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アジア発★ 「マーケティング・プロフェッショナル調査」アジアはデータ分析を重視、偏重には抵抗感も

2014/02/20

    マーケティングコンサルティング会社のエフェクティブブランズは、最新調査リポート「Marketing 2020」を発行。同リポートは、92カ国・1万人以上のチーフ・マーケティング・オフィサー(CMO)を対象に、業界の現況や今後についての見方を調査したもの。キャンペーン・アジアパシフィック誌は、同リポートにおけるアジアのCMOの見方を取り上げ、その他地域との傾向の違いを比較した。

    マーケティングの効果を図る上で最適なKPI(重要業績評価指標)項目について、アジアで最も支持された項目は「コンシューマーエンゲージメント」(49%)。一方、世界全体では37%にとどまり、「マーケティングROI」(52%)、「収益成長率」(40%)、「マーケットシェア」(39%)に次ぐ4番目だった。反対に、「収益成長率」をKPIとして評価したアジアのCMOは32%で、世界全体の40%に比べ低水準。アジアのCMOが他地域に比べ、ブランド確立への長期的な取り組みを重視する傾向が示唆された。

    さらに、アジアでは他の地域に比べてデータ分析に基づいたマーケティング戦略が重視される一方で、データ偏重主義には抵抗感があることも明らかになった。アジアのCMOの75%が、「(自分たちの)報酬はKPIと関連している」と回答。世界全体の集計では57%だった。また、「ブランドKPIは企業の業績に連動している」としたCMOは世界全体の56%に対しアジアでは65%に上った他、「ブランドエクイティー測定の結果を業務に役立てている」(アジア48%、世界全体40%)、「ブランドエクイティーを測定する手法が確立している」(アジア45%、世界全体39%)といった項目でもアジアが世界全体を上回り、データ分析への傾倒が見られた。一方で、「データやKPIに基づいた戦略はクリエーティビティー発揮の妨げにもなる」と考えている割合が29%と世界全体の14%を上回った。

    同調査を実施したエフェクティブブランズはアジアで見られる傾向について、「情報過多が背景にある」との見方を示し、「ビッグデータはホットなトピックだが、正しく解析されなければ、巨大すぎるデータが企業の負担となり、クリエーティビティーやコンシューマーエンゲージメントの促進に役立てることができない」と指摘している。

    この他では、アジアのCMOが考える、今後5年間で重要度が増すマーケティング課題について、「ブランドポジショニング」(72%)、「消費者理解」(69%)、「セグメンテーション」(67%)、「顧客サービス」(59%)、「価格戦略」(53%)という結果が示された。また、「社内のマーケティング人材がそれぞれ適正なトレーニングを受けている」と回答したのはアジアで27%、世界全体でも22%と比較的低い数値にとどまり、人材育成に課題があることも明らかになった。