アジア発★ デジタル音楽サービスの普及で、ラジオ“復調”の兆し

広告媒体としてのラジオが、ここにきて見直されつつある。スポティファイやiTunes ラジオといったデジタル音楽サービスやポッドキャスティングが音声広告市場に参入してきたことが背景。キャンペーン・アジアパシフィック誌は、マーケターの間でもラジオを再評価する動きが出ていると伝えている。

これまでのところ、テレビやデジタルなどのキャンペーンが創造性の高さや豊かな想像力で消費者の話題を集めている。一方で、ラジオには費やされる時間もコストも、テレビやデジタルより圧倒的に小さい。特にここ数年はデジタル志向でその傾向が強まった。

しかし、ラジオは決して消えつつあるメディアではない。ニールセンによれば、アジアの2013年上半期のラジオ広告費は前年同期比でわずか1.1%の小幅減。広告費全体のシェアは4.3%を維持した。ネット広告や屋外広告は、それぞれ前年同期比43%増、7.8%増と伸び率に勢いはあるものの、シェアはそれぞれ9.2%、1.9%。ラジオが依然として一定の存在感を保っていることが分かる。アジアでのラジオのリーチはインターネットを上回り、テレビに次ぐ主要メディアだ。

最近ではデジタル音楽サービスの普及がラジオの再評価を後押ししている。中でも、年齢や性別、位置情報に基づくターゲット設定が可能で、広告フォーマットも柔軟な音楽ストリーミングサービス、スポティファイは、ラジオにとって鍵となるビジネスモデル。昨年4月に香港、シンガポール、マレーシアに上陸、現地のラジオ局と連携する見通しだ。これによりリスナーは、スポティファイ上で配信されるラジオ番組の音楽にタグを付け、プレイリストを作成できるようになる。スポティファイによれば、ユーザーに新たな発見をもたらす点でラジオの存在は極めて重要だという。

一方ラジオは、オンライン上で話題を集めた曲を流すなど、ソーシャルメディアが創出した機会を活用することが可能。昨年大ヒットした豪メルボルンのメトロ・トレインズ「Dumb Ways To Die」が好例だ。OMDシンガポールの共同マネージングパートナー、クロエ・ネオ氏はこうしたラジオの“ルネサンス”に言及した上で、「ラジオは考え抜かれたメディアポートフォリオの一部を成すべき存在だ」と指摘している。

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