ワカモンのすべて #40

【データ】○○を使い分ける若者たち

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    小木 真
    株式会社ビデオリサーチ マーケティング事業推進局 企画開発部 リサーチ・プランナー

前回のワカモンデータでは、電通総研と電通若者研究部(ワカモン)が共同で2月に実施した「若者まるわかり調査2015」から、若者が抱く将来意識を中心にご紹介しました。
日本の将来は不安だけど、日本のことは好き。20代なのに老後が不安な女子。
ちょっと裏腹で捉えづらいところのある、若者のウラハラ・マインドの一端をご紹介しました。
*ウラハラ・マインドについては、こちらのリリースをご覧ください。

さて今回は、同じく調査結果の中から、若者たちのいまに触れてみたいと思います。
若者を理解する上で切り離せないコミュニケーションのお話です。

 

複数のSNSを使い分け

スマホとSNSが広く浸透してインフラになったことで、コミュニケーションが生活の中心にあるいまの若者たち。一つのツールやサービスだけを使いこなすのではなく、複数使い分けるのが当たり前になっています。

日々のやりとり、誰に聞いてもらうでもないつぶやき、みんなで行った旅行の写真、おしゃれなカフェでの自撮り写真。見て聞いてもらいたい相手、目的やシーンに合わせて、複数のSNSを使い分ける。Instagramは写真を中心とする無料の画像共有アプリで、おしゃれな写真が投稿できるところなどがウケて、特に女子に人気です。
今回、女子高校生では2人に1人がアカウントを持っている、という結果になりました。
最近SNS上で話題になった「インスタインマイハンド」という画像遊び。
Instagramの画面を透明にして手に持っている、未来感のある不思議な画像が若者の間で流行しましたが、こういった流行が、Instagram発で出てくることも増えてきました。

 

複数のキャラを使い分け

こういう話をしていると、上の年代の方から「いまの若者は忙しいねぇ、、、」「スマホばっかりイジって、、、」「おれたちの時代は、、、」(略)という話につながっていくことが多いのですが、それはさておき、SNSを通じて複数のつながりを持ち続け、さらに広げていくならば、常に「他者の視線」にさらされることになります。
実際、他人からどう見られているかが気になる、と回答している若者は72.2%。なので、コミュニケーション・テクニックの1つとして、「キャラ」の使い分けがあります。

データでは、ライフステージが若いほどキャラの使い分けが活発、という結果になりました。
クラスでは元気なリーダーキャラだけど、こっちのイツメン(いつものメンバー)では毒舌キャラ。
でも本当は一人でアニメを見るのが好きなぼっちキャラ、みたいに、相手に合わせて「見せる自分」を使い分ける。「なんと面倒な…」という上の年代の方からのつぶやきが聞こえてきそうですが、これもSNSがなかった時代の若者よりも多くのつながりを持ち続けている、いまの若者だからこその処世術。その根底には「まわりとうまくやっていくことが大事」というマインドがあるから。
いまの若者はウラオモテがあって、信用できない、、、というわけではないのでご注意を。

さて、先ほど触れたSNSでも、キャラの使い分けテクニックがあります。それはTwitterの複アカ持ち。

 

Twitterの複アカを使い分ける

若者のTwitterの使い方として、「複アカ」=複数アカウントの併用、というのが当たり前になっています。データでは、Twitterに登録している高校生の3人に2人(62.7%)、大学生でも2人に1人(50.4%)が複数のアカウントを持っている、という結果になりました。
最も利用が活発な女子高生で見ると、4人に3人(72.8%)、個数にすると平均でなんと3.4個でした。

ネット上では、本アカ、サブアカ、捨てアカなんて言葉がありますが、「本アカ」は実際の自分としてメーンのアカウント、サブアカや捨てアカは、趣味のためのアカウントとか、ちょっと様子を探るためのアカウントだったり。こんな使い方が普通に行われていますが、数字にしてみるとなんともリアルです。

実際、このあたりは若者との会話の中でのリアルなエピソードがたくさんあります。
「私、アカウント8個持ってます!」とか、「趣味用のアカウントがあってそっちでは気兼ねなく好きなことつぶやいてます」とか、「会ったばかりの友達にいきなり本アカ教えるのはちょっと…」とか、「思いっきり愚痴を吐きたい用のアカウントがあって、それは誰もフォローしてないし、されてないんです」とか。最後のエピソードなんて王様の耳はロバの耳ですが、相手のタイムラインを「埋めると悪い」ので、アップしたい写真はコラージュして1枚にまとめる、なんて発言もあったりして、SNSを通じたつながりの中でも、まわりとうまくやっていく意識が強いのです。

 

せっかちな男子高校生、見たら即レスが当たり前

最後に、一つSNSの使い方での小ネタを。
LINEには送ったメッセージが読まれたかどうかわかる「既読機能」がありますが、「LINEが既読になるのが遅いと感じる時間」なんてことを聞いてみました。
高校生、大学生、20代社会人ともに、だいたい2〜3時間以内には見てほしいなぁ、と思っているようですが、明らかに特徴が出たのが高校生の男女の差。
男子の方が「早くLINE見て」と思っていることが分かります。男子はなんともせっかちです。

さらに「LINEが既読になってから返事が来るまでに遅いと感じる時間」というのも聞いてみましたが、こちらで特徴的なのは、高校生と大学生と20代社会人の世代の差。
グラフにして見ると、明らかに高校生は相手に「即レス」を求めています。時間に対する意識も世代によって違うという、ちょっとしたご紹介でした。

今回は若者のコミュニケーションを軸に、キャラやSNSを「複数使い分ける」若者像をご紹介しました。ここでお伝えしたかったのは、「キャラとか言ってないでもっと自分を持つべし!」といったことではなく、彼らのリアルに触れた上で、理解するための一助になれば、という思いです。
「最近の若者は…」などという語りに流されるのではなく、まず若者のリアルに目を向け、耳を傾けるきっかけになれば幸いです。

あなたのまわりの若者はどんな若者ですか?

 

<調査概要> 
「若者まるわかり調査2015」の概要
・調査手法  :インターネット調査
・対象エリア :関東1都6県、関西2府4県、東海3県
・調査対象  :高校生以上の未婚15~29歳男女
        ※対象エリアの性・年代別人口構成比率および未婚率に基づいた割付を実施
・サンプル数 :3,000サンプル
・調査時期  :2015年2月6日(金)~2月9日(月)
・調査実施機関:株式会社電通マクロミルインサイト

 

【ワカモンプロフィール】
電通若者研究部(通称:ワカモン)は、高校生・大学生を中心にした若者のリアルな実態・マインドと 向き合い、彼らの“今”から、半歩先の未来を明るく活性化するヒントを探るプランニングチームです。彼らのインサイトからこれからの未来を予見し、若者と社会がよりよい関係を築けるような新ビジネスを実現しています。現在プロジェクトメンバーは、東京本社・関西支社・中部支社に計16名所属しています。ワカモンFacebookページでも情報発信中(https://www.facebook.com/wakamon.dentsu)。

 

プロフィール

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    小木 真
    株式会社ビデオリサーチ マーケティング事業推進局 企画開発部 リサーチ・プランナー

    2013年から2015年9月、電通へ出向。「若者研究部(電通ワカモン)」で、各種リサーチや学生とのフィールドワークなどを通じた若者の生活実態研究、インサイト探索、ナレッジ開発を推進。それらを元にしたプランニングやコンサルティング支援を行う。食を通じて生活者インサイトを研究・発信する電通総研「食生活ラボ」のメンバーとしても活動。共書に「若者離れ」(エムディエヌコーポレーション・2016年)

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