「よりよく生きる」プランニング #05

ウェルネス偏差値を上げるには?〜お金とモテと自尊心と〜

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    小幡 道子
    株式会社電通 マーケティングソリューション局

このコラムの初回で、ウェルネスとは「心身ともに健康で輝くような状態」を指し、「よりよく生きる」ことを意味するとお伝えしました。でも、「どのくらいウェルネスなのか」というのは分かるのでしょうか? 健康よりも上位の概念であるだけに、第3回でご紹介した「悩み症状」だけでは測りきれないはずです。そこでチームウェルネスでは、「健康度」に「幸せ度」「イケてる度」※1「満足度」「ストレス度」の4つを加えた5つの指標を作ってウェルネス度合いを見てみることにしました。今回はそのお話をさせていただきます。

具体的な結果に進む前に、皆さんは「心身ともに健康で輝くような状態」と言われると、どのような状態を想像するでしょうか?一昨年の調査では、人間の欲求を5段階の階層で理論化した「マズローの欲求段階説」にウェルネス的な要素を加えて「あなたが理想とする健康状態」を聞いています。



それによると、最も多かった回答は選択肢の中で最高の健康状態。だんだん良くなっていくように選択肢が並んでいるので、これを選ぶのは当然です。ところがもうひとつ、それに迫るスコアを獲得している項目があります。それが「身体が健康なことに加え、人間関係が良好で、孤独感やストレスなどを感じない状態」です。最高のパフォーマンスが出せる状態よりも、うらやましがられる体型を持つことよりも、「良好な人間関係」を望む、あるいはこれがあれば十分、という人が3人に1人くらいはいる、ということです。身の丈志向という点でも、対人関係重視という点でも、これはとてもイマドキっぽいですよね。

少々脱線してしまいましたが、ウェルネス5指標のお話に戻りたいと思います。

いきなりですが結論からいうと、「ウェルネス状態は、男女ともに、基本的に年代が上がるほど良い」ということが分かりました。

 健康度・イケてる度・幸せ度は左軸の偏差値、満足度・ストレス度は右軸の得点で表しています。

 

なぜ「基本的に」なのか。それは、「40代」が当てはまらなかったからです。健康な感じ、イケてる感じが30代よりも低く、ストレスはトップ、女性では「幸せ度」も下降します。世代の特色もあるので一概には言えませんが、定性調査や雑誌などで収集した情報を分析すると、夢に対しピュアに悩む20代、がむしゃらに突き進む30代を経て、40代はどうやら一呼吸おいて自分を振り返るタイミングのようなのです。まじまじと自分の状態を見つめ直した時、描いていた理想と現実のギャップ、年齢による衰えなどを感じて、凹んでしまうこともある、そんな年代なのかもしれません。

また、指標を作ったことで以下の事柄も視覚化できました。
・「健康」と「イケてる感じ」と「幸せ」はリンクしている。
・ 満足だからといって幸せとは限らない。幸せだからといって満足というわけでもない。

生活者がどのくらいウェルネスなのか分かったところで、次に気になるのは「よりよく」なるためには何があればよいのか、ということです。これは未充足点と捉えることもでき、商品開発や販促活動におけるヒントになります。予想はつきますか?

1位は圧倒的に「お金」です。20代から50代までの男女の1位を完全に独占。ただし、60代ではそのランクを落とします。「日々の充実感」などがお金よりも価値を持ってくるのです。また、2位以下の上位項目の要素をまとめると、よりよく生きるためには、「自尊心(自信など)」「モテ・恋愛」「安らぎ・癒やし」などが必要と感じられていることが分かりました。ちなみに男女別にみると、男性には「達成感」、女性には「笑顔」なども、理想に比べると足りていないようです。

いかがでしたでしょうか? あなたのウェルネス偏差値はどのくらいでしょう? 何があればもっと輝けそうですか? 今回はボリュームが多くなってしまったので、小ネタはお休みです。長文を読んでくださってありがとうございました。

※1「イケてる度」= 外見、経済力、社会的地位、周囲からの人気ぶりなどの総合

プロフィール

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    小幡 道子
    株式会社電通 マーケティングソリューション局

    電通チームウェルネスの戦略プランナー。オリジナル調査や有識者ネットワークなどから収集・分析した情報と知見を用いて、食品、飲料、医薬品、化粧品、トイレタリーなどの幅広いカテゴリーでヘルスケアのトレンドや生活者インサイト視点を盛り込んだ商品開発サポート、販促戦略コンサル、コミュニケーション開発などを行う。

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