オフィスポ #06

それ、電通がやる意味あんの?(前編)

  • 奥村 誠浩
    株式会社電通 第1CRプランニング局 コミュニケーションプランナー/ブレークタイムデザイナー

みなさん、こんにちは。オフィスポプロジェクトのブレークタイムデザイナー、奥村誠浩です。しばらくぶりのオフィスポの連載です。

年が開けてからも、オフィスポではさまざまな活動を始めようとしています。
新しいことへのチャレンジだけに、360°の視野でものごとを考えるわけですが、いまオフィスポは何を考え、どこへ向かおうとしているのか、深く掘り下げたいと思います。
オフィスポ:http://www.offispo.com/

日本は「ストレス先進国」だけど「ブレークタイム後進国」?

僕は、日本人は本当によく働くと思っています。
ただ、その反面やはりストレスがあることが隠せません。

<オフィスのストレス度>

これは2015年11月のストレスチェック義務化直前に実施した、営業やマーケティングなどいわゆる現場で働く社員、そして管理セクションである人事・総務担当者に対して行ったアンケート結果(※)です。

ご覧のとおり、実際、このグラフを見ても日本が「ストレス先進国」といっても過言ではありません。

昨今、健康経営という言葉がさかんに叫ばれており、社員を思い健康課題を抽出している企業はたくさんあります。が、実際にはなかなかそのソリューションを提示できていない企業もまだまだ多いのではないでしょうか。

<現状取られているブレークタイム>

実際、社員の皆さんも適切なブレークタイムを取れていない、というのが実態です。まさに「ブレークタイム後進国」と言えるのです。

<ブレークタイムを積極的に取り入れるべきか>

※調査概要
■調査対象:47都道府県の一般有職者 900人 / 人事・総務担当者 100ss
■調査手法:インターネット調査
■調査日程:2015年11月17日(火)~11月19日(木)
■調査機関:電通マクロミルインサイト

そこで考案したのが、「オフィスポ」。

オフィスポとはその名の通り、オフィスで運動をする、というムーブメント。カラダとココロとアタマ。すべてのブレークタイムに運動を取り入れるということです。

人の集中力は1時間、長くても2時間くらいしか持続しないと言われています。しかし実際の仕事場では、パソコンと長時間向き合い、会議ばかりする。
どれほど集中力は保たれているものなのでしょうか。

人には適切なブレークタイムが必要なのです。そして、そのブレークタイムで一度アタマを真っ白にすること。真っ白にすることができれば、またリフレッシュして脳を動かすことができるのです。

オフィスポでやってること

では、実際に「オフィスポ」ではどのようなことをやっているのでしょうか?
これまでの連載を既にご覧いただいている方はご存知かもしれませんが、「オフィスポヨガ」「オフィスポキクササイズ」「オフィスポスタッキング」「オフィスポBODYMETRIX」などがあります。

<オフィスポヨガ>
<オフィスポキクササイズ>
<オフィスポスタッキング>
<オフィスポBODYMETRIX>

これまで、JT、キューアンドエーグループ、トライステージ、神奈川のCHO構想(http://www.pref.kanagawa.jp/cnt/f532717/)にも参加されている分析屋などさまざまな企業に、オフィスポチームからインストラクターを派遣し、これらのプログラムをで体験していただいています。

そこで周りからの一言。

ここで、タイトルの言葉が出てくるのです。「なんでわざわざこんなこと、電通がやってるの?」と。これは社内からも社外からも、最近よく耳にすることです。

そうですよね。広告会社の電通が、なぜ企業の人事や総務に対して健康経営に向けた健康系運動プログラムの開発・提供をしているのか?でもそこにはわれわれなりに大きな意義があるのです。意義があると信じているのです。まずは、「オフィスで運動」するというプロジェクトデザインの観点からお話しします。

健康系運動プログラムのモチベーションづくり

前述したとおり、巷では健康経営という言葉が広く知られていて、企業がこぞって「健康経営銘柄」に選定されるための取り組みをしています。

ここで重要なのは、健康経営とは誰のためのものか?ということです。当たり前の話ではありますが、社員のため、が前提です。健康経営銘柄を取得すれば、IR的にとても意義あることです。しかし最も重要なのは社員が豊かなワークライフを送れるかどうかです。それこそが真に求められることだと思っています。

健康系運動プログラムは既に多くの企業で実在し、実行されているようです。一方で、どうしても、社員側からすると会社にやらされている、と感じることも多いようです。

そこで重要になるのが、「企業が継続的にプログラムを実施するには、社員側のやりたいという欲求が続くこと」だと考えています。

「一度やってみたい」「おもしろい」「楽しい」という参加者のモチベーションを第一義にプログラムを構築すること。強制力のない自発的な運動促進を図ること。それを念頭におかない限り、結局のところ会社のためのプログラム、健康経営銘柄に選ばれるためのプログラムになってしまい、本質的な目的からズレしまうリスクがあるのです。

その「やりたい欲求」をつくる、というところにはクリエーティビティーが求められます。もちろん既存の運動を軸に考える訳ですが、いま「ゆるスポ」が誕生し盛り上がりを見せているのと同様に、オフィスでできる運動においても、オフィスならではのインサイトをしっかりと把握した上でコンセプトやプログラムを開発するということが重要です。その意味で、「電通がわざわざこんなことをやる」意義が必ずあると考えるのです。

オフィス内のインサイトをため込むと、もっともっと新しい価値を創造できる

このようにプログラムを開発し、実際に社員の皆さんに体験いただくと、必ず、皆さん笑顔になります。
「すっきりした」「気持ちよかった」「こんなにカラダが硬かったなんて」などなど、口ぐちにやってよかった!の声を頂戴します。

そして、社員同士のコミュニケーションもとても活性化します。つまり、ここにはひとつのエモーショナルな体験をつくれる貴重な場所がある、と思うのです。と同時に、もっともっと居心地のいいオフィスづくりを提供できると考えます。

例えば、そのオフィスチェアは本当にアイデアを出すのにふさわしい椅子か?
例えば、その会議室は本当にアイデアを生み出しやすい場所か?
例えば、タバコスペースに替わる、みんなのリラックススペースってないのか?

言い出したらきりがありませんが、そういった日頃の悩みに対して向き合っている企業と共に、日ごろから世の中と向き合い企画を作る私たちが刺激剤となってアイデアを出せれば、もっともっと豊かなワークライフを過ごせるのではないか?そう考えています。

ワーク&ライフバランス。
そういった言葉をよく聞きましたが、個人的には、「ワークもライフだ」と思っています。究極的には、バランスをとることよりも、全てが豊かで楽しく幸せだ、と思えることの方が価値なんだろうな、と思っています。特にオフィス内において、その価値創造を、このオフィスポが担っていけるのではないかと考えています。

新しいからこそ、違和感がある

少なくとも、このプロジェクトを起動するまでは「なぜそんなことやってるの?」なんて言葉をかけられることはありませんでした。なぜなら、それまでは本来の電通が担うべき範疇の中で仕事をしていたからです。

その意味で、このプロジェクトを通じ、少なくとも電通の仕事としての“違和感”を生み出すことができたと思っています(と同時に、「楽しそうなことやってるね」という言葉の数も以前より増したような気がします。これはとても有難いことだと思っています)。

いま、至るところで「イノベーション」という言葉を耳にしますが、あえて広告業界で他の人がやっていないことに着手することで、広告業界のスキルとの掛け算で新たな価値を生み出していく、そのようなチャレンジをしていきたいと考えています。

後編では、電通がオフィスポをやる意義についてもうひとつ重要な観点をお伝えするとともに、今回お話しした意義から着想した具体的なアイデアについても紹介したいと思います。

さて、2016年の健康経営企業銘柄も発表されました。そして既に次の発表に向けて各企業の取り組みが始まっています。ぜひ、オフィスポを検討してみてはいかがでしょうか?

プロフィール

  • 奥村 誠浩
    株式会社電通 第1CRプランニング局 コミュニケーションプランナー/ブレークタイムデザイナー

    2003年電通入社。
    一般消費財から耐久財、コンテンツ業界など多岐にわたる業種での経験を活かし、マーケティング戦略を基点に、テレビCM・PR・ウェブなど統合的な広告キャンペーン、さらに事業戦略・商品開発まで手掛ける。スポリューション所属、PRアワードグランプリ優秀賞受賞、新潟広告賞受賞、大学ゼミ講師、大学オープンキャンパス講演

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