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MWC2017から得た五つの示唆No.2

ライブビデオとボットが進める対話型マーケティングの新時代

2017/03/15

モバイル領域で世界最大級の展示会「モバイル・ワールド・コングレス」(MWC)が2月27日~3月2日、スペイン・バルセロナで開催された。この連載では、私が本展示会で得た五つの示唆について解説したい。

第2回は、ライブビデオとボットが、ブランドに対話型マーケティングの新時代をもたらしていることについてだ。

DAN傘下カラのグローバル・ストラテジー・パートナー、ジェリー・デイキン氏が、話題のセッション「ライブビデオとボット~ブランドの対話における新しい没入型チャンネル」にパネリストの1人として参加した。ソーシャル環境が大きく変化したことと、消費者の今すぐ対応してほしいという要望がブランドやパブリッシャーにプレッシャーをかけている。こうした状況において、ブランドは実際のところ、何に注力し、何を試すべきなのかという文脈においてLive Video&Botsが議論されていた。

ディスカッションで明らかになったのは、ライブビデオは一般的に、ライブ配信中ではなく、ほとんどがライブ配信後に視聴されているということだった。米国テキサス州に住む主婦キャンディス・ペインさんがスター・ウォーズのチューバッカのマスクを着けて笑い転げる動画「Chewbacca Mom」は、ライブ配信時にはわずか数千のライブビューだったが、現在1億6500万回の再生回数を記録している。 デイキン氏によると、これは、普段は見ることができない「舞台裏」を見ることができるライブビデオの魅力のためだ。ライブビデオの視聴ごとに課金するシステム(ペイ・パー・ビュー)が普及すれば、ライブビデオはさらに活用されるだろう。

また、ボットについて、デイキン氏はカラが手掛けた、消費者からの質問に即時に答えて会話するフィラデルフィアクリームチーズのレシピボットの事例を用いて、ボットはブランドが消費者とより多くの有用な関係を築く機会を実際に生み出すことを説明した。私たちは、即時性と実質価値が最も評価される世界に生きており、消費者がそれを実施できるようサポートすることが必要だ。

Daykin
モバイルマーケティングサミットのパネルディスカッション「ライブビデオとボットなど~ブランドの会話における新しい没入型チャンネル」で語るカラのデイキン氏(写真右から2人目)