「人を動かす」デジタルテクロノジーへ #03

SOLOMO(ソロモ)って何だ?
リアルタイムウェブのコミュニケーションを活性化するヒント

現在、日本では「O2O」の文脈でデジタルマーケティングが語られることが多いようですが、米国では「O2O」と同様の意味で「SOLOMO(ソロモ)」という言葉を使うことが主流になってきています。
この「SOLOMO」、耳慣れない言葉だなと思われる方も多いかもしれませんが、これは「SOcial/LOcal/MObile」の冒頭部を取って名付けられたもので、実はリアルタイムウェブのポイントを押さえています。
「O2O」はOnline to Offline(時にOffline to Online)の略で、オンライン広告から店頭へと行動を促したり、スマートフォンの位置情報を検知してユーザーにクーポンを発行することで、コンバージョン(購買などユーザーのアクション)をオンラインで把握するなどの施策を指します。
「SOLOMO」はオフラインの部分を「ローカル」と捉え、データだけでは捕捉できないローカルでのコミュニケーションを活性化する施策として注目されつつあります。今回はこの「SOLOMO」の考え方を掘り下げながら、リアルタイムウェブでの消費者との関わり方のヒントを探ってみましょう。

 

ソーシャル=ローカルを意識したコミュニケーション

ここ最近、日本でも企業によるFacebookページやTwitterアカウントなど、ソーシャルメディアの活用が多く見られるようになりましたが、多くの企業はソーシャルメディアをオンラインのコミュニケーションチャネルの一つとして捉えているかと思います。
しかし、ソーシャルメディアを運用していくうちに、コンテンツの元になるのはローカル、オフラインの事象だということに気づくのではないでしょうか。

この点は、2012年のad:tech TokyoでFacebook社取締役のMark D’Arcy氏が「Facebook is “local”」と発言したことにも表れていますが、ソーシャルメディアにおいて、ローカルから発せられる情報の重要性が高まってきています。なぜなら、匿名が基本だったウェブにおいて、実名での情報発信をすることでオンラインの情報が具体的な個人(コミュニティ)のリアルな生活環境を反映するものになったからです。これによってローカルな、かつリアルな情報が求められるようになってきました。

 

情報はモバイルにより、お互いにリアルタイムで接続される

そしてソーシャルメディアとローカルを結ぶ懸け橋として現れたのがスマートフォンです。各種ソーシャルメディアはスマートフォンアプリから常時接続され、高機能なカメラによって写真や動画といったコンテンツも複雑な加工を経ることなくリアルタイムにシェアされるようになりました。それはまるで目の前にある世界を切り取るかのように、ソーシャルメディアにアップロードされています。
その情報はソーシャルメディア上で即時にシェアされ、拡散されていきますが、スマートフォンが知らせてくれるので、オンラインの彼方に忘れ去られる前にユーザーに届きます。

このように、ソーシャル×ローカル×モバイルという3つの要素によって、オンラインでのリアルタイムのコミュニケーションが可能になったのです。

ここで一度立ち止まって考えると、この3つの中でも「オフライン」チャネルである「ローカル」をどう活用するかが、逆説的ですが、現在のオンラインコミュニケーションを考えるうえで重要なポイントになってくるのではないでしょうか。

 

ローカルからの情報発信とコミュニティの重要性

このローカルからの情報発信は、技術的には簡単に行うことができます。まさにソーシャルメディアはこのような情報をリッチに展開してもらうことを念頭に、アプリ内での写真加工なども実装されているだけでなく、位置情報の付与や他のユーザーのリコメンド機能なども盛り込まれ、文字入力すらせずに簡単に情報発信ができるように進化してきました。
しかしながら、このようなローカルの情報発信から消費者を引き付けるうえで大事なのは、その情報が、いかに信頼に足るのかという点です。

たとえば、ソーシャルメディアで全く知らない情報を目にした時、ユーザーはまず「その情報は自分にとって有益なのか」ということを考えます。その時に、その情報を発信したアカウントが自分の知っているお店だったり、友達からシェアされた情報だったりしたならば、自身の経験や思い出からその情報を自分ゴト化して受け入れることができます。つまり、自分の属するコミュニティの情報として発信されていることが重要になってきます。

では、そうしたコミュニケーションはどのように行えばよいのでしょうか。企業自身がソーシャルメディア上での活発なコミュニケーションや会員制サイトなどのコミュニティを持つ、というのはハードルが高いこともあります。そんな中で注目を集めているのが専門性の高いウェブメディアや地元密着型のメディア(地方新聞、地方テレビ局など)です。 このようなメディアと協力し、コミュニティのオーソリティ(権威) として情報をキュレーション(編纂)すれば、消費者は受け取った情報を自分ゴト化しやすくなります。そうすることで、単なる情報発信ではなく、咀嚼され、シェアされるストーリーとしてバイラルへとつなげることができます。

これまでも「タイアップコンテンツ」などでメディアの特性を生かした情報発信がされてきましたが、今後はさらに、コミュニティとの寄り添いが必要になってきているように感じます。このような外部のメディアとの取り組みをも活用することが、リアルタイムなコミュニケーションの中でより強固な関係作りを行うポイントになるのではないでしょうか。

次回は、リアルタイムウェブのコミュニティに焦点が当たったところで、コミュニティと対話することで生まれる価値について、お話ししたいと思います。

プロフィール

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    佐藤 巡
    株式会社電通

    2009年電通入社。コミュニケーションプランナー。リスティング広告など、パフォーマンスメディアの運用やデジタルキャンペーンの企画立案を経て、ローカルテレビ局担当として番組企画や地方におけるマーケティングを経験。現在はソーシャルメディアを中心としたオンラインとオフラインを横断する企業のマーケティングや、ソーシャルメディアにおけるユーザーと企業のコミュニケーションを担当。

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