電通とNPO広報力向上委員会が「伝えるコツ」10周年記念フォーラム開催

電通とNPO広報力向上委員会は2月4日、「『伝えるコツ』10周年記念フォーラム」を東京・汐留の電通ホールで開いた。同委員会は、NPOが広報力を付けることで活動の可能性を広げることを目的に、多分野のメンバーによって発足させた。テキスト「伝えるコツ」を制作し、電通のクリエーターらが講師となり「伝えるコツセミナー」を全国各地で延べ100回開催、延べ4000人が参加してきた。今回のセミナーのテーマは「連携・協働」。NPO関係者や社会貢献活動に取り組む企業の担当者ら約180人が参集し、これまでの成果と今後の活動について理解を深めた。

最初のキートーク「10年の学びを次のステージへ」は、日本NPOセンターの田尻佳史常務理事・事務局長が進行役を務め、NPO広報力向上委員の3氏が登壇した。ふくおかNPOセンターの古賀桃子代表は、NPOにとって伝えることの意味は二つあるとし「外向けには共感者を増やす手段、内向けには組織やコミュニケーションの課題を洗い出す」と説明。経団連事業サービスの長沢恵美子総合企画室長は「社会貢献活動をする企業は、現場で今何が起こっているのかという情報を一番求めている。それを伝えることが大事だ」との認識を示した。また、テキスト「伝えるコツ」の制作に携わったバッテリーの友原琢也代表は「NPOのチラシや会報はこの10年でスキル的なものは向上したが、やはり、誰に、何を伝えたいのかという根本の部分が重要」と指摘。今後について、古賀氏は“温度がある”情報や媒体づくりの重要性を強調。長沢氏は「企業とNPOの協働を成功させるためには、目的、目標と情熱を全ての関係者が共有していることが大切」と述べ、友原氏は「10年間で企業側もNPOに対する理解が増し、『向かい合う関係』から『一緒に取り組む関係』に変わってきた」と、それぞれの中にいる「人の力」への期待を語った。

次のキートーク②「魅力的な組織、信じられる組織」では、電通社会貢献部の田中直樹氏が進行。電通の伊藤公一エグゼクティブ・クリエーティブ・ディレクターと同関西支社の松井薫エクゼクティブ・クリエーティブ・ディレクターが登壇し、広告制作の立場から「連携・協働」を考察した。両氏はまず、キーワード「組織にも人格がある。」を示し、会社を組織として捉えるのではなく、一人の人間と仮定して制作した企業広告の事例を紹介。伊藤氏は「組織にも人格があると強く感じる。人は人を好きになる、という大原則があるので、ちゃんと一人の人格が描けると、組織としてのシンパシーが上がるのではないか」と語った。松井氏は「なりたい自分と、外から見えている自分と、こうなるべき自分をどこに設定するか。このことを考えてはっきりさせ、最終的には『好き』になってもらうことが企業広告では大事だ」と語った。続いて二人はキーワード「オリジナリティーは組織の中にある。」を示し、オリジナリティーを探し出すことの重要性を説明。また、「連携・協働」については、広告制作チームをリードするクリエーティブディレクターの経験を踏まえ、組織と組織の組み合わせによって磨きがかかる「チームの力」に期待を示した。

キートーク③「協働のステップ」は電通ソーシャル・ソリューション局の並河進、谷口隆太、戒田信賢の3氏がNPOやNGOと企業の関係構築について考察。並河氏が代表してスピーチを行った。同氏はまず、協働とは双方向に何かを与え合っている状況と前置き。企業とNPOの橋渡し役として手掛けてきたプロジェクト事例を紹介した上で、「NPOと企業・団体・公的機関がつながって成し遂げられることは大きい。つながらなくちゃもったいない」と強調した。「連携・協働」をステップ論で整理し、ステップ1「まず相手を知ろう!」、ステップ2「win-winなパートナーシップを考えよう!」、ステップ3「パートナーシップを育てていこう!」と示し、具体的事例を解説。来場者の質疑にも答えた。

三つのキーノートに続いて、主催者側を講師に、参加者がグループに分かれてグループセッションを行い、それぞれの討議内容を発表した。

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