風船で患者支援~「CTEPH バルーン・ドリーム」プロジェクトがキックオフ
2016/06/06
バイエル薬品は、CTEPH(シーテフ・慢性血栓塞栓性肺高血圧症)の認知促進と患者支援を目的に6月3日から「CTEPH バルーン・ドリーム」プロジェクトを発足。同日、東京・渋谷でキックオフイベントを開催した。
イベントには2013年からCTEPH啓発大使を務めるプロサッカー選手・細貝萌さん、CTEPH患者の支援活動をしているNPO法人PAHの会理事長・村上紀子さん、NPO法人 ASrid理事長・西村由希子さん、世界的に活躍しているバルーンアーティスト・SHINOさんらが参加した。
会場では肺に負担のかけられない患者に代わってバルーン(風船)を一般参加者が膨らませ、患者の夢や希望をバルーンアートで表現した。
CTEPHは肺の血管の内側に血栓(血の塊)が詰まり、血液が流れにくくなって、肺動脈へかかる圧が上昇する「肺高血圧症」と呼ばれる状態が続く病気。肺と心臓の血液の流れが悪くなるため、息苦しさや身体のだるさ、胸の痛みなどさまざまな症状が現れる。
現在、日本には2511人(特定疾患医療受給者証所持者数)のCTEPH患者がいるが、同じ難病でありながらパーキンソン病やクローン病などに比べて認知度が極端に低く、ほとんど知られていない。
当日は、細貝選手とSHINOさんがステージイベントを行うとともに、病気のためになかなか旅行に行くことができないCTEPH患者のために、患者アンケートで最も行きたい場所に選ばれたパリのシンボル、エッフェル塔をSHINOさんがバルーンで作成した。
また、バイエル薬品から、イベントの参加者が膨らませたバルーン一つに500円、同プロジェクトのオフィシャルフェイスブックページにアクセスし、いいねをクリックすると100円寄付することが発表された。
バイエル薬品循環器領域事業部 肺高血圧・中枢神経領域マーケティング部長 オリバー・ジグラーさんは「CTEPHは難病ですが、治療が進歩し、症状によっては完治することがあります。そのためには、この病気をよく知ること。早期発見につながり、患者さんがより良い生活を送ることができるようになります。皆さん一人一人の小さなアクションが力になり、患者さんの支援につながりますので、よろしくお願いします」と、協力を呼び掛けた。
フィナーレステージでは、CTEPH専門医である慶應義塾大学医学部循環器内科 特命講師・川上崇史氏がCTEPHについて解説した後、細貝選手、村上さん、SHINOさんが一日の感想を語り合った。
細貝選手は、「たくさんの方に風船を膨らませていただくことで、患者さんご本人やご家族の助けになるので、そういう有意義なことができてとてもよかったです。これからもサッカー選手としてプレーを続けていきながら、活動をサポートしていきたい」と語った。
この日の支援金額は、膨らましたバルーンが1244個で62万2000円。いいねの数が832件で8万3200円の合計70万5200円となった。