ダイナミック・デジタルOOHの新世界 #02

「その瞬間、その場所、その人」に届ける(後編)

  • 20160907 089
    神内 一郎
    株式会社 電通 アウト・オブ・ホーム・メディア局 業務統括部 部長

外部データとの連携で
最適なクリエーティブをリアルタイムに配信

デジタル化されたOOH(DOOH)のさらなる進化形が、世界で急速な拡大を見せる「ダイナミックDOOH」だ。外部データとの動的・即時な連携で、ロケーションやターゲットに合わせて最適化したクリエーティブ表現を配信することを指す。

このダイナミックDOOHの領域で世界の先陣をいくのが、電通イージス・ネットワーク傘下のOOH専門エージェンシー、ポスタースコープ。同社の保有するプラットフォーム「LIVEPOSTER」(ライブポスター)を活用することで、天候、交通情報、SNS、在庫データなどあらゆるデータと連動し、媒体社やフォーマットの違い、さらには国境を超えて、広告をリアルタイムで一括配信する。まさに「その瞬間、その場所、その人」をピンポイントで狙える強力なOOHコンテンツ・マネジメントシステムだ。日本でもネットワークの構築が急速に進められており、主要な大型街頭ビジョンや駅構内などで実施準備が進められている。

Case 1.
欲しいプレゼントをさりげなくアピール

例年過熱するクリスマス商戦。しかし、英家電量販店カリーズPCワールドによると66%の人が欲しくないものをもらっており、喜ばれないプレゼントに9億ポンドもの予算が使われているという。この“無駄”を救うために、同社は2015年のクリスマスに向けて、生活者が愛する相手に自分が欲しい製品をさりげなく伝えるキャンペーン、「スペア・ザ・アクト」を実施した。

キャンペーンでは25歳から44歳をターゲットに、自分が欲しい同社製品と相手の目に触れる可能性の高い場所や時間帯を公式サイトで募集。投稿を反映した315件のパーソナルメッセージが、英全土の700ものスクリーンにライブポスターを活用して配信された。キャンペーンは他媒体やSNSなどを通じて拡散。メッセージを目にした54%が「希望された製品を購入する可能性が高い」と答え、カリーズPCワールドの売り上げは前年比105%を記録した。

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Case 2.
“その日、最初の一杯”を近くのパブで

英ディアジオのカクテル用リキュール・ピムスのキャンペーン「ピムスライブ」では、“その日、最初の一杯”を促すために天気、気温、そして最寄りのパブの空席情報を活用して客足につなげた。パブの各店舗に設置された端末が空席情報をリアルタイムに把握。空席情報、天気、気温に応じたメッセージをライブポスターが自動的に生成し、パブ近くのデジタルサイネージに5分ごとに表示する仕組みだ。

このキャンペーンにより、パブでのピムスの売り上げは前年比13%増加。店舗によっては94%もの売り上げ増になったところも現れたという。

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Case 3.
“リアルタイムマップ”で楽々レンタサイクル

サンタンデール銀行がスポンサードする英ロンドンのレンタサイクルでは、市内750を超えるレンタル拠点の場所と自転車の在庫状況を“リアルタイムマップ”としてライブポスターが発信。観光客などの利用者は空いている自転車がある場所を探し回る必要がなくなり、利便性が格段に向上。その結果、キャンペーン前に比べてブランド認知は19%、サービスの利用率は16%高まった。

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「ライブポスター」が
ダイナミック・デジタルOOHを加速する

ポスタースコープUK(電通出向) ベンジャミン・ミルン氏

グローバルで拡大するOOH市場。DOOHの隆盛がその成長をけん引しています。先陣を切る英国では、ネットワーク化の浸透やスクリーン数の増加などを背景に、2019年までにDOOHがOOH市場の過半数に至ると予測されています。

ダイナミック・デジタルOOHは、次世代OOHの要。ライブポスターがその潮流を加速します。その強みは「その瞬間、その場所、その人」に最適なメッセージを大規模かつ同時に配信できること。英国マイクロソフトのCortanaキャンペーンでは、天気や場所のみならず、移動手段や各種イベント情報などに応じて、1万を超えるバリエーションのコピーをライブポスターで自動生成した結果、購買意欲が67%も上昇しました。英調査機関VirtuoCityの調査でもライブポスターを使ったキャンペーンの優位性が示されています。

欧米でスタートしたライブポスターですが、シンガポールや香港などアジアでの実績も形になり始めています。日本でも、媒体社との調整などを重ね、実施に向けてまさに準備が整いつつあります。2020年に向けて大きく進化を遂げようとする日本で、ライブポスターが果たす役割は大きいと確信しています。

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VirtuoCity Research調べ2015年1月
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プロフィール

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    神内 一郎
    株式会社 電通 アウト・オブ・ホーム・メディア局 業務統括部 部長

    1992年4月株式会社 電通入社。入社以来、デジタル領域を中心に新規事業・新規サービスの立ち上げに従事。通信会社との合弁によるモバイル広告会社や中国でのインターネット広告会社の立ち上げ、東南アジアでのアド・エクスチェンジ事業の立ち上げなどを担当。現在はアウト・オブ・ホーム・メディア局にてデジタル技術を活用した屋外広告や交通広告の新しいビジネス・モデルの構築に取り組んでいる。国際基督教大学卒業。

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