シンブン!今だからできること。今しかできないこと。 #07

「N・E・W・S」新聞広告でバズを起こす

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    有賀 勝
    株式会社電通 新聞局 ビジネス開発部長

一昨年の年末、ニューヨーク・タイムズ紙東京支局の電話が一時期つながらなくなるという「事件」が起きた。チャン・グンソクのファンクラブが、デビュー20周年のプレゼントとして、同紙の海外版であるインターナショナル・ヘラルド・トリビューン紙に全面広告を載せたことがネット上で話題となり、バックナンバーを求める電話が殺到したのだ。同じタレントの等身大広告が朝日新聞に掲載された時も、ネット上で話題が沸騰し、同紙に4万件を超える問い合わせがあった。

 

新聞広告発のバズが起きるのは、芸能人だけではない。毎日新聞がビッグコミックと組んで実施したゴルゴ13の広告企画は、同紙主筆が書き下ろし漫画の中に登場するといった展開の斬新さもあり、リツイートも含めると、口コミは180万件に達した。ゴルゴ13の知名度の高さ、ファン層の幅の広さにもよるだろうが、新聞という、ややもすると「お堅い」と思われがちなメディア上で、周囲と違和感なく同化して展開された企画の意外性と面白さが、大きなインパクトを生み出したともいえよう。

毎日新聞に掲載されたゴルゴ13広告企画
 毎日新聞 2012年11月7日夕刊・8日朝刊
(アドスタディーズより転載)

 

日本アドバタイザーズ協会が実施したアンケートによると、広告主が新聞媒体に期待する効果として「他メディアに出稿するより広告の信頼性が高まる」が群を抜いて高い。新聞の信頼性は昔から言われているが、ソーシャル時代となり、情報源としての新聞の価値が改めて注目されている。「新聞に載った」こと自体にニュースバリューがあり、人々が周りに伝えたくなる要素を包含しているのだ。

 

ネット上で話題となった新聞広告を分析すると、4つのキーワードが浮かんでくる。

 
N (Notification)

事前に情報を流したり、他メディアへの露出を図るなど期待感を高める工夫があると、バズが増幅される。
E (Entertainment)

芸能人やキャラクターなど、もともと人々が興味を持つコンテンツは広がりやすい。
W (Wonder)

インパクトのある表現や意外性など、驚きを与える仕掛けは有効である。
S (Sympathy)

人に伝えたくなるような要素を持たせることで、自走的にバズが広がる。

 

キーワードの頭文字をとると「N・E・W・S」。SNSと新聞は相性が良いといわれる。読売新聞の調査でも、「ソーシャルメディアに発信する際、信頼できる情報源」として新聞を挙げる人が約6割と、トップであった。新聞広告がテレビで話題として取り上げられ、電波媒体に乗って一気に拡散させる方法論は以前からあったが、SNSと新聞の関係性をマーケティングに生かす試みは、まだ緒に就いたばかりである。バズメディアとしての新聞広告の新たな可能性に注目したい。

(了)

プロフィール

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    新聞メディアにとって、今は大きな変革の時です。そんな今だからこそ、新聞広告は様々なチャレンジが可能となり、広告クリエーティブの幅もグンと拡がっています。このコラムでは、電通新聞局員が、新聞メディアの「今だからできること。今しかできないこと。」をテーマに連載していきます。みなさんに「今、新聞広告が面白い!」と思って頂けるような、新聞広告の最前線をお届けします!

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    有賀 勝
    株式会社電通 新聞局 ビジネス開発部長

    神奈川県生まれ。1985年早稲田大学政治経済学部卒業。同年電通入社。92年米国ノースウエスタン大学大学院修了。現在、新聞局ビジネス開発部長。主な著書に『未来志向のマーケティング戦略』(ダイヤモンド社、共著)、訳書に『広告革命』(電通)、『ブランド価値を高める統合型マーケティング戦略』(ダイヤモンド社)、論文に『東日本大震災後の意識変化と新聞・新聞広告の価値の再評価』(日経広告研究所報、共著)、『新聞・新聞広告に対する意識と新聞広告への反応に関する研究』(日経広告研究所報、共著)など。

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