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グローバルのコミュニケーション戦略ってどこから手を付ければいいですか?

企業のグローバル戦略、その「第0歩」No.1

2019/05/21

グローバルのコミュニケーション戦略ってどこから手を付ければいいですか?

世界的なマーケティングテクノロジー企業Amobee, Inc(以下アモビー)と電通が協業し、海外展開を目指すクライアントを対象に、「ブランド・インテリジェンス分析」(BI分析)に基づくデジタルマーケティングサービスの提供をスタートしました。

電通、米マーケティングテクノロジー会社「アモビー社」とブランド・インテリジェンス分析を活用したサービス開発で協業
http://www.dentsu.co.jp/news/release/2019/0123-009740.html

 

BI分析とは聞き慣れない言葉かもしれませんが、いわば「ブランドの健康診断」に活用できる技術で、ブランドをグローバル展開する際には非常に役立ちます。

BI分析の有用性とは?ソーシャルリスニングとの違いは?電通グローバル・ビジネス・センターの丸山博之が解説します。

<目次>
海外にブランド展開するクライアントがぶつかるさまざまな「壁」
生データを提供するのではなく、ブランドに寄り添った「ストーリー」を抽出する
あらゆる企業が日本から世界へキャンペーンを展開する時代に

 

海外にブランド展開するクライアントがぶつかるさまざまな「壁」

企業やブランドの海外展開は多くの場合、特定の国のマーケットだけではなく、複数以上のエリアに及びます。それぞれのエリア戦略があるため、複雑です。

各エリアの消費者を理解した上での戦略立案が必要ですが、そのためにイチからマーケット調査やブランド調査を行うとなると、時間もコストもかかります。「調査以前に、最初の方向感をざっくりと知る方法はないか」と多くのクライアントが感じているのではないでしょうか?

筆者は多くの日本のクライアントの海外キャンペーンに携わってきましたが、特に多かった課題は以下のようなものです。

  • 海外におけるブランドメッセージの開発をすることになったが、何から着手していいのか分からない。
  • クリエーティブ主導でブランドメッセージの開発を進めてきたが、今後の改善方向の示唆が欲しい。
  • ブランド調査をすることになったが、対象マーケットが大きく、調査だけでも莫大な金額と時間がかかる。
  • 国内の経験則とブランドとしてのアイデンティティーでメッセージ開発をしてきて、海外拠点の評判も良いが、消費者やターゲットのフィードバックがないので、グローバルでどう受け入れられているのか、不安だ。
  • 社内を説得する上で参考となるデータを増やしたい。

BI分析は、まさにこうしたニーズに応えるものです。さまざまな「ウェブコンテンツ消費データ」を、AIを用いて収集・分析し、あるブランドや競合ブランドに対するコンシューマーインサイトを見いだすことができる、特許取得済みの技術です。

ウェブコンテンツ消費データとは、ソーシャルメディア上の投稿、コメント、いいね、シェアなどのアクションデータに加えて、ウェブページや文章、動画、画像等の閲覧数なども対象です。

ウェブコンテンツ消費データ

コンテンツが発信された国・エリア、掲載メディアや情報量、時系列の変化も含め、1日あたり600億以上のウェブコンテンツ消費データを収集できます。AIが整理したデータを、さらにアモビーのデータサイエンティストが相関分析、クラスター分析などの統計手法を用いて可視化します。

BI分析の大きな特長は、いわゆる「サイレントマジョリティー」のインサイトをも把握できることです。

企業のコミュニケーション分析ではソーシャルリスニングも活用されますが、それで取得できるのは主にソーシャルメディア上で積極的に意見を発信するタイプの生活者(マーケティングでいうイノベーターやアーリーアダプター)の声です。

その点、BI分析なら、「意見を外にはあまり発しないが、コンテンツやキャンペーンに触れている生活者」、つまり大多数のサイレントマジョリティーのインサイトも把握できます。SNSだけでなくあらゆるコンテンツを対象としているので、偏りのないフラットな視点で生活者のコンテンツ消費状況を可視化できるのです。

ソーシャルインサイトとBI分析

なお、BI分析はあくまでも「ある時点のウェブコンテンツ消費状況」を切り取ったデータ分析なので、永続的に機能するものというよりイニシャルプランニングに寄与し、マーケッター、戦略プランナーに示唆を与えてくれるでしょう。

まとめると、ブランド活動のグローバル戦略策定から実施計画まで一連の設計に、各国・各言語圏のコンシューマーインサイトを活用できるようになるというのが、BI分析の概要となります。

BI分析でできること

デジタル×グローバル領域におけるデータ分析は、今やマーケティングに欠かせません。世界的に有名な映画シリーズの新作のチケット販売総額を事前に予測したり、アメフトのスーパーボウルに関連して注目されているブランド名をリアルタイムに把握するなど、さまざまなブランド、キャンペーンでのデータ分析活用が進んでいます。

生データを提供するのではなく、ブランドに寄り添った「ストーリー」を抽出する

アモビーと電通がクライアントに提供するのは、BI分析の結果に基づいた「ブランドコミュニケーション戦略立案」であり、実際に提供するアウトプットは、「レポート」という形になります。

クライアントと何度かやりとりをしながら、注目すべきデータと、そこから導き出されたターゲットや戦略を盛り込んだレポートを仕上げていきます。

もしクライアントの中で課題感やビジョンが定まっていない場合でも、とりあえず自社と競合ブランドの「今」の状況を把握し、分析することで、そこからブランドストーリーを組み上げていくアプローチが可能です。ターゲットが明確でない場合でも、コンテンツ分析の過程でターゲットを発見できます。

また、アモビーのBI分析では不要なデータをクレンジングして必要なデータのみを収集できますが、データはあくまでもデータでしかありません。プランニングに役立てるには、クライアントにフィットしたコンテンツを見る力や、それを解釈してストーリーをつくる力が必要です。

ここにクライアントのマーケティング戦略を理解する電通が入ることで、クライアントの商品・サービスとその課題をよく理解した上で、膨大なデータから価値ある消費者インサイトを発見し、マーケティングに活用可能なシナリオを“ブランドストーリー”として抽出していきます。BI分析を用いたブランド戦略をリードするため、電通が果たせる役割は大きいと考えています。

さまざまな分析視点からデータを表示可能

さまざまな分析視点
BI分析のダッシュボードでは、必要に応じてさまざまな分析視点からデータを表示できる。

海外では、ブランドに対する生活者のインサイトを大まかに知ることができるアモビーのBI分析を、生活者の行動を定期的に把握するために活用するクライアントが増えているようです。

例えば、フィンテック業界や自動車業界など、業界ごとの注目キーワード、その注目度の大きさ、増減率などを見ることもできます。もちろん自社の商品・サービス名に特化して調べることも可能です。

フィンテック業界の分析例
自動車業界の分析例

ちなみに、BI分析に基づいたキャンペーンプランニングに加えて、そのターゲットをそのまま引き継いだデジタル広告運用も提供可能です。広告配信後のオーディエンスデータを活用した効果検証(キャンペーン分析やブランドリフト分析等)などマーケティング活動のPDCAが、今回の提携でさらにシームレスに実現できるようになりました。

今後もアモビーと電通は、BI分析をベースにしたサービスの体系化・深化を図り、顧客企業のマーケティング活動の高度化に資するサービスを開発・提供していきます。

あらゆる企業が日本から世界へキャンペーンを展開する時代に

最後に、日本企業のグローバルキャンペーンが増えている背景を考えてみます。

ここ数年の日本企業の傾向を見ていると、近く開催される国際的なスポーツ大会や国民的な関心イベントをきっかけに、中長期計画の策定や、グローバルブランドとしての再構築を行うといった話をよく聞きます。また、クロスボーダー型のM&Aにより、海外の新しいサービス、ブランドを傘下に入れる企業が増え、リブランディングしたいという問い合わせも増えています。

そして何よりも大きいのが、メディアプラットフォーム側の進化です。GoogleやFacebookなどのグローバルな広告プラットフォーマーだけでなく、アモビーをはじめとするグローバルDSPが世界中をカバーするようになり、リアルタイムでのデジタル出稿が容易になりました。

デジタルなので日本からワンストップで管理しやすく、どの国でも同じバイイング指標で展開し、結果のKPIも同一指標で見ることができるため、PDCAがしやすいという運用上の利点もあります。

各国企業のM&Aに伴うサービスや商品ラインアップの強化、エリアの拡大化が進み、グローバル展開を目指す企業は世界中に増えてきています。ボーダレスな時代だからこそ、電通は新しいテクノロジーやサービスを活用し、クライアントの優れたブランドに寄り添ったグローバル展開をお手伝いしていきたいと考えます。