インサイトメモ #26

スマホ・タブレット時代の到来とテレビの「ながら視聴」のゆくえ

  • メディアイノベーション・ラボ
    株式会社電通

〈 掲載日:2013.02.21 〉

■ スマートフォンでテレビの「ながら視聴」が拡大

近年、家庭内でのインターネット利用が日常化しました。特に最近は持ち運びに優れ、ネットの利用にも適したスマートフォンやタブレット端末が普及しています。その結果、家の中で場所を選ばず気軽にインターネットを利用できるようになりつつあります。

特に、家庭のメインテレビが設置されたリビング(居間)でテレビを見ながらスマートフォンやタブレット端末でインターネットを利用する、新しい「ながら視聴」の広がりに注目が集まるようになりました。

そこで、電通総研では2012年9月7日(金曜日)の夜を選び、実際にテレビを見ながらインターネットを利用する人がどの程度いるのか、そしてそうした人はどの端末で利用しているのかを調査しました。以下では調査結果をご紹介します。

まず、調査対象者の年齢の上限を49歳までとしたことや、インターネットを用いたアンケート調査だったことも手伝い、ある時間帯にテレビを見ていた人のうち2割程度が、同じ時間帯にインターネットを利用しています(グラフの折れ線)。

テレビ視聴とネット利用の同時行動

(2012年9月7日 21:00~23:00の平均)

■ ながら視聴時のネット利用機器は?

そこで、次のグラフでテレビ視聴しながらインターネットを利用していた人(上)と、テレビを視聴せずにインターネットを 利用していた人(下)を比べてみましょう。ながら視聴していた人では、ノートPC・スマートフォンや、スマートフォンではない携帯電話の利用率が多く、そ れぞれ単純平均で53%、16%、6%でした。とりわけ、普及して年月の浅いスマートフォン利用の台頭は顕著です。逆にデスクトップPCの利用率は平均 30%で、大幅に少なくなっています。持ち運びやすいネット接続機器とテレビ視聴との相性が勝っていることがうかがえます。

インターネット利用時の利用機器

(2012年9月7日 21:00~23:00の平均)

■ ネット接続端末の保有率にも差

興味深いことに、日ごろからテレビを視聴しながらインターネットを利用すると回答した人のあいだでは、利用率が高かったノートPC・スマートフォンや、タブレット端末の保有率そのものが高く、デスクトップPCの保有率が低いということも分かりました。

普段のテレビのネットとの
"ながら視聴"の有無と機器保有率の関係

■ タマゴとニワトリの関係

このように、テレビとネットのあいだのながら行動の広がりの背景には、

 

(1)

一方では
テレビを見ながらでも気軽にインターネットを楽しみたいので持ち運びに優れたスマートフォンやタブレット端末の保有者率が高まる側面があり、

 

(2)

他方では
そうした機器を保有した結果と してテレビとネットを同時に利用する行動傾向が強まる側面の両面がありそうです。

つまり、「タマゴとニワトリ」のような循環的な関係があるといえるかもしれません。

現在、テレビを見ながら番組やCMの関係情報をネット画面で見られる「セカンドスクリーンサービス」や、テレビを見ながらインターネットのソーシャルメディアで感想を共有する「ソーシャルTV」という現象が注目されています。

今後、スマートフォンやタブレット端末などの普及や高機能化とともに、テレビの楽しみ方が進化を遂げる可能性をたくさん秘めているといえそうです。

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    電通総研メディアイノベーション研究部では、メディアや情報通信環境の変化を着実に捉え、進化し続けるオーディエンス(視聴者)の動向を探っていきます。
    世の中のキザシをいち早く発見し、オーディエンスとの「最適なコミュニケーション」を提案しています。

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