加速する動画の「オムニ視聴」 #02

浸透するインターネット動画、
視聴傾向の最新事情

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    立木 学之
    株式会社電通 電通総研 メディアイノベーション研究部 主任研究員(2015年末時点)

2014年は、インターネット動画制作者がメディアで取り上げられて話題になり、民放キー局が番組のインターネット配信を活発化させるなど動画が大いに注目された年であった。

そこで「動画視聴に関するWEB調査」を行い、全国の男女15~79歳を対象にして、どのような動画を、どこで、いつ、どの程度頻繁に見ているのかを分析した。なお、本調査は、普段からパソコン経由で調査会社のパネルに登録している「ネットアクティブ層」についての分析になる。


◆ インターネット動画視聴は幅広い年代層に浸透。

若年層ほどヘビー視聴

全体傾向として、調査回答者の86.0%が月1回はインターネット動画を視聴していることから、動画視聴行動が幅広い年代層に普及している実態が浮かび上がった。中でも、本論の主人公である若年層では、「ほぼ毎日視聴する」というヘビー視聴者が男性で特に多く、男性10代ではほぼ半数の47.4%、男性20代では39.4%という結果となった。女性は男性より低調だが、それでも女性10代が30.9%、女性20代が26.3%となっている。

図表1

◆ 8割がパソコン経由、若年層はスマホ。

自宅での単独視聴が大多数

図表2

インターネット動画視聴者の中で、動画視聴に利用する機器は、全体ではパソコンが8割、スマホは3割という結果となった。ただ、若年層ではスマホでの視聴も盛んで、特に女性の10代と20代はパソコンよりもスマホのスコアが高く、比較的画面サイズが小さいデバイスでも動画を視聴しているのが特徴だ。 また、視聴環境を見ると、自宅での単独視聴が圧倒的に多く、シーンとしては、くつろいでいる時が多い。若年層で特徴的なのは就寝前の視聴傾向が強いことで、リラックスした状態で動画を視聴していることが窺える。

 

◆ 男女ともに10代と20代の1日当たりの視聴時間は

平均1時間以上

 

1日当たりの視聴時間を調査したところ、平均して1時間を超えた層は、男性10代(78.73分)、男性20代(69.77分)、女性10代(75.51分)、女性20代(60.57分)となり、男女ともに若年層の視聴時間が長い結果となった。視聴時間量の観点でも、特に若年層においてはインターネット動画の視聴行動は特別な存在ではなくなっている。

 

◆「 検索」「インターネット記事」「関連動画」から入り、

「投稿動画」「音楽PV」「テレビ番組」を視聴

 

動画視聴に至る経路としては、全体的には約半数が「自分で検索」と回答し、次いで「インターネット記事から」と「関連動画から」となっている。若年層では、「自分で検索」のスコアが全体より高く出ており、検索行動が若年層に動画視聴を促す強い要因となっていることがわかる。

よく見られる視聴ジャンルとしては、「投稿動画」(ここでは、一般の個人もしくは団体が投稿している動画と定義)が最も多く、全体で44.3%である。次いで「音楽PV」、「テレビ番組」と続く。「音楽PV」に関しては、特に女性の若年層のスコアが高く、「テレビ番組」も比較的女性の若年層が視聴する傾向が強いが、年代差がそれほど大きくないのも特徴である。

 

◆ 動画視聴後に口コミしたくなる若年女性

 
図表3、4

動画視聴したコンテンツを周囲に教えたくなるのは女性の方が多い。特に若年女性は「会話の話題にした」が多く、おもしろいと感じた動画を周囲に伝えたい、薦めたいと考える傾向が強い。さらに、若年層は、他の年代層に比べて、動画の撮影・編集・投稿経験が豊富で、動画の受信者としてだけでなく発信者の性格を併せ持っている。

【動画視聴に関するWEB調査 概要】
・調査方法:インターネット調査 
・調査地域:全国
・調査対象:男女15~79歳 4900人 
・調査時期:2014年9月19日~ 21日
・調査会社:株式会社ビデオリサーチ

プロフィール

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    立木 学之
    株式会社電通 電通総研 メディアイノベーション研究部 主任研究員(2015年末時点)

    入社以来、世代研究や男性消費トレンド研究のほか話題注目商品プロジェクトなどを担当。営業局にて大手自動車会社を担当した後、電通総研にて中国市場とインド市場のインサイト開発に従事。2012年1月より「電通日本の広告費」「世界の広告費」「情報メディア白書」の制作をはじめ、各種オーディエンスインサイト構築を手がける。2016年からインターネット広告のセールスを手掛けるセクションへ異動。

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