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電通、「薬剤師意識調査」を初めて実施
― 地域医療の担い手としての意欲は高いが、実行スキルに課題意識あり ―

2016/12/07

    12月07日に配信された電通ニュースリリース文面は以下の通りです。


    2016年12月07日

    電通、「薬剤師意識調査」を初めて実施
    ― 地域医療の担い手としての意欲は高いが、実行スキルに課題意識あり ―

     

    株式会社電通(本社:東京都港区、社長:石井 直)のメディカル領域専門チーム※は、2016年9月30日~10月5日の期間で、地域の医療・ヘルスケアの担い手として注目されている「薬剤師」への意識調査を初めて実施しました。

    今春、「かかりつけ薬剤師制度」がスタートしました。薬剤師には服薬支援・残薬管理などに加え、医療機関と連携して患者の治療生活を見守る担い手としての役割が期待されています。

    また、これからの薬局には、地域の健康づくりの拠点として、これまで医療の直接的な関わりが薄かった「予防」や「未病」といわれる領域でも積極的な貢献が求められるようになります。これは各地域での取り組みを通じて、医療の効果が一層向上し、結果として健康な国民が増え、医療費の適正化を目指すものです。

    こうした流れを受け、同じく国民の健康増進に貢献したいと考える医療機関のみならず、製薬・医療機器関連企業、「食」「休息」「運動」に関連するヘルスケア企業などにとっても、薬局・薬剤師との協業・協力関係の構築は大きな関心事となっています。

    当社は、大きく変わろうとしている薬局・薬剤師や今後の地域医療に関する具体的な展望を得るためには、「現場での患者への対応」「地域医療の担い手としての意識や行動」「期待に応えるためのスキルや情報」「ジェネリック医薬品に対する意識や行動」など、現場の薬剤師の実態を明らかにする必要があると考え、本調査を実施しました。

    調査の結果、薬剤師は地域医療の担い手としての意識を高めつつある一方で、実行に移すためのスキルや情報が十分でないと自身で感じていることが明らかになりました。今後、地域の医療機関や関連する企業との間には、より踏み込んだ機能補完が必要と考えられます。

    本リリースでは調査で得られた主なファインディングスをご紹介します。


    ※当社グループでは、電通のビジネス・クリエーション・センターを中心に、専門子会社、グループ会社を横断する「メディカル領域専門チーム」を立ち上げており、製薬・医療機器、医療機関、調剤薬局、官公庁な どのプロジェクトに対応しています。

     

    <主なファインディングス>

    1.地域医療の担い手として貢献したいという意識は、職場でも薬剤師個人でも高まっているが、患者とのコミュニケ―ションの実態は「薬剤」関連の基本的な項目にとどまり、今後必要となる「患者の生活背景」までの把握はできていない。また、「病院」「チェーン」「個人経営」といった薬局類型別にみると、コミュニケーションレベルに差があることが判明。

    2.「地域包括ケア」への取り組みで高い障壁となっているのは、「在宅患者に関すること」「24時間対応」「電子お薬手帳等ICTの活用」。個人としての課題は「コミュニケーションスキル」の向上。

    3.調剤業務から地域医療貢献に関することまで、薬剤師の多様な情報ニーズは、現在の環境では十分に満たされていない。

    4.「個人経営」「チェーン」の調剤薬局薬剤師と「病院」薬剤師では、ジェネリック医薬品に関する推奨意欲が異なり、今後の更なる普及には「味や剤形の工夫」など機能面での優位性が求められる。

     

    ≪調査結果の詳細≫ 

    1.地域医療の担い手としての意識は高いが、取り組みの現状については「まだまだ」という意識

    ●「地域医療の担い手」としての意識については、職場としても薬剤師個人としても、6~7割と高い。

    ● ただし取り組みの現状について「取り組めている」は、職場・個人とも半数を割り込むなど、全体として「まだ不十分」という認識。

     

    【地域医療の担い手としての意識と取り組み】

    Q.これからの地域医療の担い手として、薬局・薬剤師への期待が高まっています。あなたの職場やあなたご自身の「地域医療」「地域包括ケア」への取り組み状況について当てはまるものをお知らせください。

     

    2.患者との会話は「薬剤」関係中心。「患者の生活背景」までの把握は少ない

    ●処方薬の説明など基本的事項の会話はされているものの、地域包括ケアの担い手として今後必要となる「患者の生活背景」まで把握できているケースは少ない。薬局類型別でみると、総じて「個人経営」と「チェーン」の調剤薬局薬剤師は会話の頻度が多く、その他にも「ジェネリック医薬品の推奨」や「お薬手帳(紙)の説明」について会話する人も多くみられた。

    ●「個人経営」の調剤薬局薬剤師では、「医薬品・健康とは関係のないプライベートな会話」までしている人もやや多い現状が明らかに。ただし、患者の食生活・運動習慣などの生活背景については、他の類型同様にあまり会話はされていない。

    【患者さんと会話する内容(会話することが多いTOP2)】

    Q.あなたの通常の業務を振り返って、患者とのやり取りではどのような会話をされていますか。

     

    3.「地域包括ケア」に取り組んでいくにあたって、障壁が高い内容は、「電子お薬手帳等ICTの活用」「24時間対応」「在宅患者に関すること」

    【「地域医療」「地域包括ケア」に取り組む意思はあるが、障壁があり取り組めないこと(自分自身)】

    Q.地域包括ケア時代に向け、薬局・薬剤師に期待される機能も格段に増えて行きます。以下のうち、あなた個人としてあてはまる項目をすべてお知らせください。

     

    4.地域医療に貢献するために、薬剤師個人として今後取り組みたいのは「コミュニケーション技術・ホスピタリティの向上」

    【「地域医療」「地域包括ケア」について今後取り組もうとしていること(自分自身)】

    Q.地域包括ケア時代に向け、薬局・薬剤師に期待される機能も格段に増えて行きます。以下のうち、あなた個人としてあてはまる項目をすべてお知らせください。

     

    5.薬剤師から見て、医療政策や自身のキャリアに資する情報は「必要なのに不足している」

    ●薬剤師から見て、情報量の「不足」と「十分」が拮抗しているのは、新薬・ジェネリック医薬品の「新発売の情報」のみ。

    ●その他の情報については軒並み「必要だが不足している」という認識。

    ●今後必要としながらも不足しているのは、「地域医療、地域包括ケア、医療連携についての情報」「医療制度改革などの国の動きについての情報」「診療報酬、調剤報酬算定についての情報」といった医療政策・制度に関する情報と、自身の「キャリアプランニングについての情報」、薬局の「経営についての情報」。

    【情報ニーズ】

    Q.あなたが現在のお仕事に必要だと思われる情報について、お知らせください。

     

    6.ジェネリック医薬品の推奨意向や安全性に対する理解は、「病院」薬剤師より調剤薬局薬剤師の方が高い

    ●「個人経営」や「チェーン」の調剤薬局薬剤師は「病院」薬剤師に比べ、「自分はジェネリック医薬品の推奨に積極的」が10ポイント以上高い。「ジェネリック医薬品の安全性は新薬と同等」については、「病院」薬剤師は「個人経営」や「チェーン」の調剤薬局薬剤師に比べやや値が低く、意見が分かれる傾向に。

    【ジェネリック医薬品に対する認識(薬局類型別)】

    Q.あなたのジェネリック医薬品に対する認識についてお伺い致します。下記それぞれについて、お気持ちに近いものをひとつずつお知らせください。

     

    7.味や剤形など機能面での工夫はジェネリックの調剤につながる

    【ジェネリック医薬品の調剤に対する意識】

    Q.ジェネリック医薬品の調剤について、あなたのお気持ちに近いものをお知らせください。

     

    <「薬剤師意識調査2016」の概要> 
    ・調査会社 :株式会社電通マクロミルインサイト
    ・調査手法 :インターネット調査
    ・調査時期 :2016年9月30日~10月5日
    ・調査対象者:薬剤師の資格を持ち、現在正社員で薬剤師として勤務している人
    (「病院」勤務者/「個人経営」の調剤薬局/「チェーン」の調剤薬局 計327ss)
    ・主な調査内容:「現状の業務実態」「製薬会社との関わり」「情報提供・ニーズ」「ジェネリック医薬品」「地域医療」「地域包括ケア」「キャリアイメージ」

    以上


    電通ニュースリリース
    http://www.dentsu.co.jp/news/release/2016/1207-009097.html