シンガポール発★ アニメフェスティバルアジア

シンガポールで11月8~10日、東南アジア最大規模のアニメの祭典「アニメフェスティバルアジア」(AFA)が開催され、国内外から約8万5000人が訪れた。連日併催されたコンサートには総勢1万人を動員。ASEAN域内における日本発コンテンツへの高い人気がうかがわれ、関連ビジネスの本格進出にも機が熟しつつあるようだ。アジアの経済情報を配信するNNAが伝えている。

電通と現地企業のSOZO、コンサートホール運営を手掛けるZEPPライブエンタテインメントが主催した。シンガポール開催は今年で6回目となる。これまでは電通シンガポール、SOZOの共催だったが、今回からは電通本社が直接出資し、会期を1日延長した。 

展示会場では、日本企業を中心に玩具やゲーム、音楽、芸能関連の100社以上がブースを開設。SOZOのショーン・チン社長によると、多くの出展者が持ち込んだ製品の8割強を販売した。完売したブースも出たほか、「9割以上のスポンサーと出展者から再出展の意向を示してもらえた」(チン社長)という。

初開催から毎年出展を続けるバンダイは、最終日に発売した限定100個のアニメ「革命機ヴァルヴレイヴ」のプラモデルが完売した。バンダイサウスアジアの大山高慶マネジャーは「例年に比べ、来訪者が低年齢層まで広がっている。アニメや漫画のブームが、マニアから一般の層へと飛び火してきているのではないか」と分析した。
キヤノン・シンガポールは、製品即売ではなくカメラに自由に触れてもらったり、プロカメラマンがその場で撮る写真をプリントする無料サービスを行い、写真文化の普及を狙った。提供枚数は、はがきサイズの写真で3000枚を超えたという。同社の吉地大シニアマネジャーは「ASEANの人口の半数以上を占める若者層に写真文化を啓発するには、花や動物を被写体にするより、彼らが幼少の頃から身近に親しんできた日本発のアニメや漫画と絡めて訴求する方が響く」と話した。

AFAは、日本のコンテンツ輸出や海外進出を後押しする役割を担っている。日本から訪れた音楽制作業界団体の代表者と東南アジアのテレビ局などの、コンテンツ輸出に向けた会合を取り持つ支援なども行った。
会合に参加した著作権管理事業会社ジャパン・ライツ・クリアランスの荒川祐二社長によると、ASEAN各国のテレビ局などでは、1990年代に見られたような日本のポップカルチャーに対する需要が再燃しつつある。同社は、日本のポップスとロックミュージックを各国で積極的に紹介してもらうための条件整備に向けた話し合いを開始した。
経済産業省が支援するクールジャパン戦略推進事業に採択された事業も出展した。漫画を扱う出版社が連携して人気の漫画本や原画を展示したブースや「カワイイ文化」を発信するブースも設けられた。電通スポーツアジアの杉本将氏は「クールジャパンに採択された事業との連携がAFAで実現したことは、大きな成果の一つ」と振り返った。
AFAの開催都市はシンガポールに加え、昨年からはインドネシア、マレーシアにも拡大。SOZOのチン社長は「来年にはタイへの参入も構想している」と話す。

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