「人を動かす」デジタルテクロノジーへ #06

リアルタイムウェブがもたらすこれからのオンライン体験  
デジタル技術と私たちの生活とこれからの消費

さて、このコラムも今回で最終回となりました。これまでご覧いただきましたみなさま、ご愛読ありがとうございました! 今回はこれまでの連載を振り返りながら、これからのデジタル技術と、私たちが向かう未来を見通してみたいと思います。

web2.0からリアルタイムウェブへ~タイムライン化する「ウェブサイト」~

Web2.0によって始まったインターネットによる情報爆発。現在ではソーシャルメディアをはじめとした「刻一刻と変わる」デジタルメディアが数多く誕生し、「サイト」という概念がなくなり、個人固有のパーソナライズされたタイムラインに取って代わられようとしています。実際に、TwitterやFacebookといったSNSはすでに「ホームページ」という概念はなく、個人個人のタイムラインが表示されていますね。

さらに、これからのウェブサイトは間違いなくスマートフォンからのアクセスが主となり、ウェブサイトはパソコンで見るだけではなく、いつでもどこでもアクセスできるものとなっていくでしょう。

これまで「インターネット」は、パソコンのブラウザ(Internet ExplorerやFirefoxなど)を通じてアクセスするものと思われてきましたが、スマートフォンアプリによるコミュニケーションが実現し、今後は画面のような概念にとどまらない「いつでもオンラインの情報にアクセスする身体」がもたらされるかもしれません。これはまだ遠い未来のことのようですが、スマートフォンをハブに身体感覚を拡張するデバイスの小型化は着実に進んでいます。

身体と環境をつなぐ技術

現在、Google Glassや腕時計型スマートフォンなどの「ウェアラブルデバイス」が急速な発展を見せています。このようなデバイスは、先に述べた「いつでもオンラインの情報にアクセスする身体」を実現していきます。こうして、身体の持つ感覚や動作、さらには思考や生体情報がリアルタイムにオンラインで共有され、外部の情報と連動していきます。

しかし私たちの身体は、今存在する場所、すなわちローカルでしかリアルな体験はできません。コミュニケーション手段が拡張したとしても、その信頼性を担保するのはリアルと結びついたソーシャルグラフ(友人関係やコミュニティ、メディアとの信頼関係)です。

そして、その情報の流通手段(ビークル)は多様化していきます。ウェアラブルデバイスなど身体側の情報端末にローカルの情報を渡すには、建築物や交通機関などからの情報発信や、位置情報に紐づいた情報提供も考えられます。このような新しい情報チャネルに対して、どういったメッセージを込めるかが重要になってきます。

身体情報と環境情報のインタラクション(相互作用)の例

 

心の通ったコミュニケーションが重要

私たちは、このように多くのチャネルで情報とのインタラクションを経験していくことになります。その際に、企業側はマーケティングが先行した直接の購買訴求を行いがちです。これからは消費者一人一人の持つストーリーから、「なぜ、あなたにとってこの商品・サービスが必要なのか」について語る必要があります。その商品を買った履歴だけではなく、その消費者が購買行動に至るまでのシチュエーションを想像できれば、その消費者の意を汲んだ接客を行うことができるからです。店頭であれ、オンライン上であれ、このようなメッセージを消費者に届けることで「おもてなし」が生まれます。

消費者にメッセージを届けるには、彼らにとって影響力のあるコミュニティやオーソリティによるストーリー作りと、その文脈の編纂(キュレーション)がカギとなります。やはり人間は、心の通ったコミュニケーションに突き動かされるのです。

リスティング広告など、刈り取り型が先行したデジタルマーケティングですが、今後はオンラインとリアルの接点が生まれることで、より人間対人間のマーケティングが見直されていくでしょう。

思いのこもった商品やサービスに触れたとき、私たちは嬉しく感じますし、この喜びこそが次なる消費を生み、お得意様を連れてくるマーケティングにつながるのだと思います。

デジタルテクノロジーから始まり、とてもアナログな帰結となりましたが、これが私の考えるこれからのデジタル技術の進歩と消費の未来です。これからも楽しいお買い物が世の中にあふれることを夢見て、このコラムの結びとさせていただきます。ながらくお付き合いいただき、ありがとうございました。

プロフィール

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    佐藤 巡
    株式会社電通

    2009年電通入社。コミュニケーションプランナー。リスティング広告など、パフォーマンスメディアの運用やデジタルキャンペーンの企画立案を経て、ローカルテレビ局担当として番組企画や地方におけるマーケティングを経験。現在はソーシャルメディアを中心としたオンラインとオフラインを横断する企業のマーケティングや、ソーシャルメディアにおけるユーザーと企業のコミュニケーションを担当。

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