ワカモンのすべて #44

「団体人格」をマッチングする。~大学サークルと企業のビジネスクリエーション~

電通若者研究部(通称:電通ワカモン)では、2012年から大学サークル向けアプリ「サークルアップ」を提供。今では全国2000サークル、3万5000人が加入する大学生のプラットフォームへと成長しました。

また、最近ではソニー・ミュージック・エンタテインメントのバンドサークルによる音楽フェス「SOUND YOUTH」、よしもとクリエイティブ・エージェンシーとお笑いサークルによるイベント「NOROSHI」、ファッションブランドWEGOとファッションサークルによるハッカソン「Clothes Hack TOKYO」など、サークルと企業を結びつけるプロジェクトにも取り組んでいます。

なぜ今、大学サークルなのか? このコラムでは変化する若者の価値観と、大学サークルと企業によるビジネスクリエーションの可能性についてお話しします。

 

1年生では82.8%。伸び続けるサークル加入率

「最近の若者は、サークルとかやらないでしょ?」

冷めている、おとなしい、などの印象からか、社内外からこんな言葉を聞くことがあります。ところがこのサークル加入率、統計によるとこの12年間で右肩上がり。

最新の調査によると大学生全体でのサークル加入率は70.5%。1年生だけに絞るとなんと82.8%※1。大学進学率※2(48.0%)と掛け合わせると、実に日本の19~23歳の3人に1人は、何らかの大学サークルに所属しているという計算になります。

※1 CANPUS LIFE DATA 2014 ※2学校基本調査(平成26年度)

 

 

「内輪」を量産する。若者の新たな仲間意識

なぜサークルに入る若者が増えているのか? 若者まるわかり調査2015にもあるように、大学生が所属していると感じるグループ数は高校生や社会人よりも多い7.4個。この世代のつながり意識、仲間意識の高さが感じられるデータです。また、サークルアップの独自調査でもサークルに所属している大学生のうち35%が複数のサークルに所属していることが分かりました。

ただ、所属しているコミュニティー数が増える一方でその多様性は失われつつあります。例えば、この12年間の調査によると大学生活で重視することとして「勉強第一」はほぼ横ばいですが、「サークル第一」の割合は増え、その分「豊かな人間関係」は減少しています。

いわゆる広く浅い付き合いではなく、「ほどよく狭く、ほどよく深い関係を複数持つ」ことが、現代版の仲間意識といえるのではないでしょうか?

 

「団体人格」をマッチングする。

イラスト:小島洋介(電通 第4CRプランニング局)

 

ブームと言ってもいいこれら大学サークルにおいて注目すべきは、何といっても「価値観でつながっている団体」であること。昨今のマーケティングでは性別、年齢、居住地域などのいわゆるデモグラフィック視点では生活者がつかみづらいといわれています。

だからこそ、サークルという価値観でつながっている存在は非常に貴重なセグメント単位です。○○サークルっぽい、○○部っぽい、などの「団体人格」で生活者を捉えることは、これからのマーケティングにも必要な視点だといえるでしょう。

そしてもちろん、この「団体人格」は企業にも言えること。企業もまた、「価値観でつながっている団体」です。例えば広告業界っぽいや、電通っぽいなどの団体人格を捉えて大学サークルとマッチングする。冒頭にご紹介したプロジェクトは、こうした価値観でつながった2つの団体によって生み出された共創ビジネス。決して、単なる学生イベントへの企業協賛ではありません。

これらの団体人格をつかみ、つないでいく。これも、企業と若者の隔たりを埋めるサークルアップ、並びに若者研究部の使命だと考えています。

 

【ワカモンプロフィール】

電通若者研究部(通称:ワカモン)は、高校生・大学生を中心にした若者のリアルな実態・マインドと 向き合い、彼らの“今”から、半歩先の未来を明るく活性化するヒントを探るプランニングチームです。彼らのインサイトからこれからの未来を予見し、若者と 社会がよりよい関係を築けるような新ビジネスを実現しています。現在プロジェクトメンバーは、東京本社・関西支社・中部支社に計19名所属しています。ワカモンFacebookページでも情報発信中(https://www.facebook.com/wakamon.dentsu)。

 

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