ワカモンのすべて #34

海外の若者とワークショップをして気づいたこと。(前編)

  • Momoko trimming r
    大蔵 桃子
    株式会社電通 マーケティングソリューション局

若者の「今とこれから」をリサーチする電通若者研究部(通称:ワカモン)。前回紹介したワークショップに参加した学生団体「Bizjapan」のメンバーと、ワカモン研究員の大蔵がディスカッションを行い、海外の若者との交流を通じて見えたことについて聞いてみました。

ディスカッションに参加してくれたのは、「アントレプレナーシップ」と「グローバル」をテーマに掲げる学生団体「Bizjapan」メンバーのA君とB君(ともに大学1年生)。今回のワークショップは彼らが中心となって進めてくれました。近年、「日本の学生は海外に興味がない」「日本人留学生が減っている」というデータが出ている中で、どうして二人は海外を視野に入れた団体に所属しているのでしょうか。そして、海外の学生との交流を通じて何を感じ、どのような刺激を受けたのでしょうか。詳しく話を聞いてみたいと思います。


「協調」よりも「同調」を重んじる日本のワカモン

大蔵:そもそも二人がBizjapanに入ろうと思ったきっかけは?

A君:大学入学前にシンガポールへ行ったとき、ちょうど独立記念日で街中に国旗が飾ってありました。日本だと建国記念の日に国旗を掲げる行為には様々な意味が付加されますよね。日本と海外で愛国心の意味合いが異なる原因を知りたくて、グローバルをテーマに掲げるBizjapanに参加しました。

B君:僕は大学の勉強以外にも何か夢中になれることを探していて、たまたまBizjapanに出合ったのがきっかけです。当時は海外には興味がなくて、どちらかというと卒業後の働き方としてアントレプレナーシップという概念に引かれるものがありました。

大蔵:Bizjapanのメンバーは、みんな海外に興味があるのですか?

A君:基本的にそうだと思います。留学経験のある人や帰国子女が多いので。僕とB君は留学経験がないのですが、それは団体の中では少数派なんです。二人とも今は留学したいと思っていますが。

大蔵:そんな二人にとって、海外の同世代の学生たちと一緒に活動した経験は初めてだと思いますが、どんな発見がありましたか?

A君:海外の人は自己主張が強いイメージだったけれど、実際に接してみると意外に協調性があると思いました。

B君:特にアジア圏の人たちはそうだったよね。

大蔵:個人的には、海外の人は協調した上で自己主張をはっきりするイメージがあります。協調だけでは終わらず、きちんと自分の意見をそれぞれ持っていて、それを発言するなぁと。

B君:僕もそう思います。驚いたのは、グループディスカッションが始まるとすぐに意見を出し合って、議論がスムーズに進むこと。

A君:日本のように、「誰からやる?」みたいな探り合いが一切ない(笑)。

B君:協力することを前提に一人ひとりが自己主張をして、それを一気にまとめてアウトプットまで持っていくところがとても刺激的でした。日本人は「協調」よりも「同調」に時間をかけている気がします。

 

「大学=学ぶ場所」ということを痛感。

A君:あと、ディスカッションの時は私服だったのに、プレゼンが始まる前にわざわざトランクを取りに戻ってジャケットに着替えていたことも衝撃的でした。僕らは寝間着みたいな格好だったので(笑)。

大蔵:私は大学の4年間をアメリカで過ごしましたが、彼らは小学校からプレゼンをさせられてたり、大学にはいろんなテーマの“基本”を学ぶ「ワン・オン・ワン(101)」という授業があって、その中にプレゼンのマナーやしきたりなどを学ぶ授業もありました。

A君:まさにそうなんです。議論がスムーズに進むのも、大学で日頃から学んでいるから。あらゆる行いが学びの上に成り立っているんですよね。僕ら日本の学生はそうではない。彼らはより実践的なことを学んでいるのだと痛感しました。

大蔵:「海外の学生は大学で学問を吸収することに時間を費やすのに対し、日本の学生は友達や思い出づくりに時間を費やしている人が多い」というデータがあります。日本の大学は、受験の段階で学部まで決めるのが主流だけど、アメリカはまず学部に関係なく、全員が同じ試験で受験し、入学していろいろな授業を取りながら、自分が興味のある専攻を選んでいって、最終的に学部を決めていくスタイルです。

A君:海外の学生によく言われたのは、「君は何学部なんだ?」ということ。彼らはどこの大学に行っているのかよりも何を学んでいるのかに興味があるんです。僕はそんな時、とりあえず「経済をこれから専攻するつもりだ」と答えるのですが、それと同時に「自分は本当に経済を学びたいのか?」という疑問も生まれてきて…。改めて自分は何を学ぶために大学に行っているのかを考えるきっかけになりました。

大蔵:「大学は学ぶ場所なんだ」ということに改めて気づいたわけですね。

 
※対談後編は3月11日(水)に更新予定です。

【ワカモンプロフィール】

電通若者研究部(通称:ワカモン)は、高校生・大学生を中心にした若者のリアルな実態・マインドと向き合い、彼らの“今”から、半歩先の未来を明るく活性化するヒントを探るプランニングチームです。彼らのインサイトからこれからの未来を予見し、若者と 社会がよりよい関係を築けるような新ビジネスを実現しています。現在プロジェクトメンバーは、東京本社・関西支社・中部支社に計14名所属しています。ワカモンFacebookページでも情報発信中
https://www.facebook.com/wakamon.dentsu)。

プロフィール

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    大蔵 桃子
    株式会社電通 マーケティングソリューション局

    マーケティングソリューション局 マーケティング・プランナー。2013年から、10〜20代の若者を対象にしたプロジェクト「若者研究部(電通ワカモン)」と、ギャルをターゲットとした「電通ギャルラボ」の研究員として、若者向け・女性向け商品のリサーチ・プランニングを担当。2008年には、子ども市場を開拓するプロジェクトチーム「ジセダイ育成委員会」の立ち上げに参画し、現在も所属中。ママ向け商品や子どもを起点とするブランドのプランニングも行う。

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