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運用型広告の安全性を高める、新たなブラックリストとホワイトリスト

デジタル広告の“価値毀損”を防げ!No.5

2019/02/12

運用型広告の安全性を高める、新たなブラックリストとホワイトリスト

電通デジタルの田中彩華です。データやテクノロジーを駆使した、クライアント向けの計測ソリューションや、BIツールの開発をチームで行っています。

電通グループでは、インターネット広告の透明性を本質的に確保するため、明快(クリア)な行動指針(コード)、すなわち「Clear Code」(クリア・コード、商標出願中)を提唱し、施策を展開していくことを発表しました。概要は本記事末尾をご覧ください。

前回はアドベリフィケーション推進協議会の調査レポートを基に、日本のインターネット広告の「価値毀損リスク」について見てきましたが、今回はこれらのリスクに対応するべく電通グループが開発した、クリア・コード第1弾ソリューション「エージェンシーブラックリスト」と「テーラードホワイトリスト」を紹介します!

運用型広告枠のリスクと在庫量・価格はトレードオフだけど…

運用型の広告枠は、ほぼ無限に在庫があるのが魅力です。しかし、残念ながらリスクと在庫量・価格は常にトレードオフの関係にあります。この業界では「美味しい天然うなぎは、希少価値が高くて、価格が高い」という話によく例えられます。

運用型広告

電通グループでは以前から、安全で優良な広告枠だけを集め、柔軟な運用ができるブランディング広告メニュー「電通PMP」を提供してきました。アドベリフィケーションの諸問題を加味すると、現在もブランディング目的で広告出稿する場合に私たちがもっとも推奨するのは、この電通PMPでの運用です。

しかし、クライアントによっては、効果測定の指標(CPCやCPAなど)や広告予算の都合で、「PMPではなくDSPやアドネットワークを用いたオープンオークション型の運用をしたい」と求められるケースも多々あります。

そこで、幅広いニーズに対応するため、電通グループでは2019年1月から「エージェンシーブラックリスト」と「テーラードホワイトリスト」の提供を開始しました。

エージェンシーブラックリストとテーラードホワイトリスト
電通グループではブランディングにおいて低リスクな「電通PMP」の使用を推奨しているが、PMPではなくオープンオークション市場で広告配信したいクライアントの要望に応えるべく、「エージェンシーブラックリスト」「テーラードホワイトリスト」というソリューションを開発した。

●365日悪質サイトを見つけ続ける「エージェンシーブラックリスト」

オープンオークション市場では、悪質なサイトなどを配信先から除外指定する「ブラックリスト」という仕組みがあります。しかし、違法サイト、悪質CGMサイトは常に、次々と立ち上がっているのが実情です。

私たちは従来のような静的なブラックリストの管理・運用では悪質サイトの増加に十分な対応が追いつかないと判断し、動的に悪質サイトを監視できるダッシュボードを、日本語解析を強みとするMomentumと共同開発しました。Momentumが設定した諸条件のスコアがしきい値を超えたと検知されたサイトは自動的にブラックリストに追加されるほか、人間の目で発見したサイトも適宜登録可能です。

電通では原則、取り扱う全ての広告運用案件に対して、このダッシュボード上で出力した「エージェンシーブラックリスト」を電通推奨のDSPに連携し、適用します。

エージェンシーブラックリスト
ダッシュボード上で登録された悪質サイト情報は、広告配信DSPに反映され、迅速かつ確実に違法性・悪質性の高いサイトを省くことができる。

●クライアント1社1社に最適化する「テーラードホワイトリスト」

「テーラードホワイトリスト」とは、クライアントごとのアドベリフィケーション基準に即して、配信先のリストをつくれるソリューションです。

一般的なホワイトリストでは、「広告会社が決めた基準」で配信先がランク分けされ、固定化されています。これは分かりやすさがある一方で、クライアントが決めたアドベリフィケーション基準を満たしていない枠に配信されてしまうリスクと、逆に基準を満たしているのに配信できない機会損失がありました。

電通はこの問題と本質的に向かいあうために、クライアント1社ごとにテーラード(仕立て)されたホワイトリストの提供を開始しました。

本ソリューションの開発に当たっては、過去の配信実績をもとに、膨大な量の実績数値を収集。全ドメインに対して「ビューアビリティ」や「ブランドリスク」などのスコアを複数付与した「スコアードリスト」を作成しました。

スコア付与とリスト作成には、世界的なアドベリフィケーションベンダーであるインテグラル・アド・サイエンス、MOAT(オラクルのアドベリフィケーションサービス)、そしてエージェンシーブラックリストの項でも紹介した、日本語解析で突出した技術を持つ日本のアドベリフィケーションベンダーMomentumからの協力を得ています。

クライアントはスコアードリストをベースに、自社のアドベリフィケーション基準に即した配信先を抽出することができます。

テーラードホワイトリスト

このスコアードリストは今後も継続更新していき、常にクライアントが自分たちの安全基準でホワイトリストを作成できる盤石な環境をつくっていきます。

これまでインターネット広告では、CPC・CPAなどの運用指標がプランニングの中心にありましたが、今やビューアビリティやアドフラウド率などのアドベリフィケーション関連の指標も、プランニングで加味すべき事項になっています。

また、実際の広告運用では、今回ご紹介したテーラードホワイトリストやエージェンシーブラックリストによる基礎的なリスクコントロールに加え、インテグラル・アド・サイエンス、MOAT、Momentumなどアドベリフィケーションベンダー各社のソリューションを併用することもできます。

例えば、広告枠の入札前にサイトの中身を判定して入札自体を差し止める「Pre-bid方式」や、入札後にクライアントの広告掲載を差し止める「Post-bid方式」など、電通グループではさらに踏み込んだ精緻なリスクコントロール手法も提供しています。

電通グループは今後もクリア・コードに基づいた四つのアドベリフィケーション施策を通じて、クライアントの立場や事情に寄り添ったきめ細やかな対応策を提供していきます。ご期待ください!

電通グループの行動指針「Clear Code」(クリア・コード)

クリア・コード

■四つのアドベリフィケーション施策をフレームワーク化

  1. 市場把握……アドベリフィケーション推進協議会として定期的な市場把握調査を実施し、ホワイトペーパー形式で公開
  2. ソリューション開発……電通グループによるオリジナルソリューションの開発と提供
  3. メディアプランニング……クライアントの要望やリスク許容度に応じて、アドベリフィケーション施策を盛り込んだ配信設計を実施
  4. 効果検証……従来型のクリック率やCV率に加え、ビューアビリティやアドフラウド率、ブランドリスク率といったアドベリフィケーション系の指標でも効果検証を実施

以上、四つのアドベリフィケーション施策を繰り返しながら、インターネット広告の透明性をより高めていきます。