FASHION HACKED #01

「Decoded Fashion Summit」日本上陸決定
ファッション業界の地殻変動始まる

  • Liz
    リズ バセラー
    Decoded Fashion創設者・CEO
  • Wakabayashi
    若林 恵
    『WIRED』日本版 編集長
  • 2
    京井 良彦
    株式会社電通 ビジネス・クリエーション・センター  プランニング・ディレクター

ファッションとテクノロジーをつなぎ、ファッション業界の未来を共創するグローバルイベント「Decoded Fashion Summit」(デコーデッド・ファッション・サミット)が7月、日本に初上陸する。主催は『VOGUE JAPAN』『GQ』『WIRED』などを発行するコンデナスト・ジャパン。電通もプロジェクトパートナーとして、ファッション業界のデジタル活用やテクノロジー企業のファッション業界への参画を、コミュニケーションの観点から支援する。

ファッションとテクノロジーの融合で新たな姿を創出

Decoded Fashion Summit(以下DF)は2011年、テクノロジーの活用でファッション業界の新たな姿を創出することを目的に、ファッション業界とデジタル企業のトップが出会う場として米国で創設された。世界トップレベルのスピーカーによるセッションや、ベンチャー企業とブランドを引き合わせる「メンターシップ・ハブ」などで構成され、これまでニューヨーク、ロンドン、ミラノで開催。他にもソリューション開発を競い合う「ハッカソン」や小規模な「ミートアップ」など、DFの活動は世界12カ国に及ぶ。直近では3月の米サウス・バイ・サウスウェスト(SXSW)のファッション部門創設に先導的な役割を果たし話題となった。


Special Session 
DF創業者 リズ・バセラー×『WIRED』日本版編集長 若林恵×電通 京井良彦

京井:DFを立ち上げたきっかけは?

リズ:2011年、ファッション業界に変革を起こせるテクノロジーが出現するのを目の当たりにしました。当時ジャーナリストだった私はそれを記事にする代わりに、ファッションとテクノロジーを結びつける世界をつくろうと思ったの。

京井:それからわずか3年半、DFは世界的なイベントに成長しましたね。どのような変化がありましたか?

リズ:イベント初回は参加者の9割がテクノロジー関係者だった。その頃のファッション業界にとって、テクノロジーがいかに遠い存在だったか物語っているわね。今はファッションとテックがほぼ半々で、名だたるグローバルブランドも参加している。ITに対する心理的な壁が消滅して、自分たちを進化させてくれる必要不可欠な存在だと理解し始めたと感じています。

京井:昨年10月『WIRED』日本版で、DFを取り上げていますね。

若林:まだ東京開催が決まる前だったけれど、反響は大きかった。ファッションブランドやリテール、セレクトショップなどからも「自分たちは何をしたらいいのか」と相談が来たり。日本のファッション業界がテクノロジーに対して強い課題意識を抱えていて、動くきっかけを模索していると感じました。

京井:DFをきっかけに、ファッションとテックが実際にコラボに至った事例はありますか。

リズ:数え切れないくらい!Perchのシステムはケイトスペードの全米の店舗で採用されたし、wireWAXは高級デパート・ニーマンマーカスと契約した。DFがなかったら出合うことのなかった存在同士から、新しいことが生まれています。

若林:日本でもこれからさまざまな変化が、各方面で同時進行的に加速すると思います。結局のところ服はリアルなもの。デジタル空間に完全に閉じ込めることはできない。そこにデジタルがどんな変化を仕掛けてくるか。例えば、住居や車にairbnbやUberがもたらしたようなイノベーションが、ファッションの領域でも起きる可能性は高いと思います。

京井:インタラクティブの世界的祭典・SXSWでのファッション部門創設も話題でしたね。

リズ:まさにDFが、それを実現させたのよ。大変な熱気だった。会期中、ファッションとテック企業のミーティングを100件ほどコーディネートして、その場で契約が結ばれたケースもあったわ。

京井:東京開催に向けての思いは。

若林:日本のファッション業界にとって、先端的な事例やビジョンに生で触れることができる貴重な機会になると思います。ベンチャー企業も、自分たちの技術をもっとビジネスに結び付けるヒントが得られる。今回ファッションとテックが出合った後、どうつながり続けるかが大事です。うまくマッチングして、実証実験的なものにまで持ち込めることを期待したい。ビッグプレーヤーの参入次第では、大きなムーブメントが起きる可能性があると期待しています。

リズ:日本はとてもイノベーティブな国。でも、日本のファッション業界には残念ながらまだ新しい発想が欠けている。ファッション業界がもっとイノベーティブに、そしてテック企業がもっとクリエーティブになれる、そんな関係が日本でもいよいよ始まるはずです。


Decoded Fashion Tokyo Summit
FASHION IN THE DIGITAL WORLD-ENGAGING TOMORROW’S CONSUMER
~未来のファッション・ユーザーを探して~
日時 2015年7月9日(木)10:00~17:30
公式サイト www.tokyo.decodedfashion.com

プロフィール

  • Liz
    リズ バセラー
    Decoded Fashion創設者・CEO

    コロンビア大学大学院にてジャーナリズムで博士号取得。以後10年間報道番組のプロデューサーとして活躍。オバマ大統領当選演説の特番でエミー賞にノミネート。2011年Decoded Fashion創設。

  • Wakabayashi
    若林 恵
    『WIRED』日本版 編集長

    平凡社「月刊太陽」編集部を経て2000年に独立。フリー編集者として、主にカルチャー雑誌で記事の編集、執筆に携わる。2012年1月より現職。音楽ジャーナリストとして広範なジャンルの記事も手掛ける。

  • 2
    京井 良彦
    株式会社電通 ビジネス・クリエーション・センター  プランニング・ディレクター

    1969年生まれ。大手銀行でのM&Aアドバイザーを経て、2001年電通入社。
    営業局でグローバルブランドや官公庁など多岐にわたるクライアントを担当し、現在はソーシャルメディアやデジタル領域を中心とする戦略プランニング、コミュニケーションデザイン、共創マーケティングを手掛ける。東京都市大非常勤講師。著書に『ロングエンゲージメント』(あさ出版)、『つなげる広告』(アスキー新書)などがある。

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