「よりよく生きる」プランニング #03

彼のトクホと彼女の膝かけ

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    小幡 道子
    株式会社電通 マーケティングソリューション局

皆さんは、どんな場面で「健康」を意識するでしょうか?

ウェルネス1万人調査では、最も多かった回答が「睡眠不足が続いたとき」でした。これは年齢や性別によらないランキングなのですが、男女別に見てみると、男性では「二日酔いのとき」「(挙げられた選択肢の中には)1つもない」「健康診断で生活習慣病の兆候を指摘されたとき」などのスコアが全体より高く、女性では「便秘のとき」「前に履けたパンツ、スカートなどがきついと感じたとき」「自分より年上で若々しい人を見たとき」などが特徴的な項目として出てきます。



言われてみると、分かるような気がする結果かと思います。性別問わずニーズのあるウェルネスですが、男性と女性では、気になる時も、事も、異なります。第3回では、からだの仕組みから男女の違いが大きく表れる「健康意識」と「悩み症状」についてご紹介します。

調査結果を対象者全体で見ると、日頃悩まされている症状のTOP2は「目の疲れ」と「肩や首筋のこり」で、約3人に1人が選択しています。日常の労働が原因と考える人が多く、パソコンなどの電子ツールの多用が影響している可能性があります。

男女別にランキング化してみるとどうでしょうか。
男性では「中性脂肪が多い」「血圧が高い」「ひとつもない」「内臓脂肪が多い」などが、女性では「しみ・そばかす」「白髪」「肌の老化」「冷え性」「便秘」「頭痛」などが上位に挙がります。ひとことでいうと、男性は「生活習慣病予備軍」関連の悩み、女性は「加齢」と「不調」関連の悩みが多いことが分かります。



 

基本的に、男性と女性では、女性の方が健康意識は高い傾向にあります。これは、月経という体調に変化の起こる現象がほぼ毎月あって、気づきのタイミングが多いことと、出産や育児、介護などに中心的に関わり、健康管理を意識せざるを得ない場合があることなどが理由として挙げられるかもしれません。これに対して男性は、付き合いの飲み会が増加して不摂生が気になることはあっても、意識や行動を変えようと思うほどの決定打にはならず、健康診断で好ましくない判定が出て初めて、健康を強く意識するケースが多いようです。また、美容意識ともあいまって加齢に敏感なのも女性。ただし、「人からの見られ方」という点では男性の意識も高くなっていて、体型や臭いといったエチケット(清潔感)系の項目のスコアは性別問わず今後も伸びることが予測されます。

近年、ビジネス的に着目されているのは「不調」関連の症状です。雑誌の特集でも多く見かけるようになりました。電通ウェルネスプロジェクトでは、「全身の疲れ・だるさ」「肌荒れ」などがこれに該当するとしており、共通点は原因が複合的、あるいは本人にもよく分かっていないこと。病院に行くほどでもないので、身近な商品やサービスでの解決が求められるのです。

いかがでしょうか? あの男性がトクホ好きな理由、あの女性が膝かけを手放さない理由、分かりましたか? 最後に小ネタですが、厚生労働省は国民健康づくり運動で「1日最低1食、きちんとした食事を、家族等2人以上で楽しく、30分以上かけてとる」人の割合を増やすことを目標としています。忙しくて早食いが癖になってしまっている人を多く見かけますが、皆さん、食事の途中でお箸は置いていますか? 時間がある時は、ぜひ、お箸を意識してみてください。‘箸休め’ではないですが、気持ちにも余裕が生まれるかもしれません。

プロフィール

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    小幡 道子
    株式会社電通 マーケティングソリューション局

    電通チームウェルネスの戦略プランナー。オリジナル調査や有識者ネットワークなどから収集・分析した情報と知見を用いて、食品、飲料、医薬品、化粧品、トイレタリーなどの幅広いカテゴリーでヘルスケアのトレンドや生活者インサイト視点を盛り込んだ商品開発サポート、販促戦略コンサル、コミュニケーション開発などを行う。

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