ろーかる・ぐるぐる #51

ローカル経営者座談会(後編)
「ぼくたちには夢がある」

  •     2
    原田 青
    ローズメイ 代表取締役
  • 須藤 勝利
    Growth 社長
  •     a2
    加藤 陽介
    だし屋大友 店主
  • 栗田 健一郎
    47CLUB(よんななクラブ) 代表取締役社長
  • 4
    山田 壮夫
    株式会社電通 第1CRプランニング局

2月某日。前編に続き、ローカルで頑張る経営者のみなさん(ローズメイ代表取締役 原田さん、Growth社長 須藤さん、だし屋大友店主 加藤さん、よんななクラブ代表取締役社長 栗田さん)に集まっていただいた座談会の後半。ビールも焼酎も進みます。

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左から、原田さん、自分(山田)、須藤さん、加藤さん、栗田さん

山田:(全国を催事で飛び回る須藤さんに)そりゃ大変ですね。なんでそんなに頑張れるんですか?

須藤:そうしなくちゃ、売り上げが立たないからですよ(笑)。

原田:ぼくらが直接「売る」ことって、販売ルートを拡大して経営安定を図るという以上の意味があるんです。
いま角館に直営店を出すべく努力しているんですが、うちの場合は秋田に工場があります。ここで働いている人が、自分が作ったものが売れる、美味しかったといってもらえるのって、とても大きな経験なんです。だからといって全員を遠くのデパート催事まで連れていくことはできないでしょ?角館なら工場から行って売って、その経験をまた持って帰ってきて製造に生かすってことができるな、と思っているんです。

須藤:改めてなんで頑張っているのか考えてみたんですが。ぼくらは「より良い社会を次の世代につないでいく」ことを目標に会社をやっています。とにかく地域、青森をよくしたいんです。一度、東京に出たからそう感じるのかもしれないですけど。

栗田:須藤さんは昔クラブのDJやってたから(笑)。たくさん遊んだんでしょ?

須藤:たしかにモテたくて東京でDJやってました(笑)。でもそのときにモテる人は中身がオシャレだって気がついたんです。それが原点で農家さんや障がい者の皆さんと一緒に頑張れる形をつくりたくて、地元に戻って会社を興したんです。

山田:経営学者の野中郁次郎先生はビジネスのリーダーに必要な能力として「フロネシス」を挙げています。具体的なビジネスの場で全体善のためにどうしたらよいか、必要なふるまいを見いだす能力です。

栗田:おっ!ウェブ電通報を意識して、良いコト言おうとしてるでしょ(笑)?

山田:いやいや(笑)。須藤さんのお話を聞いていたら、なぜ「ごぼう茶」をやっているのか、その向こうに何を見ているのか、ビジョンみたいなものがハッキリしているのが素晴らしいなと思って。

須藤:いまは農業、フェアトレードに特化してやっていますが、これをおざなりにして、次はやらないです。

加藤:かっこいいなぁ(笑)。

原田:ぼくも秋田はすごく意識しています。いま、県の人口は104万人ですが、数年で確実に100万人を切るといわれています。もともと素晴らしい一次産品があって、外に積極的に売りに行かなくても県内の市場で完結していたのが、今後どんどん厳しくなるのは明らかです。だから秋田に雇用をつくりたい。たとえばいまはオレンジスライスジャムを瓶詰めする季節労働の、しかも東京に比べればだいぶ時給も安いアルバイト数名の募集に対して何倍もの求職があるんです。それは経営者としてホントにありがたいことなんだけど、やっぱり秋田で働ける環境をつくりたい。そうしないと、東北はいつまでたっても元気にならないですから。

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加藤:なるほどなぁ。ぼくは名古屋でビジネスをしているし、名古屋の食文化には思い入れがあるけれど、ちょっと地元のことを思う質が違うのかもしれないですね。不謹慎な言い方かもしれませんが、経営者として目標が明確になる環境が、ちょっとうらやましく感じました。

須藤:でも目標はあるでしょ?

加藤:そりゃ、ね。ビジネスはどんどん大きくしたい。こんど海外にもチャレンジするし。

山田:そういえば、よんななクラブって、どんな夢があるんでしたっけ?

栗田:みんながこんなにかっこいいことを言ってる流れでオレに振る?(笑)

加藤:よんななクラブも東京という都会の企業ですもんね。どんな理想を持っているんですか?

栗田:よんななクラブはネット通販の会社だと思われてるけど、単にサイトを良いものにすることは目指していない。それより参加してくださるローカル企業の皆さまの経営課題を解決するために、ぼくらは存在し続けたい。

山田:具体的にはどういうことなんです?

栗田:企業の大小にかかわらず、経営者って孤独なんだと思う。簡単に「やーめた」「転職しよう!」なんて言えないし、ローカルだと特に、ね。よんななクラブはそんな孤独な経営者が集まるサークルになりたい。いつか「最近、地方発で元気な企業はみんなよんななクラブ出身だよね」と言われるような、そんな仲間をつくっていきたい。そのために必要な学びやチャレンジ、相互交流などの場はどんどんつくっていきたい。

加藤:たしかにぼくはよんななクラブを通じて原田さんや須藤さんと知り合って、とても刺激になっていますが、そういうことですよね。

山田:だから皆さん集まると、よく一緒に飲んでいるんですね。単なる酒好きの集まりかと思っていました(笑)。

栗田:そろそろ河岸を変えましょうか。名古屋の夜はカレー煮込みうどんで〆るのが一番だけど、その前にもっと飲んで話をしなければならないからね。

山田:それでは、皆様のご商売が益々ご発展することを祈念しまして、改めまして、かんぱーい!(笑)

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***後日の雑感***

改めて速記録を眺めながら、この場に集まってくださった4人の経営者の「熱」を思い出します。規模の大小は関係なく、経営者は「夢」を語ることで従業員や関係者、そしてお客様までもを動かすのだろうと感じました。最後に、それぞれのお店の「自慢の逸品」をご紹介します。よろしければ、一度試してみてください。


須藤さんの「ごぼう茶」
http://www.47club.jp/03M-000045kfk/goods/detail/10072319
 
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加藤さんの「無添加だし」
http://www.47club.jp/21M-000019etn/goods/detail/10070246/
 

原田さんの「オレンジスライスジャム」
http://www.47club.jp/05M-000055wyt/goods/detail/10038267
 

どうぞ、召し上がれ!

プロフィール

  •     2
    原田 青
    ローズメイ 代表取締役

    ローズメイの3代目。創業百年企業を目指して、国産ネーブルオレンジを輪切りにして国産はちみつで煮詰めた「オレスラ」などを開発。

  • 須藤 勝利
    Growth 社長

    青森の高校卒業後、東京でDJとして活躍。その後地元へUターンをして、ごぼう茶の製造を通じてフェアトレードに取り組むGrowthを創業。

  •     a2
    加藤 陽介
    だし屋大友 店主

    だし屋大友は昭和52年、名古屋で創業。その事業を受け継ぎ、いまはその永く愛されている「だし」を広める道を邁進中。

  • 栗田 健一郎
    47CLUB(よんななクラブ) 代表取締役社長

    まだニュースになっていない逸品を地方新聞社が紹介するお取り寄せサイトを運営するよんななクラブの社長。近年は各地の中小企業とともにさまざまな販路拡大の道を模索。

  • 4
    山田 壮夫
    株式会社電通 第1CRプランニング局

    1969年生まれ。アイデアを核として広告キャンペーンはもちろん、店舗開発からテレビ番組の製作まで手掛ける。特に最近は全国の地方新聞社厳選お取り寄せサイト「47CLUB」と連携してローカルにおける商品開発作業にチャレンジしている。2009年カンヌ国際広告祭(メディア部門)審査員。慶應義塾大学(メディア・コミュニケーション)、明治学院大学(経営学)非常勤講師。著書に『〈アイデア〉の教科書 電通式ぐるぐる思考』(朝日新聞出版)。

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