局)

小学生の子どもを持つ40代が中心の「全方位パパ」は、仕事熱心で上昇志向も強く、普段の家事・育児についても非常に積極的です。成長欲求が高く、キャリアアップや自己啓発にも意欲的に取り組むなど、職場でも家庭でも常に中心的な存在です。買い物はネットショッピングの利用が多く、実用性や品質を重視し、事前に十分に検討するクラスターです。また、今後の暮らし方についても家族優先の暮らしを望んでいます。

構成比率 15.6%

②ダブルスパパ

②ダブルスパパ

料理が好きで普段の炊事や皿洗いなどもパパが担当。未就学の子どもを持つ30代が中心となっています。掃除・洗濯といった家事全般も自発的にこなし、家事をする時間を楽しんでいるタイプ。バドミントンのダブルスさながらにママと2人体制で家庭を回しているようです。また、日頃から家事を担当しているため、食料品や日用品、白物家電のブランド選択にも関与している様子がうかがえます。仕事におけるスキルアップにも熱心で、独立・起業意欲も高いのが特徴です。

構成比率19.0%

③なかま愛パパ

なかま愛パパ

構成比率は低いのですが、30~40代が中心の人付き合いが好きで、人や地域とのつながりを重視している「なかま愛」パパ。パパ友・ママ友を集めてパーティーをすることが多い一方で、料理、掃除、洗濯といった家事への参加度は低くなっています。教育については熱心な思いがあります。実際の購買に関してはインスタントコーヒーやたばこなどの嗜好品といった自分が使用するものがメインです。

構成比率 5.0%

④自己PRパパ

自己PRパパ

承認欲求が高く、「いいね!」されるかどうかが行動基準になる20~30代が中心の「自己PRパパ」は、家事・育児への関与は全般的に高くなっています。育児をする自分の写真をアップしたいという動機ではありますが、子どもとの時間も大切にしており、しつけをきちんとしたいなど、今後も家族関係を重視した暮らしを望んでいます。また、自分自身の仕事に対してもスキルアップやキャリアアップに積極的です。

構成比率 8.1%

⑤あとよろパパ

あとよろパパ

ママの機嫌を気にして、掃除やごみ出しはするが、炊事はほとんどしない「あとよろパパ」。
小・中学生の子どもを持つ40代が中心となっていて、「できる範囲内」でお手伝いをする感覚で、基本的に購買に関しても家庭のことは妻に任せています。ただし、子どもの将来への意識は高く、仕事の安定志向もさることながら、精神的に豊かな生活を求めています。

構成比率 24.7%

⑥グータラパパ

グータラパパ

六つのクラスターの中で最も家事・育児に関わっていない層である「グータラパパ」は小学生以上の子どもを持ち、50代以上がやや多めです。家事・育児への関与が低めで、仕事はほどほどに、という考えです(実は、このクラスターがパパの中で最も高い割合を占めています)。

構成比率27.6%

フルタイム共働き率が高いのは「なかま愛パパ」「全方位パパ」「ダブルスパパ」

六つのパパクラスターのうち、共働きパパが多いのはどのクラスターでしょうか?

共働きパパの中でも、特に夫婦共にフルタイムで働いている「フルタイム共働き率」※を確認してみましょう。

フルタイム共働き率が高いクラスター

「なかま愛パパ」「全方位パパ」「ダブルスパパ」の順に、フルタイム共働き率が高いことが分かります。特に「全方位パパ」と「ダブルスパパ」は家事・育児への参加率も高いので、前回紹介した共働きパパ全体の特徴とも一致します。

さらに、年収×家事・育児参加度でポジショニングしてみました。

年収×家事・育児参加度

マーケティングターゲットとしてまず目を引くのが、年収も家事・育児参加率も高い「全方位パパ」です。続いて、年収はそこそこですが、家事・育児参加度が高い「ダブルスパパ」は、その関与の高さゆえ食品や日用品、白物家電の銘柄も積極的に選ぶ様子が見られており、今後注目したいクラスターであるとパパラボは考えます。

いかがでしたでしょうか? 今回はパパクラスターについてご紹介しました。次回は、共働きパパ向けのフリーマガジン『Hanakoパパ』の岸辺麻巳編集長に、共働きパパの心を動かすためのポイントを伺います。ご期待ください。


■分析概要
調査ソース:電通オリジナル調査 d-campX
対象エリア:東京50km圏:4800s
調査手法:訪問による調査対象者説得、タブレット端末による電子調査票
分析対象者:20~59歳フルタイム勤務の既婚男性で中学生以下の同居子供がいる方:620ss
調査期間:2016年3月~6月