インサイトメモ #28

アラサーとネットの親和性から見る

情報メディア接触のゆくえ

  • メディアイノベーション・ラボ
    株式会社電通

〈 掲載日:2013.05.07 〉

■ なぜ、アラサーなのか?

「アラサー」という言葉は、現在では誰もが一度は、聞いたことや使った事がある様に、世間ではすっかり定着しています。と言うのも、「アラサー」という言葉が使われ出したのは2006年当初と言われていて、現在では既に7年が経過しているためです。

そこで、電通総研ではあらためて、現在の「アラサー女性」の情報メディア接触の実態を探る為に、調査を実施いたしました。

以下では、調査から見えてきた事をご紹介いたします。

■ アラサーのライフスタイルを読み解く

今回の調査で、アラサー層の実像を読み解く為に、いくつかライフスタイルについて質問してみたところ、他の年代層と比べて、アラサーに特徴的な部分が色々見えてきました。

まず、「在宅起床自由時間」。アラサー層の「在宅起床自由時間」は他の年代層と比べてもっとも短く、204分(約3時間20分)という結果で、アラサーが忙しい日常生活を送っている事が見えてきました。(グラフ(1))

また、「一ヵ月に自由に使えるお小遣い(生活に要する費用は除く)」については、2万4116円で、こちらは他の年代層と比べて最も高く、アラサーが金銭的にゆとりのある生活を送れている事が伺えます。(グラフ(2))

さらに、金銭的にゆとりのある生活を送れているアラサーの支出傾向について、例えば、「一ヵ月の外食費の割合」(グラフ(3))や、「一ヵ月のネット ショッピングにかける割合」(グラフ(4))を見ると、月約1万円未満の利用がほとんどであり、一ヵ月に自由に使えるお小遣いが多い割には、散財の傾向は 無い事が見えてきました。

【 グラフ・1 】
在宅起床自由時間

(家に居る時間のうち、睡眠・食事・入浴などの
生活に必要な時間を除いて自由に使える時間)

【 グラフ・2 】
一ヶ月に自由に使えるお小遣い

(生活に要する費用は除く)

【 グラフ・3 】
各年代層、一ヶ月の外食費の割合

 

【 グラフ・4 】
各年代層、一ヶ月の ネットショッピング
にかける金額のレンジごとの該当者割合

 

■ アラサーは地に足の着いたイノベーター

以上の様に、散財の傾向もなく、どちらかというと手堅い消費スタイルが見てとれるアラサーですが、「では、彼女たちは、全ての面で手堅く、保守的なのか?」という視点で見てみますと、別の興味深い点が見えてきました。

まず、「新しい物や流行っている物など、人が注目するものに興味がある」という流行感度項目については、約6割(TOP2BOX)が「あてはまる」と回答しており、他の年代層よりも高い結果でした。(グラフ(5))

また、実際にブームとなった「まつげエクステ」や「ネイルサロンでのネイルケア」について、「世の中で話題になる前から取り入れた」という人の割合が、他 の年代層より高い傾向というデータもあり、アラサーは、実は「地に足の着いたイノベーター層」であるという事が浮かび上がってきました。

【 グラフ・5 】
新しい物や流行っている物など、
人が注目するものに興味がある

 

■ アラサーはメディア接触でも地に足の着いたイノベーター

続いて、アラサーのメディアに対する意識についてですが、「世の中のできごとや動きについて信頼出来る情報を得る為に最 も利用しているメディア」(1つのメディアだけ選択可)を聞いたところ、アラサー層では約6割が「テレビ」と回答。続いて、24%が「ネット」、 11.5%が「新聞」でした。そして、他の年代層と比べてアラサーで特徴的なのは、「ネット」を選んだ人の割合が高い傾向にあるということでした。

さらに、アラサーは実際にどんな情報を、どのような方法で入手しているかを見てみますと、「『ニュース』に関する情報を 最もよく得る情報源」(1つだけ選択可)としては、「テレビ」64%「携帯電話・スマホの情報サイト」25%、「パソコンのウェブサイト」7.5%で、 「『天気予報』に関する情報を最もよく得る情報源」(同は「テレビ」54.5%、「携帯電話・スマホの情報サイト」36.5%、「パソコンのウェブサイ ト」6.5%でした。やはり、傾向としては他の年代層と比べて、ネット系が高い傾向でした。

高い関与が判明したネットですが、その利用に関しては、「ネット経由で『COOKPAD』などのレシピサイトを利用しながら料理をする」(グラフ(6))や、「外食しようとする際、レストランなどの口コミ評判サイトを見ることがある」(グラフ(7))に見る通り、アラサー では該当者が約7割という結果であり、他の年代総と比べて高い割合で回答しています。アラサーは日常生活の中でネット情報をうまく活用しており、ネットに 対する親和性が高く、メディア接触スタイルでもイノベーター層であることが見えてきました。

【 グラフ・6 】
パソコン、スマホ、タブレットなどのネット経由で
「COOKPAD(クックパッド)」などの
レシピサイトを利用しながら、料理を作ることがある

 

【 グラフ・7 】
外食しようとする際、レストランなどの
口コミ評判サイト
(「ぐるなび」「食べログ」など)を見ることがある

 

■ アラサーから見る情報メディア接触スタイルの進化

以上、アラサ―はネットに対する親和性が高く、メディア接触スタイルのイノベータ―であるという事を説明しましたが、その背景には現アラサ―層の生活事情や、成長期におけるネット環境が影響しているものと考えられます。

現在のアラサ―は日々の忙しい生活の中で、「ネット」をうまく活用して生きていかざるをえないという点があります。また、ソーシャルメディアの先駆けであ るmixi全盛期に学生時代を過ごし、それによって自分なりにネットを活用するスキルを身に付けたという事もあります。こういったことが、アラサーのネッ トへの高い親和性の背景となっているのではないでしょうか?

今回の調査からは、アラサ―層が、特に顕著に「ネット」を活用し、日常生活を効率的に過ごす情報メディア接触イノベータ―層であることが見えてきま した。今後も益々、人々のライフスタイルや価値観の多様化が進み、それに応える機能やサービスが開発されていくと考えられるので、これまで当たり前であっ た事も徐々に変化していき、その結果、新しい情報メディア接触のスタイルを持つ様々なイノベータ―が出現してくることでしょう。

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    電通総研メディアイノベーション研究部では、メディアや情報通信環境の変化を着実に捉え、進化し続けるオーディエンス(視聴者)の動向を探っていきます。
    世の中のキザシをいち早く発見し、オーディエンスとの「最適なコミュニケーション」を提案しています。

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