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コタス「日本のコ・クリエーション アワード2013」6事例を発表

2013/12/24

      2013年の先進的・模範的な共創事例を表彰する「日本のコ・クリエーション アワード2013」。最終審査の結果が12月18日、発表された。電通とインフォバーンが共同運営するオープンイノベーション情報サイト「cotas」(コタス、cotas.jp)が主催するもので、今年で2回目。自薦・他薦による50件のノミネートの中から、6事例が選出された。

      【受賞事例】

      ■コペルニク(米国NPO法人コペルニク)

      概要:オンラインマーケットプレースを通じ、途上国が抱えるエネルギーや環境、飲み水などに関わる諸問題を解決できる「技術を保有する会社・大学」と、地 域の問題解決に取り組む「途上国の団体」、「寄付者」の3者を結び、途上国が抱える問題を解決する共創プロジェクト。米国NPO法人だが、元国連職員の中 村俊裕氏が代表を務める。

       

      ■zenmono(株式会社enmono)

      概要:掲載するアイデアを形あるプロダクトに特化し、お金だけでなく制作協力者も募ることができるクラウドファンディングプラットフォーム。製品化したい アイデアを持つプロジェクトの発案者を「プレイヤー」と呼称。このプレイヤーに対して、既存のクラウドファンディングと同じように、資金による援助を行う 人は「パトロン」、お金以外のスキルによってプレイヤーを支援する人は「サポーター」として、プロジェクトに協力する。

       

      ■One Panasonic(One Panasonic)

      概要:大企業特有の停滞感、経営と現場の乖離、組織間のコミュニケーション不足などの課題に対して、パナソニックの若手を中心に、約1200人の有志メン バーが組織をつくり、モチベーション向上・組織の活性化をミッションとする活動を展開。「経営者と現場が入り混じってのコミュニケーションの勉強会の開 催」「行政との提携によるハッカソンの開催」「他企業との事例共有を目的とした他社交流会」を業務外の有志活動として実施している。

       

      ■Luvtelli Tokyo & New York(Luvetelli Tokyo & New York)

      概要:日本に予防医療を普及させることを目的とし、医療・健康・食の専門家が集い、発足したプロジェクト。海外視察や共同研究、学会発表などを通じ、得た 情報を一般家庭に分かりやすく伝えることで日本人のヘルスリテラシーを高め、不妊症問題や、将来の生活習慣病リスクが高い低出生体重児を減らすことを第1 の目的として活動している。13年春に高齢出産のリスク軽減のため、一般女性を対象にした妊娠前スクリーニング検査を大学病院と共にスタート。

       

      ■Perfume Global Site Project(Perfume)

      概要:「ファンとクリエーターの手によって世界へ羽ばたく」というコンセプトの下、ティーザーサイトやオープンソースプロジェクト、ライブパフォーマンス まで包括する大プロジェクト。オリジナル楽曲と振付のモーションキャプチャーデータを無料配布するだけでなく、ソーシャルコーディングサービス 「github」上にデータ活用のための拡張機能やサンプルコードを準備することで、クリエーターやプログラマーによる二次創作を促した。

       

      ■ウェザーリポート(株式会社ウェザーニュース)

      概要:会員が気象情報を写真とコメントで報告し、各地の空模様を共有できる取り組み。会員からの情報を基に、写真やアイコンで目的地域の現在の気象情報を 知ることができる有料サービス「ウェザーリポート」を無料化。ゲリラ雷雨など、今の科学では予測が困難な気象現象が激増する中、その対応策として共創のた めのプラットフォームを用意した。

       

      【小林弘人審査委員代表総評】

      今年は昨年と比較して、数多くのエントリーが自薦・他薦として持ち込まれ、審査も非常に悩ましいものとなった。コ・クリエーションに「良い・悪い」はなく、上位に食い込んだものの多くは、その構想、規模、そして実績、あるいはこれから取り組む人たちにどのような影響を及ぼすかなどが重視されたものと解釈している。傾向としては、「One Panasonic」のように社内の活動を可視化した取り組みが登場したことから、さまざまな分野にコ・クリエーションが浸透しつつあるといえる。また、自治体が推進する事例も増えた。そして、「コペルニク」「Luvtelli Tokyo & NewYork 」「zenmono」「Perfume Global Site Project」のような国境を超えた共創が、日本人の手によって促進されている。惜しくも賞にはもれたが、「ストリートアカデミー」のような「教える」「学ぶ」など目に見えないスキルシェアリングの活動が国内でも増える予感がする。