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電通PRの企業広報戦略研究所が第2回「企業魅力度調査」結果を発表

2017/06/19

    電通パブリックリレーションズ(電通PR)の企業広報戦略研究所は6月19日、第2回「企業魅力度調査」の結果を発表した。

    調査の目的は、生活者が企業のどのような活動(ファクト)に魅力を感じ、その魅力がどのように伝わっているかを把握すること。「人的魅力」「会社的魅力」「商品的魅力」の3要素で企業の魅力を分析した。20~60 歳代の男女1 万人を対象に、10業界計150社について調べた。同調査は昨年3月に初めて実施、今年3月が2回目となる。

    調査結果から、「企業魅力度の業界別ランキング」「魅力項目ランキング」「魅力ポイント数の経年変化」についてリポートする。

    <グラフ1>2017 年の企業魅力度業界別ランキング

    <グラフ1>2017 年の魅力度業界別ランキング

    業界別ランキングは、1位「食品」、2位「医薬品・生活用品」、3位「自動車」。昨年1位の「電気機器」が4位に

    一般生活者1万人が“魅力を感じる”とした項目の合計ポイント数を業界別に積算すると、食品業界(3万4223ポイント)が1 位。昨年6位(2万5105ポイント)から大きく順位を上げた。合計ポイント数は、昨年トップの電気機器業界(昨年3万2760ポイント)よりも1463ポイント高い(グラフ1 )。

    食品業界が大きく魅力度を伸ばしたのは、「商品的魅力」で、中でも「アフターサービスや問い合わせ対応がしっかりしている」が245ポイント上昇した(昨年314ポイント→今年559ポイント)。魅力を感じたきっかけを自由回答で聞いた設問でも「商品に違和感があった時、丁寧に対応してもらった」(女性30歳代)というコメントが見られ、問題発生時の各社の対応が、評価を左右していると考えられる。

    また、「革新的・先進的な商品・サービスを提供している」も前年比167.8%(同404ポイント→同678ポイント)となり、食品業界の魅力度を押し上げた要因の一つ。「これまでになかった商品を開発し、常に先を行っている感じがあるから」(男性60歳代)や、「とにかく、新しい商品が斬新だったり、楽しかったり、うれしかったりするから。消費者が喜ぶことをしてくれる努力を感じる」(男性30歳代)、「健康に配慮した製品であるとともに、おいしさも感じられるところ」(女性20歳代)、「健康志向の高い食品を販売しており、生活習慣病などの健康問題を改善しようと努力されているように感じた」(女性20歳代)など、各企業による最新のトレンドやニーズに機敏に対応した商品開発や取り組みを生活者が評価していることが分かる。2015年4月に「機能性表示食品」制度が導入されて以来、同商品カテゴリーをはじめとする健康関連商品の開発や導入が相次いだことが、良い影響と与えていると考えられる。

    一方、順位を昨年1位から4位へと下げた電気機器業界は、三つの魅力全てでポイントを落としているが、特に「会社的魅力」は成長戦略や投資・財務戦略に関わる項目で2割以上の減となっている。これが、業界全体の魅力度を大きく下げる要因になったようだ。

    生活者は「人的魅力」をさらに重視する傾向に(前年比約106%)

    <グラフ2>2017 年の魅力項目ランキング

    <グラフ2>2017 年の魅力項目ランキング

    生活者が魅力を感じる企業のファクトをランキングすると、1 位は2 年連続で「ビジョンを掲げ、業界をけん引している」(51.6%)となった。昨年と比較すると、4 位と5 位が入れ替わったものの、ランキングに大きな変化は見られなかった。昨年同様、上位五つのうち三つ(1 、3 、4 位)が「人的魅力」の項目となっている(グラフ2 )。

    また、全業界の魅力ポイント数の合計は、前年比103.5%だった(グラフ3 )。内訳では、「人的魅力」の総量は 5459ポイント増で前年比106.0%。「会社的魅力」は 1938ポイント増で同102.9%、「商品的魅力」は 1202ポイント増で同101.4%となった。

    <グラフ3>全業界の魅力ポイント数の総量経年変化

    <グラフ3>全業界の魅力ポイント数の総量経年変化

    以上のように、生活者は、企業の魅力を判断する際「人的魅力」を重視しており、その傾向は昨年よりもさらに強まっていることが分かる。昨年から20位以上魅力度ランキングを上げた企業18社で見ても、三つの魅力のうち「商品的魅力」の割合が最も高いものの、伸長率では「人的魅力」が高く、前年比147.1%となっている。このことからも、生活者にとって「人的魅力」の重要性が高まっていることがうかがえる(グラフ4、5 )。

    <グラフ4>20位以上魅力度ランキングを上げた企業(18社)の「三つの魅力」構成比

    <グラフ4>20位以上魅力度ランキングを上げた企業(18社)の「三つの魅力」構成比

    <グラフ5>20位以上魅力度ランキングを上げた企業(18 社)の「三つの魅力」経年変化

    <グラフ5>20位以上魅力度ランキングを上げた企業(18 社)の「三つの魅力」経年変化
     

     
    ■調査概要
    調査対象:全国20~69歳男女、業界ごとに1000人ずつ 計1万人
    調査方法:インターネット調査
    調査期間:2017年3月24~29日
    調査対象企業:10 業界150 社(対象企業=ウェブサイト上の詳細リポート参照)
    設問内容:魅力を感じる業界、魅力を感じる企業、魅力を感じた要素など
    調査主体:企業広報戦略研究所(電通PR内)
    調査の詳細リポート:http://www.dentsu-pr.co.jp/csi/csi-outline/20170619.html
     
    ■企業魅力度モデル(Attractiveness Marketing Model)とは
    生活者や投資家が、企業のどのような活動や事実(ファクト)に“魅力”を感じるかを「人的魅力」「会社的魅力」「商品的魅力」の3要素で検証する分析モデル。2016年に、企業広報戦略研究所が開発
     
    ■「魅力の3要素」の定義
    ●「人的魅力」:リーダーシップや職場風土、ソーシャルイシュー対応力など、企業を構成する「個人」や事業活動を通じて周囲に感じさせる「法人」としての魅力
    ●「会社的魅力」:成長戦略、安定性・(中・長期的な)収益性、リスク&ガバナンス対応など、優れた財務パフォーマンスと、それらを支える仕組みや取り組みに関する魅力
    ●「商品的魅力」:コストパフォーマンス、安全性・アフターサービス力・クレーム対応、独創性・革新性など、商品・サービスを通じて伝わる魅力