視覚障がい者のためのリアルタイム実況生成AI「Voice Watch」が、NY ADCでBest of Discipline(部門最高賞)を受賞
2023/06/09
電通が取り組んでいる、視覚障がい者のためのリアルタイム実況生成AI「Voice Watch Supported by Toyota Mobility Foundation(以下、Voice Watch)」が、第102回 NY ADC賞(the 102nd ADC Annual Awards)のArtificial Intelligence部門で、部門最高賞(Best of Discipline)を受賞※した。5月17日に、ニューヨークにて受賞式が開催された。
※NY ADC賞は1921年ニューヨークで「Art Directors Club」によって設立され、今年で第102回目を迎えた、世界で最も古い広告デザインの国際賞。本年は世界59カ国と地域から、1万1198のエントリーがあり、その中から106のゴールド、120のシルバー、162のブロンズが受賞。そして、各カテゴリーのゴールドの中から、部門最高賞が選出された。
授賞式に出席した同プロジェクトのクリエーティブ・ディレクターである志村和広は、「このような受賞の機会をいただき、大変光栄です。受賞をきっかけに、多くの方々に知ってもらうことで、このプロダクトの普及やさらなる拡大につながればうれしいです。今後は、より多くのスポーツへの対応などを目指していきます」と語る。
受賞した「Voice Watch」の概要:
「Voice Watch」は、視覚障がい者のモータースポーツ観戦を可能にする、世界初のリアルタイム実況生成AIである。
トヨタ・モビリティ基金支援のもと、レースのあらゆるデータを音声情報に変換し、実況のないサーキット現地の観客席で、視覚障がい者に実況を生成する仕組みを構築。カメラ映像から目の前のレースを描写。また走行データの分析から、レースに変化が起こる兆しを素早く発見・伝達。さらにプロアナウンサーの実況ノウハウを学習した、独自の発話フレームを構築。これらを組み合わせ、実況フレーズをリアルタイムに生成することができる。
この「Voice Watch」を、日本最大の耐久レース「スーパー耐久」レースにおいて実施し、レースを“聴く”という、新しいモータースポーツの観戦体験を実現した。
また、現在はレースにとどまらず、他スポーツへの展開も拡大中。昨年は運動会でのトライアルなども実施した。
今後は、障がいの有無にかかわらず、誰もがあらゆる種目のスポーツ観戦を楽しめる世界を目指していく。