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「よりよく生きる」プランニングNo.4

コラーゲンの認知率が落ちた!? ウェルネス商品の成分訴求

2013/08/02

最近、健康や美容を気づかって購入したものはありますか? その時、何が検討の材料になったでしょうか?

前回は健康意識と悩み症状について調査の結果を紹介しましたが、今回は、そのような状態にある人たちが「何に反応するか?」についてお話しさせていただきます。

電通ウェルネス・プロジェクトで行っている、健康や美容に貢献する食品素材(黒酢、青汁など)約150種の認知や摂取状況を調べる調査では、近年、「素材に対する関与の低下」が全体傾向として見られます。簡単にいうと、「素材や成分があまり意識されなくなっている」状況で、ほぼ全ての成分で認知率が減少傾向にあります。あくまでこの調査の結果では、ですが、あのコラーゲンでさえ、2004年には94.0%あった認知が、2012年には74.5%になってしまいました。

さらにいうと、「関与の格差」が生じてきていることも分かりました。例えばカルシウムは、「認知率」は低下しているのですが「効果効能認知」は上昇しています。つまり、「知っている人自体は減ったけれども、知っている人は中身もよく知っている」という状態になってきているわけです。

上記のような事柄から、少し前にココアのポリフェノールなどであった「詳しくは知らないけど名前をよく聞くよね」というような有効成分の流行り方はしなくなってきているということが分かるわけですが、それでは、何を伝えたら振り向いてもらえるのでしょうか?

その答えのひとつとして、「何をしてくれるものなのか」を明確にした方がよい、ということが挙げられます。素材や成分名ではなく、作用するしくみでもなく、機能が大事ということです。ただし一般食品では効果効能を直接訴求するのは法的に難しいので、もちろん工夫は必要です。そしてこの時、何が魅力的な機能と捉えられるか、ですが、調査の結果からは「脂肪」「睡眠」「疲労回復」などの用語が気になる、という結果が出ています。

メタボ健診が始まった頃に比べると鎮静化してきたものの、健康的にも美容的にもダイエット関連は男女ともに変わらず高関心事項です。また、魅力的に感じる効果効能では、「ストレスが解消される」「疲れが取れる」「目に良い」などが上位にランクインします。

ちなみに、素材や成分の訴求はあまり流行らない、といっても、一時期の健康ブームのおかげで生活者全体の知識は底上げされていますので、「ビタミンC」「食物繊維」「カルシウム」などは、必要なものとして断トツに強く認識されていて、含有されていることは商品選択の際に有利に働きます。

皆様はいかがでしょうか? 成分表記は気になりますか? 最後に小ネタですが、飲料の糖分とカロリーの表示について。「無糖」=「100mlあたりの糖類が0.5g未満」、「砂糖不使用」=「加工の段階で砂糖を使っていない」、「ゼロカロリー」=「100mlあたり5kcal未満」ということをそれぞれ表しています。糖類は糖質に含まれ、糖質1gは4kcalに相当します。混乱してきましたよね? 商品選びに迷ったら、ご参照ください。