広告同人誌こみゅしふ〜僕と野良袋の思考的冒険〜 #11

COMMUNICATION SHIFT

  • 30
    並河 進
    株式会社電通 ビジネス・クリエーション・センター ソーシャルデザイナー/クリエーティブ・ディレクター/コピーライター

野良袋:いよいよ最終回だな。

並河:そうですね。

野良袋:前回の話もふまえ、いままで出てきたいくつかのシフトをCOMMUNICATION SHIFTとしてまとめてみよう。

・理解しえぬものを受け入れてしまうことへの非自覚→理解しえぬものを受け入れることへの自覚

・貨幣とモノ・サービスの交換をうながすもの→さまざまな価値と価値の交換をうながすもの

・今の価値を起点にした考え方→潜在的にそこにある未来の価値(ポテンシャルバリュー)を起点にした考え方

野良袋:広告がその存在のありかたを問われているとしたら、そこに哲学は有効、それは便宜的な意味でも有効なんだという話を最初にしたと思う。だから、行動をともなわない哲学は意味がない。

心の中の広さと、世界の広さはちょうど同じ大きさなんだぜ。おまえはまだ気づいていないかもしれないけれど。内なる心をさまようことと、世界に向かって行動すること。そのくりかえしによって、たまねぎの皮がむけた瞬間のように、真実とは見えてくるものでもある……。

並河:……。

野良袋:だからシフトとは「こうなっていく」というものではなく、「こうしていく」というもの。動きのある意思なんだ。

並河:COMMUNICATION SHIFTとは、動きのある意思を持って、広告の未来のありかた(それは合わせ鏡のように世界の未来のありかたでもある)を探り、示し、つくっていくこと。

野良袋:動き回って、探しまくって、真実が見えた、と思っても、また、すぐに見えなくなる。分からなくなる。だから、また真実を探す。でも、そういうところが人間らしさというものなのかもな。そして、その真実とは、意外と近くにあったりもする。

並河:あ!野良袋さんの、その袋の中に入っているものは、もしかして……真実?

野良袋:いや、ただの空気さ。

今回で最終回です。どうでしたか?
まとまりきらなかったので、というか、まとまりきるたぐいのものじゃないので、
どこかでこの話の続きはしたいと思っています。
ずっと読んでくださったみなさま、本当にありがとうございました。

プロフィール

  • 30
    並河 進
    株式会社電通 ビジネス・クリエーション・センター ソーシャルデザイナー/クリエーティブ・ディレクター/コピーライター

    1973年生まれ。
    電通ソーシャル・デザイン・エンジン代表。
    社会貢献と企業をつなぐソーシャル・プロジェクトを数多く手掛ける。「電通ギャルラボ」代表。ワールドシフト・ネットワーク・ジャパン・クリエーティブディレクター。上智大学大学院、東京工芸大学非常勤講師。受賞歴に、ACCシルバー、TCC新人賞、読売広告大賞など。著書に『下駄箱のラブレター』(ポプラ社)、『しろくまくんどうして?』(朝日新聞出版)、『ハッピーバースデイ 3.11』(飛鳥新社)、『Social Design 社会をちょっとよくするプロジェクトのつくりかた』(木楽舎)他。

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