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Experience Driven ShowcaseNo.24

au “Hello, New World.”

あたらしい自由は手のひらのなかにある。

2015/09/28

8月28~30日の3日間、六本木の東京ミッドタウンで、世界の絶景を飛び回る約10分間の360度バーチャルトリップを体験できるKDDIのスペシャルイベント「Hello, New World. warp cube」が開催されました。電通イベント&スペース・デザイン局で、このイベントを担当した後藤玲子氏がリポートします。

編集構成:金原亜紀 電通イベント&スペース・デザイン局

 

 

ココロを動かす体験価値

「エクスペリエンス」がマーケティングの強力な手法として定着しつつある時代、どういう体験が人のココロを動かすのか、考える機会も多くなっています。

今回ご紹介するauの新しいブランドキャンペーン“Hello, New World.”は、これまで経験したことのないような新しい体験を提供することで、ブランドの価値観を強力に伝えていくことを目指しました。

中でも、「あたらしい自由。」というスローガンを標榜するauのブランドそのものをダイレクトに体験できる、象徴的な体験装置として企画されたのが、東京ミッドタウンで行われた“Hello, New World. warp cube”です。

 

世界の絶景へワープする新体験空間

1辺6メートルを超える巨大なキューブの内部は、床も壁も天井も全て高精細のLEDで囲まれており、その中でスマホを操作することで映像がインタラクティブに変化し、これまで見たこともないような世界の絶景の中を飛び回ることができます。

 

富士山を越えジャングルを横断し、海に潜って花火の中を飛び、ピンクのヒリアー湖を空から眺める、約10分間のバーチャルトリップ。参加したお客さまがみんなで息を合わせてスマホを振り上げると、次の絶景へとどんどんワープしていきます。途中、映像の中に出てくる海の向こうの女性から、手元のスマホに電話が掛かってきたりする演出も。

夏休み最後の週末、予想外の秋雨が続く中、家族連れなど多くの方にご来場いただき、整理券は連日全て満枠御礼となりました。お客さまからは「すごい!ホントに空を飛んでいるみたい」とか、「旅に出たくなった」「スマホでこんなことできるんだ!」という、うれしいご感想もたくさん頂きました。

 

経験したことのない新しい体験をつくる楽しさと難しさ

今回の360度映像は、このwarp cubeのために世界各地の世界遺産などの場所で、ドローンを使って撮り下ろしています。ドローンに数台の360度カメラを取り付けて撮影したものを、日本で最先端の特殊な編集技術を使って、それこそ気が遠くなるような時間をかけて補正や加工、編集を行いました。

その上さらに、その360度映像を、スマホのアプリで動かせるようにしないといけません。床から足が離れるような独特の浮遊感が加わったとき、人間の知覚がどのように感じ、どのように共感したり拒絶したりするのか、手探りでしか進めない課題もたくさんありました。

やってみて初めて分かったこともあれば、頭で思い描いていたのとは正反対だった発見もありました。今回のプロジェクトでそれら全てがクリアできたわけではありませんでしたが、次の機会があれば、きっともっと先まで行けると確信しています。

 

テクノロジーがココロを動かすのではなく、

それが広げる新しい体験こそがココロを動かす。

現在エクスペリエンス・テクノロジー部に所属する私は、普段から先端テクノロジーの情報収集にも気を配っていますが、最近よく思うのは、結局テクノロジーの情報だけを追いかけてもダメだということ。

テクノロジーは限界を打破し、人間の可能性を広げることができますが、それは使えなければ、使いこなせなければ、何の価値もありません。
今回ご紹介いたしました“warp cube”プロジェクトにもたくさんのテクノロジーが使われていますが、その一つ一つの技術はそれほど目新しいものばかりではありません。

大事なのは、結局そのテクノロジーをどう使うか、というアイデアなんだと思います。それらの技術の新しい使い方とか、組み合わせとか…こうしたアイデアによって生み出される新しい体験こそが、人のココロを動かす。

私にとって今回のプロジェクトは、そんな当たり前のことに立ち戻ることのできたプロジェクトだったとも思います。

「あたらしい自由。」は、もう今ここにあるのかもしれません。