ワカモンのすべて #37

【データ】若者が不安な○○の将来?

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    小木 真
    株式会社ビデオリサーチ マーケティング事業推進局 企画開発部 リサーチ・プランナー

春になると、生活環境がガラッと変わったり、新しいことを始める方も多いと思います。新しい生活に期待に胸を膨らませて、自分を奮い立たせている若者もいれば、「マジ不安じゃね?」「それな…」と弱気な会話を交わしている若者もたくさんいるはずです。

今回のワカモンデータでは、電通総研と電通若者研究部(ワカモン)が共同で2月に実施した「若者まるわかり調査2015」の結果から、若者が抱く将来意識を中心にご紹介します。

 

3人に2人が不安な自分の将来、自分の将来よりも不安な○○の将来

若者はいつだって夢と希望に満ちあふれている、と言いたいところですが、先ほどの弱気な会話の例のように、15歳から29歳の若者の3人に2人(64.4%)が自分の将来が不安*という結果でした。ここでは載せていませんが、高校生と社会人でも男女とも同傾向で、逆に胸を張ってはっきり「明るい」と答える子は1割にも達していません。若者の将来不安、と一言で言ってしまえばそれまでですが、自分の将来に自信が持てない…、どうなるか不安…、といった意識がデータ上でも色濃く出た結果です。

*不安+どちらかといえば不安の合計

 

ただ、実はそれ以上にスコアが高かったのは「日本」の将来に対する不安でした。勝手に彼らの頭の中を妄想すると、自分の将来は不安、でも自分次第できっとなんとかなるはず、それよりも日本の将来が不安…ググっても*答えは出てこないし、テーマが大きすぎてどうしたらいいんだろう。あぁ、漠然と不安…といった感じかもしれません。

*Googleで検索をすること。昔は若者言葉でしたが今では一般化。

 

※図のスコアは小数点第2位で四捨五入しているため、足し上げても100%にならない場合があります。

 

老後の生活が不安な20代女子?

さらに、ライフステージ別・年齢別に不安の要素分解をしてみました。現在「不安」に思っていることを具体的に聞いてみると、高校生は「受験・進学」(51.9%)、大学生は「就職」(60.3%)、社会人は「お金」(59.3%)がトップになりました。ライフステージが進むに連れてメーンの不安は変わっていくのはが当然としても、若いころからお金や仕事の心配が続いているのはいまの傾向だと思います。

注目すべきは20代女子の不安ゴトの変遷。少し細かく見るために、1歳刻みでの分析をしてみたところ、20代前半から後半にかけて「結婚」のスコアがゆるやかに高まっていくのと同時に、高まりを見せているのが「老後の生活」でした。今から老後の心配?そんな馬鹿な…とお思いでしょうが、27歳あたりを超えると、「仕事」に対する不安よりも高くなっています。

また勝手に彼女たちの頭の中を妄想すると、20代後半、仕事がんばってきたけど、私結婚できるのかな、もしこのまま一人だったらマンションとか買って、そしたら老後も自分で生活してかないといけないから貯蓄が必要…とそこまで考えているかは分かりませんが、ちょっとした葛藤が見えてきそうです。逆に男子は年齢によっての変化があまりありません。普遍的な不安なのか、楽観的なのか…

ワカモンの調査ではありませんが、内閣府の「国民生活に関する世論調査(平成26年度)」を見ても、今後の生活において、貯蓄や投資など将来に備えることに力を入れたいと思うか、それとも毎日の生活を充実させて楽しむことに力を入れたいかという質問で、20代は「将来に備える」ことを重視しており、他の年代に比べても高い結果となっています。

経済の低成長時代に育ったいまの若者は、リスクよりも安定を求める思考が、昔の若者よりも強くなっており、その傾向がこのデータでも読み取れます。景気が良かった時代を知らないし、これからもきっと良くはならないんじゃないか。そんな風にいまの若者たちは、ただただ悲観的になってしまっているのでしょうか。

 

大学生のポジティブマインドをすくい取れ!

「良かった時代」を知らないだけであって、いまの時代が若者たちにとってのリアル。自分たちの世代がリード・牽引していきたいか、それとも上の世代がリード・牽引していくべきか、という社会意識を問う質問をしてみたところ、全体では前者が58.0%、特に男子大学生では68.6%と高いスコアになりました。

「最近の若者は…」のまくら言葉で、ネガティブで消極的な一面が伝えられがちな若者たち。この質問の回答も、ぐいぐい引っ張っていきたい、という強いマインドではないかもしれませんが、「仕方ない、やるか!」的なマインドであっても、そんなポジティブさをすくい取ってあげるのがいまの大人たちの役割かもしれません。

 

今回は若者の将来意識についての結果の一部をご紹介しました。
次回も、今回の調査を通じ知ることのできた、若者たちのイマに触れてみたいと思います。

 

<調査概要> 
「若者まるわかり調査2015」の概要
・調査手法  :インターネット調査
・対象エリア :関東1都6県、関西2府4県、東海3県
・調査対象  :高校生以上の未婚15-29歳男女
                           ※対象エリアの性・年代別人口構成比率および未婚率に基づいた割付を実施
・サンプル数 :3,000サンプル
・調査時期       :2015年2月6日(金)~2月9日(月)
・調査実施機関:株式会社電通マクロミルインサイト

【ワカモンプロフィール】

電通若者研究部(通称:ワカモン)は、高校生・大学生を中心にした若者のリアルな実態・マインドと 向き合い、彼らの“今”から、半歩先の未来を明るく活性化するヒントを探るプランニングチームです。彼らのインサイトからこれからの未来を予見し、若者と 社会がよりよい関係を築けるような新ビジネスを実現しています。現在プロジェクトメンバーは、東京本社・関西支社・中部支社に計14名所属しています。ワカモンFacebookページでも情報発信中(https://www.facebook.com/wakamon.dentsu)。

プロフィール

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    小木 真
    株式会社ビデオリサーチ マーケティング事業推進局 企画開発部 リサーチ・プランナー

    2013年から2015年9月、電通へ出向。「若者研究部(電通ワカモン)」で、各種リサーチや学生とのフィールドワークなどを通じた若者の生活実態研究、インサイト探索、ナレッジ開発を推進。それらを元にしたプランニングやコンサルティング支援を行う。食を通じて生活者インサイトを研究・発信する電通総研「食生活ラボ」のメンバーとしても活動。共書に「若者離れ」(エムディエヌコーポレーション・2016年)

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