広告同人誌こみゅしふ〜僕と野良袋の思考的冒険〜 #08

「ソーシャルポテンシャルバリュー」あるいは「もしも価値」という概念。

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    並河 進
    株式会社電通 ビジネス統括局 コピーライター/クリエーティブディレクター

野良袋:前回は、お金とモノの交換を促進する存在から、価値と価値の交換を促進する存在へ、広告が変わるべきだという話だった。「価値」とは何を指しているのか、今回から掘り下げていこう。

並河:ムハマド・ユヌスの言葉を借りれば、資本主義の「資本」に入るべき事柄を洗い出す、ということですね。

野良袋:その通り。分かってきたな。それが、これからの広告の「領域」になるはずだ。

並河:たとえば、「スキル」とか、「知恵」とか、そういうものですかね?

野良袋:もっとだ。もっと時間軸を超えて考えるんだ。
価値と価値の交換を促進する存在へ、広告が変わるとしたら、交換すべき「価値」を探し、見つけることが、広告の仕事でもあるんだからな。たとえば、人間界には、「シャッター商店街」というものがあるな。

並河:どうしたんです、突然に。

野良袋:シャッター商店街をなんとかしよう、ってみんな言うけれど、なかなか難しい。
それは、なぜかというと、「今の価値」を出発点にしているからなんだと思う。

並河:そうか、「未来の価値」ですか。

野良袋:そう、「潜在的な価値」だ。
たとえば、日本中のすべてのシャッター商店街が、とにかく、ある一日決めて、シャッターをあけたとしたら、何が起こるか……。

並河:社会的に潜在的にもっている価値、「ソーシャルポテンシャルバリュー」ですね。

野良袋:「もしも価値」ぐらいでいいじゃないの?

プロフィール

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    並河 進
    株式会社電通 ビジネス統括局 コピーライター/クリエーティブディレクター

    1973年生まれ。2016年9月、データとクリエーティビティの掛け合わせによるプランニングチーム「アドバンスト・クリエーティブ・センター」を立ち上げる。2016年度グッドデザイン賞審査委員。TEDxTokyo Teachers2015スピーカー。
    著書に、『Social Design 社会をちょっとよくするプロジェクトのつくりかた』(木楽舎)、『Communication Shift「モノを売る」から「社会をよくする」コミュニケーションへ』(羽鳥書店)他多数。東京工芸大学非常勤講師。

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