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「エコプロ2016 」

環境・エネルギーの総合展示会に
17万人が来場

2016/12/14

    産業環境管理協会と日本経済新聞社は12月8~10日、江東区の東京ビッグサイトで「エコプロ2016 ~環境とエネルギーの未来展~」を開催した。会場では、企業や自治体、NPO、大学など約700社・団体が出展し、会期中約16万7000人の来場者でにぎわった。

    1999年に環境配慮型製品の普及を目的に始まった「エコプロダクツ展」は、年々サービスや環境経営、社会貢献まで領域の広がりを見せている。同展では「地球温暖化対策と環境配慮」「クリーンエネルギーとスマート社会」を2大テーマとし、今回から展示会名を改称した。

    ここでは、展示会場の主な様子を紹介する。

    ■  展示会のトピックス

    国内初の「ナノセルロース展」を開催

    5分の1の軽さで5倍の強度を持つ新素材「セルロースナノファイバー」(CNF)は、ポスト炭素繊維として、自動車部品・家電の軽量化や燃費改善などによる地球温暖化対策への貢献が期待されている。会場内の「ナノセルロース展」には35社・団体が出展し、研究開発から事業化、製造から利用までを紹介した。

    水素・地熱などの「クリーンエネルギー」

    水素社会の実現に向けた先端技術・製品として、パナソニックは純水素型燃料電池を、トヨタ自動車は日本初の「燃料電池フォークリフト」を展示した。

    この他、水素エネルギーの利用が進むモビリティー分野を中心に水素社会を紹介する企画展示を行った。

    地震や異常気象など自然災害に対応する「防災・減災製品」

    防災・減災と迅速な復旧・復興に関するレジリエンス(強靭化)立国への取り組みが始まる中、小野田産業、本田技研工業が免震体験車や次世代防災対応住宅を、積水化学工業は減災の街づくりなどを紹介した。

    体験企画やステージイベント、セミナー・シンポジウムなどを多数実施

    会場ではエコカー乗車体験や、環境・エネルギー、先端技術、エコライフに関するセミナー・トークショーなど展示以外の企画も多く実施された。環境省による「COOL CHOICE ~未来のために、いま選ぼう。~」ブースでは、省エネアイデアと最先端技術で「次世代の暮らし方」を選んで、CO2排出を抑えることを訴える展示が行われ、中でも温暖化が進行した100年後の東京の姿を360度VR映像で視聴できる体験コーナーは、行列が途切れない人気だった。

    COOL CHOICE公式サイト:
    https://ondankataisaku.env.go.jp/coolchoice/

    ■ 「REDD+」

    REDD+とは、途上国の広大な森林を守ることで温室効果ガスの排出を抑え、気候変動を緩和するための世界的な取り組み。日本では2014年に、国際協力機構(JICA)と森林総合研究所が発起人となり「森から世界を変えるREDD+プラットフォーム」を設立し、民間企業と行政機関が連携しながらREDD+プロジェクト推進のための取り組みを展開している。

    10日、会場のイベントステージでは「What’s REDD+?! 森から世界を変えるキーワード『REDD+』とは何か? ~地球温暖化防止の切り札『REDD+』について、パックンマックンと一緒に学ぼう!」が行われた。

    ステージでは、日本人と米国人のお笑いコンビ・パックンマックンの司会の下、2016年度ミス日本みどりの女神・飯塚帆南さんと学生3人のチーム「YRN」(やーん)が登壇。4人は今年、REDD+オフィシャル特派員としてインドネシアに渡航し、森林減少の状況やREDD+の活動を取材した成果と、帰国後のPR活動を報告した。4人はカカオの栽培促進と商品価値を高めることにより、森林破壊を止めるプロジェクトの有効性や現地の人々との交流について現地レポートを発表し、「現場を見て、環境に対する意識がより高まった」「日本のサポートが役立っていることに誇りを感じた」など感想を述べた。

    REDD+公式サイト:
    http://www.reddplus-platform.jp/