サンシャイン60展望台フルリニューアル #02

眺望体験を拡張する「スカイサーカス」のつくり方、公開。

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    寺本 誠
    株式会社電通 第4CRプランニング局 クリエーティブ・ディレクター

構想から3年の時を経てフルリニューアルオープンした「SKY CIRCUS サンシャイン60展望台」は、どのようにつくり出されたのか。前編に引き続き、電通 第4CRプランニング局の寺本誠氏がお伝えします。


眺望体験を拡張する「スカイサーカス」

「見るだけの展望台」から「体感する展望台」へ。スカイサーカスが目指したのは「眺望体験の拡張」です。展望台は窓から見るだけではなく、そこから想像することや派生すること、さらには空全体も含めた楽しみ方がある、と私たちは考えました。そうなると感じ方も、もっといろいろ広がるはずです。
つまり、五感で感じる体験のデザイン。例えば、感動するときに、実は私たちは無意識のうちに五感を働かせています。例を挙げると、花火。私たちは大輪の花火を目だけでは感じていません。見ると同時に、耳と腹で響きを聞いています。そして少し熱せられた空気も、そっと浴衣姿の彼女の手を握る温かさも含めて感動が生まれます。

私たちコンソーシアムがデザインしたのは「五感で楽しむ眺望体験」。そのためのテクノロジー開発と世界観のアートディレクションでした。

sky circus

 

眺望を五感で楽しむテクノロジー開発

「空を飛びながら眺望を楽しめたら、どんなことが体感できるだろう?」。スリル、サプライズ、爽快感、今まで眺望を見ながら想像で終わっていたことも、VR(バーチャルリアリティー)を使えば体感できます。

サンシャイン60展望台の窓から、サーカスの人間大砲のように発射されて、未来の東京を巡るバーチャルツアー「TOKYO弾丸フライト」、池袋の空を4人のプレイヤーがそれぞれ異なるコースでジャズのビートに乗って、ブランコ型コースターで空中セッションする「スウィングコースター」などVRを使ったアトラクションを開発しました。中でもVR映像と油圧制御で動く大砲、そして風が完全連動で動くTOKYO弾丸フライトはおかげさまで非常に人気で、オープン以来ほぼフル回転です。

今年はVR元年と呼ばれていることもあり、VRを使ったアトラクションはいくつか出ていますが、私たちは単なるアトラクションではなく、スカイサーカスという新しい展望台の新しい眺望の楽しみ方として、これを開発したつもりです。

sky circus
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その隣にあるのは、まるでX-MENのストームやピカチュウのように雲や稲妻、風を操る体験が味わえる「スカイパーティ」。これは人の動きをセンサーで感知して、その人の頭や体の周りに雲や嵐を発生させる仕組みです。自分一人で楽しむのではなく、一緒に来た仲間や、親子同士、友人と一緒に体を動かして遊んで思い出を残す、インタラクティブ3D AR(拡張現実)の装置です。

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さらには、雲を飛び越えて日本の空を飛び回るような体験ができる「スカイトランポリン」(数人で一緒にジャンプすると盛り上がります)、そして、美しい万華鏡の世界を歩く幻想的な体験ができる「無限スケープ」(いくつか違う世界が用意されていますが、どれも美しいです。そして、どこかに迫力の4K映像と立体音響によるダイナミックな演出も用意されています)。

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なお、全てのエリアではそれぞれの場所のイメージに合わせたサウンドデザインがなされています。

 

大学との共同開発

幅広いネットワークを持つ乃村工藝社が手がけられた、先進的なテクノロジーや実績を持つ大学とのコラボレーションも人気です。特に女子美術大のヤマザキミノリ研究室とのコラボによる「カレイドスコープ60」(小さく美しい世界が広がる多様な万華鏡が壁一面に埋め込まれています)や、大阪大学との「アソブレラNEXT」、明治大学との「ワンダーミラー」などサプライズと楽しさに満ちたインタラクティブな眺望体験が生まれました。

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トータル・アートディレクション

この「スカイサーカス」の世界を感じてもらうこと、そして思い出として持ち帰ってもらうために造形、お土産グッズ、スタッフユニホーム、SNSへの拡散、そしてグラフィックなど全てのビジュアルでアートディレクションを行っています。

ユニホームはロゴをまとうようなさわやかなデザインでお客さまをおもてなし。そしてお土産は思い出の品であると同時に、お客さまが友人や家族にスカイサーカスの魅力を伝える「広告」だと思います。ちなみに一番人気はエアラインでも出されるレーマンのチョコレートを使ったアソートセットです。

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何度でも来たくなる場所へ

展望台は常設です。来るたびに発見があること、昼と夜と訪れる時間帯によって演出が変わること、季節ごとの変化、そして人によって異なる体験が得られるなど何度でも来たくなる演出が用意されています。

実はここでお話ししたことは、スカイサーカスのごく一部です。それぞれのコンテンツは、お客さまが展望台で眺望と共に体感することで完成します。

そして、このスカイサーカス サンシャイン60展望台は池袋という街の中心地でありランドマークでもあります。このリニューアルは新しい展望台のビジネスモデルをつくるものであると同時に、池袋の活性化にもつながると考えています。

もしお時間あれば、スカイサーカス サンシャイン60展望台にお越しください。お待ちしております。

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スカイサーカス サンシャイン60展望台 公式サイト http://www.skycircus.jp/

 

プロフィール

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    寺本 誠
    株式会社電通 第4CRプランニング局 クリエーティブ・ディレクター

    1964年西宮市生まれ。筑波大大学院 芸術研究科卒。電通に入社後、1993年にクリエーティブ局に転局、1998年からインタラクティブ・クリエーティブ領域にプランナーとして関わる。2006年よりクリエーティブ・ディレクターとして、インタラクティブを中心とした企画や統合キャンペーン、CI・VI開発、クライアントと共に事業開発を行っている。自動車、精密機器、放送、エンターテインメント、スポーツなど、担当は多彩。
    IBA、カンヌライオンズ、ONE SHOW、アドフェスト、文化庁メディア芸術祭など受賞。最近は「島」に注目している。

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