電通、電通総研内に「アクティブラーニング こんなのどうだろう研究所」を設置
― 次世代人材育成のための方法論を体系化し、全国の教育機関をサポート ―
2015/10/15
電通は、学校教育におけるアクティブラーニングの本格的導入を控え、電通総研内に「アクティブラーニング こんなのどうだろう研究所」(URL:http://dii.dentsu.jp/activelearning/)を10月15日付で立ち上げた。次世代人材育成のための方法論を体系化し、全国の教育機関のサポートはもちろん、社会課題の解決やビジネスソリューション化を推進していく。
アクティブラーニングとは、従来の教員による一方的な講義形式の教育とは異なり、生徒自らが課題を発見し、考え、時に話し合うことで、納得のいく答えや解決方法を導き出す能動的な学習方法である。中央教育審議会は、2012年8月28日の「新たな未来を築くための大学教育の質的転換に向けて~生涯学び続け、主体的に考える力を育成する大学へ~」と題した答申で、学校教育へのアクティブラーニングの導入を打ち出した。先の見えない時代に未来を切り開いていける次世代人材を育成するためには、社会に出てからも通用する汎用的な能力を身に付けることのできるこの教育・学習法の導入が急務であると記されている。
こうした中、同社は、コミュニケーション領域でのプランニングメソッドや社内クリエーティブスタッフ養成研修、「広告小学校」などの社会貢献活動で培ってきたノウハウを活用し、アクティブラーニングに応用できる方法論を体系化た。今後同社はNPO法人元気プログラム作成委員会と連携し、この方法論を全国の教育機関が実践するアクティブラーニングの際の効果的なアプローチとして提供するとともに、官公庁・自治体や実業界にもフィードバックし、社会課題の解決や企業活動にも役立てていくことを目指す。2016年度には、教育専門大学との連携、ならびに小中高3校の研究校において研究授業を推進していく予定。
「アクティブラーニング こんなのどうだろう研究所」が提供する主な活動は次のとおり。
■「アクティブラーニング こんなのどうだろう研究所」の主な活動
<教育機関向け>
・アクティブラーニングの方法論の体系化・教材化
・アクティブラーニングの実践課題の提供、ワークショップの実施
・教育機関向けのコンサルテーション
<企業・官公庁・自治体向け>
・企業シーズを応用したアクティブラーニング教材の開発支援
・新規事業や新しい商品開発に向けた発想支援
・クリエーティブ人材育成のための社員研修
・アクティブラーニングの活用による社会課題の解決
・アクティブラーニングを起点とした地域活性支援
■「アクティブラーニング こんなのどうだろう研究所」の概要
・設立: 2015年10月15日
・住所: 東京都港区東新橋1-8-1 株式会社電通 電通総研内
・所長: 倉成 英俊(電通総研クリエーティブディレクター)
・スタッフ数:6名
・提携: NPO法人元気プログラム作成委員会
東京学芸大学実践総合センター・教職大学院教授 小林 正幸氏
元東京学芸大学教職大学院特命教授 大熊 雅士氏
■元東京学芸大学教職大学院特命教授
現NPO法人元気プログラム作成委員会副理事長 大熊 雅士氏のコメント
次期学習指導要領の改定から、本格的にアクティブラーニングが学校教育に導入される。さらに、上級学校や就職したときに学校で学んだことが生かされるように「汎用的な学力を身に付けさせる」ことも求められることになった。
このような授業改革は、これまで何度も示されたてきたが、中学・高校の授業スタイルが大きく変化することはなかった。しかし、今回の教育改革は、その受験の方法にも及ぶため、今度こそ、授業方法を転換せざるを得ない。
私は、「広告小学校」の教材を作成するために、9年間にわたり電通の方々と研究を重ねてきた。その際の電通の会議のやり方は、すでにアクティブラーニングに必要なノウハウが内包されており、それはこれまで経験してきた学校や教育委員会の会議には全く存在しない方法であった。「ただ考えなさい」と言うだけでない考え方のスキルが満ちあふれ、確実に考えを収束する方法があり、さらに、考えを深める手法も存在していた。
この研究を通して、電通がコミュニケーションの創造企業として蓄積してきたノウハウが学校に提供され、実際に活用できるようなることを目指す。これは、子どもたちにとっては多様な困難を乗り越えるスキルとなり得るし、ひいては汎用的な学力になると確信している。
■「アクティブラーニング こんなのどうだろう研究所」のロゴ
電通ニュースリリースhttp://www.dentsu.co.jp/news/release/2015/1015-006268.html