ワカモンのすべて #36

イマドキ女子は「盛ってシェア!」がキーワード!?

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    古橋 正康
    株式会社電通 中部支社 顧客ビジネス局 デジタルビジネス部 プランナー

初めまして。電通若者研究部(ワカモン)の古橋正康と申します。

イマドキの若者は、どういったメディアに触れて、どういった行動を取っているのか?今回は、そんな若者の実態を探りながら、イマドキの若者マインドについて考えてみました。

 

男女で大きな差がみられたカメラ系アプリ

以下のデータは、ワカモンが運営する大学生サークル向けアプリ「サークルアップ」を用い、普段よく触れているメディアについて、アンケート調査をした時(2015年1月実施)のデータの一部です。

(n=110なので、定量調査データとしては十分ではありませんが、傾向はみることができました。)

 

(n=110、サークルアップユーザーの大学1~4年生)

LINEやTwitter、YouTubeなどのインターネットメディアの数値が高く、特にスマートフォンの利用の多いメディアへの接触率が高いことがわかります。
では、このデータを男女別に見てみましょう。

(n=110、サークルアップユーザーの大学1~4年生)

最も接触率の男女差が大きかったのは、Instagramでした。Instagramとは、スマートフォンでよく利用されている、いわゆる写真共有SNSですが、これに限らず、こうしたスマホのカメラの使用機会が多いサービスはなんとなく男性よりも女性の方が多く利用しているイメージがあるかと思います。

そこで今回は、フリーペーパーサークル「粋」(名古屋の大学生たちで構成されている学生団体)の皆さんとのワークショップで、実際に大学生男女7名の方々に、その辺りのリアルな声を聞かせていただきました。

女子学生3名は、スマホにカメラ系アプリを平均10個以上インストールしていて、その中で「写真を撮る用」と「加工する用」とで使い分けをしているとのことでした。周りの女友達を含めて最もよく利用しているのは「カメラ360」というアプリで、非常に良く‟盛れる”(可愛く加工・修正できる)とのこと。

一方、男子学生4名は、最初からインストールされているカメラアプリしか使用しておらず、写真加工アプリは全く使っていませんでした。我々がなんとなく抱いていたイメージ以上に、女子学生の方が圧倒的にカメラ系アプリを使いこなしている状況でした。

なぜここまで男女差が出てきているのでしょうか?
この男女差にこそ、イマドキの若者マインドが表れているのではないかと思います。
学生たちとのワークショップで、以下のようなやりとりがありました。


〝盛れる写真″を撮れるかどうかが、イベントの参加動機に

 

古橋:ハロウィーンパーティーやリムジンパーティー、あるいはその他のイベント事に参加するときは、必ず写真を撮りたいって思う?

Aさん:そういったイベントにいつも参加している友達は、必ず写真を撮ってTwitterとかにアップしていますね。

Bさん:私は以前友達と東京観光に行ったとき、コスプレして写真が撮れるからと、原宿にあるロリータファッションを体験できるお店に行きました。もし写真が撮れなかったら、体験していなかったかもしれないです。

Aさん:女子会とかでパンケーキ食べに行くのとかもそうだけど、正直パンケーキが食べたいというよりも、パンケーキを食べている私たち「いぇーい!」みたいな感じで、みんなで楽しんでいる写真を撮ってSNSにアップしたいっていう思いの方が強かったりするよね(笑)。

Cさん:たしかに写真が撮れないパンケーキ屋さんとかだったら、絶対行かない(笑)。

Bさん:クリパ(クリスマスパーティー)でのサンタコス(サンタのコスプレ)とかも、実際自分たちの盛れてる写真を撮るためにやる、みたいなところはあるよね。だから、そういうイベントの時に写真を撮らないっていうのは絶対ないと思います。

古橋:その撮った写真が、いわゆる‟盛れてるかどうか”というのは重要なの?

Bさん:一番重要!盛れないなら逆に撮りたくないです(笑)。SNSとかにも載せたくないですね。

古橋:なるほど、女子学生の皆さんにとって、SNS上でシェアしても大丈夫な盛れてる写真が撮れるかどうかは、自分たちの行動を決めるうえで欠かせない重要なポイントなんだね。逆に、男子のみんなはどう?

D君:僕は、写真を撮りたいとかはあまり思わないです。ハロウィーンパーティーとかだったら、それよりもどれだけアホな格好してその瞬間をみんなで楽しめるかの方が大事ですね。

E君:別に写真を撮りたくないわけではないけど、なんか写真撮るの忘れちゃうよね。

F君:イベントに参加してるときはそのイベントに夢中になってます。写真を撮るとしても、旅行のときに風景とかを撮ることが多くて、自分たちの写真を撮りたいとはあまり思わないです。

G君:僕の場合、本当に写真を撮りたい時は、一眼レフで撮るかも。でも、ハロウィーンパーティーとかの時よりは、少人数で旅行に行った時に撮りたいなと思います。


以前、「イマドキの若者は‟等身大”がキーワード」でも紹介したように、近年若者たちの間で高まりつつあるイベント熱。上記の大学生たちのコメントからも、参加するイベント事を決める際に、SNS上にアップしてもよいと思えるレベルの‟盛れる写真”が撮れるかどうかは、若者女子にとって圧倒的に重要なことがわかります。

そんな男女の違いを、以下のように定義してみました。

 

男子は心に刻み、女子は写真に残す

若者男子:記憶消費
思い出を「写真に残すよりも、心に刻む」ことを重視。
イベント体験そのものが楽しめるものであることが大事であり、「あの時あんなバカなことやったよなー」と、あとから仲間内での話のネタにできるような体験を求めて消費する。

若者女子:記録消費
思い出を「心に刻むよりも、写真に残す」ことを重視。
イベント体験そのものが楽しめるものであることも大事だが、それ以上に、SNSでシェア可能な‟盛れる写真”が撮れるかどうかに重きを置いて消費する。

流行りのリムジンパーティーやパンケーキ女子会は、記憶消費よりも記録消費に向いていたため若者女子に好まれたのだと思います。また、新潟市古町でにわかに流行り始めていると言われているケツバットガール、少し前に女子高校生たちを中心にTwitter上で話題になったマカンコウサッポウ(知らない方は、ぜひネットで「ケツバットガール」「マカンコウサッポウ」で検索してみてください)なども、記録消費の一種だと言えると思います。

一方で、男女ともに流行っているハロウィ-ンのコスプレ・仮装やエレクトリックラン、カラーランなどは参加するだけで楽しめるので、記憶消費をする若者男子にも好まれるイベントになっているのだと言えるでしょう。

今後、また新たな若者向けのイベントが出てきた際に、記録消費(あるいは記憶消費)されやすいものなのかどうかという視点で見てみると、面白いかもしれません。

 

昔も今も変わらない?〝盛れる写真″を撮りたい女子

‟盛れる写真”を撮りたいという若者女子の欲求は、昔からあったと思います。ちょうど20年前にプリクラが誕生して‟盛れる写真”が撮れるようになり大ブームになった時も、その中心にいたのはやはり女子高校生、大学生たちでした。ただ、昔は撮れる場所が限定されていました。しかし、今やスマートフォンが普及して、性能の高いカメラ系アプリが登場してきたおかげで、場所を限定されずに誰もが手軽に‟盛れる写真”が撮れるようになり、またSNSの登場によってそれを簡単に友達と共有できるようになりました。

学生とのワークショップでも感じましたが、SNSでシェア可能な‟盛れる写真”が撮れるかどうかが、イベント参加などの自分たちの行動を決める際の重要なポイントになっているというのは、イマドキの若者女子ならではの現象だと言えると思います。

ただ、最近では、若者の男女の性差意識が薄れ、女性向けに開発された商品を男性が使用するケースなども出てきており、今後はそういった若者男子にも波及していくのかどうかにも注目です。

あなたは、記録よりも記憶派ですか?それとも、記憶よりも記録派でしょうか?

【ワカモンプロフィール】

電通若者研究部(通称:ワカモン)は、高校生・大学生を中心にした若者のリアルな実態・マインドと向き合い、彼らの“今”から、半歩先の未来を明るく活性化するヒントを探るプランニングチームです。彼らのインサイトからこれからの未来を予見し、若者と 社会がよりよい関係を築けるような新ビジネスを実現しています。現在プロジェクトメンバーは、東京本社・関西支社・中部支社に計14名所属しています。ワカモンFacebookページでも情報発信中!

プロフィール

  • Furuhashi profile
    古橋 正康
    株式会社電通 中部支社 顧客ビジネス局 デジタルビジネス部 プランナー

    1987年生まれ。2010年電通入社。
    プランナーとして、デジタル領域を中心とした戦略立案・キャンペーン企画からWEBPR、
    デジタルメディアのプランニングまで幅広く担当。2014年より、10〜20代の若者を対象にした
    プロジェクト「若者研究部(電通ワカモン)」に所属し、若者のインサイト研究を行っている。

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