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OpenAIがアジア初の拠点、東京オフィスを開設

2024/04/17

    「ChatGPT」などの生成AIサービスを展開するOpenAIは4月15日、東京オフィスの開設を正式発表した。OpenAIの拠点はアメリカ・サンフランシスコ、イギリス・ロンドン、アイルランド・ダブリンに続いて4カ所目。アジアでの開設は初となる。

    発表会見にはOpenAI Japanの社長を務める長崎忠雄氏、本社COOのブラッド・ライトキャップ氏も登壇し、東京オフィス開設にあたり意気込みを語った。

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    オフィス開設先に日本を選んだ理由として、「日本にはテクノロジー分野でリーダーシップをとってきた伝統があり、テクノロジーで未来をつくっていくことに取り組んでいる重要な市場。日本では週間200万人以上に使われており、既に多くの企業、多くの人に利用されている。日本はテクノロジーの導入における重要な変革期にある。その変革に貢献したい」(ブラッド・ライトキャップCOO)と語った。また、自由民主党による「AIホワイトペーパー」の策定や、日本政府が生成AIに関する国際的なルールの検討を行うために立ち上げた「広島AIプロセス」など、AIの開発や研究に前向きな点も述べた。

    OpenAIで最高経営責任者(CEO)を務めるサム・アルトマン氏は、ビデオメッセージで「(東京オフィスの設立は)日本のみなさん、政府、企業、研究機関との長期的なパートナーシップになることを願う最初のステップです」と語った。

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    本社COOブラッド・ライトキャップ氏

    長崎社長は、「研究に裏打ちされたOpenAIが開発するテクノロジーは、ありとあらゆる産業、業種をよりよい方向に導けると思っている。日本のお客様と対話を重ねて、いまだかつてない事例を今後数年かけてつくっていきたい。OpenAIのツールが普及することで、生活の質だけでなく、社会全体の生産性の向上やクリエイティビティの向上に貢献したい。まずは、さまざまな業種のニーズを把握し、OpenAIの価値を高め、わかっていただくことに時間を使いたい」と意気込みを語った。

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    OpenAI Japan社長 長崎忠雄氏

    また、日本法人の設立に合わせて、日本語に最適化された「GPT-4」のカスタムモデルの提供を発表。日本語のテキストの翻訳と要約のパフォーマンスが向上しており、前モデルと比較して、最大3倍高速動作するという。今後数カ月以内にAPIをリリースする予定。

    GPT-4のカスタムモデルを日本語向けに最適化

    「ChatGPTエンタープライズ」(企業向けの有料プラン)はすでに、ダイキン、楽天、トヨタコネクテッドなどの日本の主要企業に導入されている。発表会見ではトヨタコネクティッドの常務取締役 伊藤誠氏が登壇し、モビリティ業界におけるAIの可能性と期待について語った。

    OpenAIは今後、日本の独自のニーズに応える安全なAIツールの開発を目指し、政府、地元企業、研究機関などと協力していくことに力を入れるとし、既に他社で開発されてる日本語のAIツールとの協力についても前向きな姿勢を示した。