ここを聞きたい!
地上波テレビ広告の現在(リアル)
第1回「デジタル」

生活者を取り巻くメディア環境の多様化が進んでも、テレビは広告メディアとして依然、期待されています。一斉同報、一斉受動。このスタイルはテレビ独自のもの。近年テレビ離れがささやかれるものの、数千万人規模で発信される大規模な認知や低関与層まで含めた幅広い層への興味喚起に、最も影響が強いメディアとして、高く評価されています。また一方で、インターネットとの連携やコンテンツパワーとのシナジーによる多角的なテレビ活用の手法や、広告主に対する投資対効果のより精緻な検証手法など昨今の動きにも注目です。

この特集では、現場目線の直球質問に、電通ラジオテレビ局員に答えてもらいました。テレビ広告をめぐる「リアルな今とこれから」の一端を4回にわたってお伝えします。


Q1:インターネット環境が進化する中、テレビはどう対応しているのですか?

文分 曜子氏

答える人:文分 曜子氏(デジタル&グローバルビジネス推進部)

放送と通信の連携が叫ばれて久しい昨今ですが、テレビとネットの連携を軸にしたさまざまな取り組みも始まっています。中でも大きいのが、「キャッチアップ(見逃し)配信」と「セカンドスクリーン」という二つの取り組みです。

キャッチアップ配信とは、テレビで一度放送したものをネット上で“いつでもどこでも”再視聴できるようにするもの。昨年から各局が徐々に配信を始めています。これまでは、動画サイトに無断でアップされたものをユーザーが視聴しているケースが多かったのですが、今後はオフィシャルな配信が増えていくと思います。キャッチアップ配信においても、基本的には地上波と同じように番組内CMが流れていますが、このCMの価値、効果は幾つもの側面で注目されています。まず、放送時間とテレビ受像機という二つの制約から自由になったコンテンツは、リアルタイムで視聴できなかった人々を取り込める可能性が高く、広告主の観点からはリーチの拡大につながるでしょう。また、キャッチアップ配信のポイントは「この番組を見よう」という視聴者の目的意識が強いこと。そのため、番組内で流れるCMに対しての反応、例えば一度のフリークエンシーの効果がテレビCMよりも高いといったことも期待できるかもしれません。

二つ目のセカンドスクリーンとは、視聴しているテレビ番組の内容に応じてモバイル上の情報が連動する仕組み。以前から番組内のゲームに視聴者も一緒に参加したり、投票したりするような、番組の企画・演出としてセカンドスクリーンを使う取り組みもあります。「TBSぶぶたす」をはじめ、例えば、番組で紹介されたお店や出ている芸能人の情報、取り上げられたキーワードなどがスマホやタブレットに自動表示され、テレビを見ている人が気になったことをフォローできるような取り組みも注目されています。

広告においても、テレビCMを見て視聴者がふと気になった時にセカンドスクリーンをのぞくと、自動的に商品情報やサイトのリンクが出ていれば、より深い広告接触や購買行動につながりやすくなるはず。あるいは、「CMでチラッと見た商品を検索したいけど、商品名が思い出せない」という場合も、セカンドスクリーン上の自動表示で情報にたどり着けるようになります。 電通でも、一昨年あたりからこのシステムの開発を進め、実用化に向けて検証を続けています。これらの新たな取り組みにより、テレビとネットの親和性はより高まっていくはず。そうなれば、きっとテレビの未来は明るいものになると信じてます。

放送(番組)派生領域

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