中国発★ 広がる自動車制限、その影響は?

中国で自動車のナンバー登録や交通の制限を実施する都市が増えている。大気汚染や交通渋滞の深刻化が背景だ。既に対策を取っている4都市(上海市、北京市、貴州省貴陽市、広州市)に続き、天津市も昨年12月に自動車購入制限策を導入した。深セン市や浙江省杭州市なども制限策を本格検討しているとされ、今後は地場自動車メーカーを中心に市場への影響も出てきそうだ。証券時報、上海証券報、中国新聞網などが伝えた。

国泰君安証券の調査によると、天津市の2012年の自動車販売台数は約30万台で、中国全体の2%。今回の自動車購入制限が市場に与える影響については、さほど大きくないとみられ、同社は同市の制限策の全国自動車市場への影響は0.6%にとどまると予測している。一方、北京市は11年からナンバーの登録台数の制限策を導入したが、導入前の自動車販売台数が年間約90万台だったのに対し、導入3年後の13年の販売台数は約60万台に減少した。

中国自動車工業協会は13年7月時点で、既に深セン市、浙江省杭州市、河北省石家荘市、重慶市、山東省青島市、湖北省武漢市など6都市以上で購入制限策を検討していることを明らかにした。これらの都市はいずれも、自動車販売台数が年間20万~30万台と多い主要市場だ。
同協会によると、上海と北京、広州で制限策が実施されて以降、ほぼ全都市で地場ブランドの販売シェアが5割近く下落して10%前後に縮小。全国平均の32%を大きく下回るなど、影響が最も大きいとみられている。北京では、11年の奇瑞汽車、吉利汽車、比亜迪(BYD)など地場12社の販売台数は計4万1000台となり、10年の11万8000台から激減した。シェアは10年の19.8%から12年上半期には10%まで落ち込んでいる。
また、制限策の導入前後では、自動車1台当たりの平均販売単価が88%も上昇し、排気量1600cc以下のセダンのシェアは17%に下降するなど、海外大手メーカーと合弁でブランドを展開する高級車種が相対的にシェアを伸ばしている。

大都市での自動車制限は、エコカーの普及も後押しするとみられている。北京市は13年11月に自動車の登録台数を規制する新たな細則を発表したが、13~17年の4年間の乗用車の新車ナンバー登録累計台数を60万台以内に総量規制する一方、エコカーは17年までに17万台普及させる数値目標を設定している。市場では、ハイブリッド車(HV)などエコカーへの新たな補助策が近く公布されるとの予測もある。
上海市は13年12月、個人が市内で保有する電気自動車やプラグインハイブリッド車などエコカーの数を、15年までに2万台に増やす計画を明らかにした。ガソリン車の購入を抑制しながら、エコカーを増やす方針を示している。

トヨタはこうした状況を受け、13年11月、第一汽車集団と広汽集団の研究開発(R&D)部門と連携し、江蘇省常熟市でHVシステムの共同開発を進める計画を発表している。

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