ママのポテンシャルバリュー #02

ママラボの舞台裏 ②

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    田中 理絵
    株式会社電通デジタル シニア・コミュニケーション・デザイン・マネージャー

 —— ところで、現在、ママラボのマンガも連載されているんですね。

田中:はい。複数の出版社とのコラボ企画で、商品開発をテーマにした「ママラボ」マンガを雑誌3誌同時に毎月連載しています。これは、開発サクセスストーリーではなくて、ゆるーく読めるドタバタコメディー。バタバタと商品開発しようとして、本人たちは真剣だけど、端から見るとすごくズレてる、みたいな感じです。

 —— 反響はどうですか。

田中:おかげさまで連載3年目、好評をいただいています。誌面だけでなく、WEBと連動していて、バックナンバーも見られます。そこから読者にアンケートや、キャラクター名の応募なども積極的に投稿いただいています。商品開発そのものが、今すごく身近なテーマだと思うんですね。企業も「見える化」して、開発の過程を段階的に見せていくことが増えたし、ママにとっても関心事。主婦が共感しやすいのかもしれないです。

  —— 今後の広がりはありそうですか。

田中:すでに、店頭で配られる販促ツールやデコメなど、キャラクターがマンガから飛び出てきていますが、もっと広げていきたいですね。メインキャラクターは、3人の子持ち女性の「ネコカブリ室長」で、必ず最後にネコをはずして本音をぶっちゃけます。主婦向けなのに、主婦キャラじゃなくて商品開発者の顔つきなのが面白いので、開発者と主婦の間をつなぐ存在として、両者の思いをぶっちゃける場を増やしたいです。

 —— 今、もしくは今後取り組みたいと思っていることを教えてください。

田中:幾つかありますが、1つは、ママのポテンシャルバリューに注目したいなと。いまだけじゃなくて、未来の姿を頭に描いて「こうなった方がきっと嬉しい」というアプローチをしていきたい。たとえば、これから働くママが増えていくと、現実に何が起こるのか。ママ向けの商品とか、買い方とか、変わっていくのではないかと。それを見据えると、ビジネスのやり方、あるいは商品のあり方、メッセージの伝え方も変わるので。

 —— 仕事と育児の両立はホットトピックスのひとつですね。

田中:そうですね。ママラボから「主婦の再就業による直接効果と経済波及効果」というニュースリリースを出しましたが、マクロの変化も捉えつつ、ミクロでどう変わるかをウォッチする、という感じで進めています。

 —— どう変わっていきそうですか?

田中:たとえば、今の共働きの世帯は、専業主婦の世帯よりも、教育費や通信費の支出が多いので、共働きが増えると、そこは増えそうです。あと自動車関係、外食、調理食品、お酒も伸びそうです。もちろん、プラスの効果ばかりではありません。家事や育児をどうやっていくかは、経済だけでは測れない、生き方や価値観の問題でもありますし。ただ、家事・育児と働くことの両立は、主婦だけの問題ではなく、みんなの問題だという認識に変わっていくのは良いと思っています。

 —— ポテンシャルバリューとして、どんな可能性があると思いますか?

田中:働き方は多様だし、それぞれの事情もあるし、選択肢を増やせるような商品やサービス、あとは、迷ったときに頼りになる情報メディアが増えるといいですよね。「選べる」苦しさもありますけれど、「選べる」苦しさを受け入れてこそ進化があるんじゃないかと、個人的には思っています。とはいえ、「今のママってこうなんです」と分析するだけではママは喜びませんから、ママラボとしては、ちゃんとママにとどく商品サービスや、ママが参加できるイベントなど、見えるものにつながるような活動をコツコツ続けていきたいです。

 —— 次回は、「働く主婦の経済効果」について、詳細をまとめます。

プロフィール

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    田中 理絵
    株式会社電通デジタル シニア・コミュニケーション・デザイン・マネージャー

    2006年電通入社。生活者・市場研究を専門領域とし、コンサルティング、コミュニケーション戦略立案を行う。 2012年までラグジュアリーブランド市場研究(BLUX)、「電通ワカモン」、「電通ギャルラボ」など複数のチームで研究リーダーを担当。 2013年に育児休業より復帰し、「ママラボ」代表に。

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