Dentsu Design Talk #03

角田陽一郎×中村洋基×朴正義×澤本嘉光
「明日のテレビをつくる」会議!(前編)

  • Kakuta
    角田 陽一郎
    株式会社TBSテレビ TBSテレビ プロデューサー/ディレクター/映画監督
  • Hiroki
    中村 洋基
    PARTY クリエーティブディレクター/ファウンダー
  • Boku
    朴 正義
    株式会社バスキュール 代表取締役/クリエーティブディレクター
  • Sawamoto2015 3884 pr
    澤本 嘉光
    株式会社電通 CDC エグゼクティブ・クリエーティブ・ディレクター/CMプランナー

Dentsu Design Talk 第96回(2013年3月5日実施)は、「『明日のテレビをつくる』会議!」と題して、視聴者参加型のインタラクティブなテレビ番組の制作についてトークが繰り広げられた。登壇したメンバーは、TBSテレビの角田陽一郎氏、デジタル技術を活用したクリエーティブを得意とするPARTYの中村洋基氏、インタラクティブ番組を実現する表現開発を牽引するバスキュール社長の朴正義氏、CMプランナー・クリエーティブディレクターの澤本嘉光氏(電通コミュニケーション・デザイン・センター)の4人。 

(企画プロデュース:電通人事局・金原亜紀   記事編集:菅付事務所    構成協力:小林英治)

 

                                        

まずは、角田、中村、朴の3氏が関わって制作したTBSの生放送インタラクティブ番組『MAKE TV』(2012年3月6日深夜放送)の映像を交え紹介。アメリカのポップデュオKerminのデビュー曲「クラッシュ・ユア・パーティー」のミュージックビデオを番組内で制作する企画で、視聴者はスマートフォンやタブレットの専用アプリを通じてリアルタイムで制作に参加できる。収録では巨大倉庫のセット内をKerminの2人が移動していき、各所でテレビ画面に「PUSH」の文字が表示されると視聴者はアプリのスイッチを連打。その数が一定以上になると、セットの「CRASH」ギミックが作動し、パーティーのセットを次々と破壊していくというもの。総プッシュ数は700万回以上を記録。TwitterやFacebookと連動することもでき、プッシュした際に参加者のアカウント名が画面に流れた。

 

中村氏は企画意図について、「スマートフォンやタブレットのマルチスクリーンの世界観とテレビを合成した、未来の姿のデモンストレーションでありプロトタイプの感覚でつくった」と述べた。それに対して角田氏は、テレビ局側の視点から、「『PUSH』の表示をテレビ画面のセンターに表示していいのか、画面の左上にスタジオ内のタレントを映したワイプを入れるかどうかが(局内で)相当議論になった」ことを明かし、さらに「参加していない人はテレビを見るのか、面白がってくれるのか?」という点が今後インタラクティブ番組を制作する上での一つのポイントになると指摘した。

 

続いて朴氏が、同じくTBSの視聴者参加型討論生番組『大炎上生テレビ』(2012年9月28日深夜放送)を紹介。視聴者は番組内でパネリストが主張する意見にアプリからYESかNOのボタンで投票し、投票結果がリアルタイムで画面に反映され、アカウントと連動したTwitterのつぶやきも表示される。『MAKE TV』と異なるのはアプリの画面もリアルタイムで変化する点。「スマートフォンの画面が完全に番組の進行とシンクロしているという点で、最初のチャレンジとなった番組だった」という。「テレビとスマホ」連動番組の今後の流れについて中村氏は「テレビが変わらないと駄目だという危機感を持っている人が、テレビ現場の若い人を中心に出始めている」と感じているという。

 

一方で角田氏は、テレビ番組が主に視聴率に左右されるスポンサー収入だけで賄われていることへの疑問からデジタルやイベントに関心を持ち始めたという。「最初にコンテンツとしてライブイベントの興行収入を得て、それをテレビでも楽しむという構造にすれば両方から収益がある。そして、さらに放送中も視聴者がスマホなどで参加できる演出を組み込むことで、そのようなメディアへの参加者の敷居をグッと下げられるのではないかというのが今の考え」だと述べる。

 

では、「テレビとスマホ」連動のスタイルは過渡期のものなのか、さらにその先にある「明日のテレビ」はどういう形になるのだろうか?

【後半に続く】 ※Dentsu Design Talk は毎週金曜日に更新予定です。

プロフィール

  • Kakuta
    角田 陽一郎
    株式会社TBSテレビ TBSテレビ プロデューサー/ディレクター/映画監督

    1994年TBSテレビ入社以来、主にバラエティ番組の企画制作を手がける。現在は、いとうせいこう/ユースケ・サンタマリアMCの深夜トーク番組「オトナの!」プロデューサー。今年10月には初映画監督作品「げんげ」公開。
    過去の主な番組 「さんまのスーパーからくりTV」「中居正広の金曜日のスマたちへ」「EXILE魂」深夜ミニドラマ「永沢君」

  • Hiroki
    中村 洋基
    PARTY クリエーティブディレクター/ファウンダー

    電通に入社後、初期はバナー広告で大量の作品をつくっていたが、その後、インタラクティブキャンペーンを主として手掛けるテクニカルディレクターとして活躍。
    2011年、4人のメンバーとともにPARTYを設立。
    人と人とのコミュニケーションに「遊びのルール・しくみ」をひとつ足すことで、単なる日常がエンターテインメントに変わる、という手法に興味を持つ。エンジニア出身であることから、プログラミングやデータが持つ面白さと、SNSなどのコミュニケーションを利用したアイデアを組み合わせてつくる、新しいエンターテインメントを模索している。国内外250以上の広告賞の受賞歴があり、審査員歴も多数。TOKYO FMのラジオ「澤本・権八のすぐに終わりますから。」毎週ゲストパーソナリティー。

  • Boku
    朴 正義
    株式会社バスキュール 代表取締役/クリエーティブディレクター

    株式会社HAROiD チーフクリエーティブオフィサー。
    2000 年にバスキュールを設立後、15 年にわたりトヨタ、コカ・コーラ、ユニリーバ、ソニー、パナソニック、ポケモン、JRAなど、 数多くの企業やブランドのデジタルプロモーションの企画ディレクションを担当。これまでに担当した100以上のプロジェクトで、カンヌ、クリオ、One Show、ADC、Adfest、文化庁メディア芸術祭など、国内外のクリエーティブ賞を受賞。
    ここ数年は、テレビ×ネットという領域で多くのチャレンジを行うとともに、既存の枠を飛び越える次世代クリエーターの育成活動であるBAPAに注力している。

  • Sawamoto2015 3884 pr
    澤本 嘉光
    株式会社電通 CDC エグゼクティブ・クリエーティブ・ディレクター/CMプランナー

    1966年、長崎市生まれ。1990年、東京大学文学部国文科卒業、電通に入社。ソフトバンクモバイル「ホワイト家族」、東京ガス「ガス・パッ・ チョ!」、中央酪農会議「牛乳に相談だ。」、読売新聞など、次々と話題のテレビCMを制作している。著書に小説「おとうさんは同級生」、小説「犬と私の 10の約束」(ペンネーム=サイトウアカリ。映画脚本も担当。)映画「ジャッジ!」の原作脚本。クリエイター・オブ・ ザ・イヤー(2000年、06年、08年)、カンヌ国際広告祭銀賞・銅賞、ADFEST(アジア太平洋広告祭)グランプリ、クリオ賞金賞・銀賞、TCC賞 グランプリ、ACCグランプリなど受賞多数。

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