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インド発★ 「上流の暮らし」を提示、高級車販促

2013/12/25

    アウディやマセラティなどの高級車メーカーが、「極上の時間を提供する」というコンセプトで富裕層プロモーションを展開している。高級車のオーナーになることで「このようなワンランク上のライフスタイルがもたらされる」と訴え、顧客を魅了したい考えだ。エコノミック・タイムズ(電子版)が伝えた。

    市場調査会社IMRBによると、インドの高級車市場は2012年で100億ルピー(約170億円)規模。過去3年間の年平均成長率は20%近くに達し、次の3年間も15%の成長が見込まれているため、高級車メーカーの熱い注目を集めている。

    アウディは今年8月、購入者向けの会員制組織「アウディ・クラブ・インディア」を立ち上げた。富裕層向けの旅行手配を手掛ける世界的大手「アバクロンビー&ケント」や地中海料理を提供する「オリーブ・バー&キッチン」と提携し、旅行や外食などの場面で顧客に「ワンランク上」のサービスを提供する。アウディでインド事業を統括するジョー・キング氏は、新組織を設立した背景について、「上流階級に属していれば、必然的に注目が集まるものだし、人脈が非常に大切になる」と説明、“場”の提供が富裕層を引きつけると語る。

    一方、マセラティはイタリアで来年6月に開かれるイベント「マスター・イタリアン・ライフスタイル・エクスペリエンス」に購入者を招待する意向を示している。同イベントには、路上やサーキット場での運転技術の講習だけでなく、アートやファッションを含めた「イタリア式」のエッセンスを詰め込んだ。インド国内で正規輸入業者に指定されているシュレヤンズ・グループのアシシュ・コーディア会長は「購入者がパルマのサーキットを疾走する一方、お連れの方はフィレンツェで最先端のブティック巡りを楽しむことになる」と演出に自信を示す。

    現在、高級車の購入者の3人に2人は40歳以下という。一連のプロモーションについて、業界に詳しい専門家は「若く、熱心なファンの獲得につながるのではないか」と話している。