ネットがもたらす新しい価値 #01

新しい価値の衝撃

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    馬郡 健
    株式会社電通 デジタル・ビジネス局

はじめてiPod touchに手を触れたのが、今からおよそ6年前。家の無線LANに接続し、ブラウザSafariでインターネットにアクセスしたとき、「あ、新しい時代が来た!」とひどく感激したのをよく覚えています。程なくしてiPhone 3Gが発売され、当時流行していた(僕もハマって何度も見ました)ドラマ“24 -TWENTY FOUR -”の中で主人公ジャックバウアーが使っている「デバイス」が誰でも手に入れられる時代になりました。

紹介が遅れましたが、僕は電通デジタル・ビジネス局の馬郡(まごおり)と申します。入社してから6年ほど新聞局で日経新聞を担当。新聞局には希望して行きました。その後、縦書きから横書きへ。90度違うデジタルの世界にやってきました。まさか自分が電通でデジタルの担当になるとは夢にも思いませんでしたが、よく思い出してみると僕はデジタル少年だったかもしれません。小学生のとき、近所の友達からもらったNECのPC-9800でBASICという言語でゲームを作り、FM音源で自動演奏プログラムを書きました。中学生ながら電子手帳でスケジュールや電話番号を管理していましたし、ポケットベルやPHSにもすぐ飛びつきました。高校、大学ではシーケンサーという専用コンピューターとシンセサイザーを使い作曲や演奏をしていました。僕は体育会の水泳部に所属していたのですが、そのつてで日本代表選手を決定する国内最大の水泳大会「日本選手権水泳競技大会」の決勝の入場曲を担当させていただきました。

いつも身近にあったコンピューターやインターネットの世界で仕事をすることになったわけですが、その奥深さや意義を多くの方にわかりやすく説明することに非常に苦心していました。テクノロジーや新興メディア、プラットフォーム、効率を追い求めることはもちろんのことですが、インターネットの本質は「より多くの価値や価値観を知ることができるようになった」ということだと思い至るようになりました。

数年前から始まったFacebook社と電通の提携業務を担当しています。Facebook本社にも何度か訪問し、世界中のトッププログラマーが大学キャンパスのようなオフィスで切磋琢磨しながら開発し続けるプラットフォームのスピード感と底力を目の当たりにしました。中でもあるプログラマーの言葉が記憶に残っています。

宴席で我々から「なぜあなたはFacebookのプログラマーになったの?」と気軽に質問しました。すると彼の答えが強烈でした。「どこかの国と戦争になりそうなくらい緊張感があったとしよう。けれども、もしFacebookで相手の国の友人とつながっていたらその国にミサイルを撃ち込もうなんて思わないだろう? Facebookは世界を平和にできると思ったんだよ」。この話を聞いたときの衝撃は冒頭のiPod Touchでインターネットにアクセスしたときや人生の節目となったプログラムや作曲をしたときと同様でした。

複雑で奥深いインターネット/デジタルの世界ですが、価値や価値観という視点で考えてみるとより多くのものが見えてくる気がしています。何度執筆するかわかりませんが、デジタルやインターネットを探るコラムをこれから書いていきたいと思います。よろしくお願いします。

プロフィール

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    馬郡 健
    株式会社電通 デジタル・ビジネス局

    YouTubeなどを活用したソーシャルメディアプロモーションやARや画像認識技術を使った企画開発を手がける。その後、Facebook社との提携に参画し、公認ナビゲーションサイトFacebook naviやソーシャルを活用した地域活性プログラム「いいね!JAPANプロジェクト」を立ち上げる。また、母校である慶應義塾大学の體育會水泳部競泳部門監督も務める。

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