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2016年 世界を面白くするイノベーションNo.2

さよならパスワード―生体認証 

2016/02/19

引き続き、Vizeumイノベーションチームが注目する、世界のビジネスやコミュニケーションシーンを動かす10のイノベーションをご紹介します。

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英国人の成人は現在、多数の暗証番号やユーザーネームに加えて、1人当たり平均19個ものパスワードを持っているという。忘れやすい上に、盗まれたり傍受されたりする危険性もあり、実際に大規模なハッキングやデータ流出事件も頻発している。

警察関連や軍事基地への出入り、ICパスポートなど高度なセキュリティーを必要とする場面に限られていた生体認証が、今、スマホやタブレットなどのセキュリティーロックを解除する新たな手段として、急速に採用されつつある。

クラウドファンディングのプロジェクトからスタートした自転車用の指紋認証式ロック「Grasp」は発売目前とされる。2015年、マスターカードは指紋認証に加えて、自撮りの顔認証で支払いができる機能を発表。リステリンは、目が不自由でも近くの「笑顔」を感知できるアプリ「Smile Detector」(笑顔検知器)を開発した。

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指紋認証でロックを解除するGrasp。指紋はスマホで登録する
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マスターカードはネット上の決済で、指紋か顔認証を選べる。顔認証ではカメラ機能が起動し、ユーザーは自分の顔を撮影する
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Smile Detectorでは、見えなくても相手の笑顔がわかる。CMに登場する視覚障害者は、自分の笑顔もまた増えたと語る (画像をクリックすると公式サイトで動画をご覧いただけます)

2016年はどうなる?

今後は、ウェブカメラで瞳の虹彩を読み取る米EyeLock「Myris」のような虹彩認証技術が、スマホやモバイルパソコンに搭載されることが予測される。虹彩や指紋といった生体識別子に加えて、個人特有の動きのパターンやしぐさを読み取るものも登場するだろう。豪データ技術企業Data61は、人によって携帯電話の持ち方や耳への当て方が違う点に着目した実験をすでに成功させている。