受動喫煙のない社会を目指しトークディスカッション~世界禁煙デー
2016/06/03
厚生労働省は、世界保健機関(WHO)が「世界禁煙デー」として制定する5月31日、東京・千代田区の丸の内オアゾで「世界禁煙デー記念イベント」を開催した。
同省は5月31日から6月 6日までの1週間を「禁煙週間」と定め、たばこの煙による健康被害撲滅のためさまざまな活動を行っており、「2020年、受動喫煙のない社会を目指して ~たばこの煙から子ども達をまもろう~」をテーマに開催された同イベントもそのひとつに当たる。
塩崎恭久厚労相は冒頭、「2020年オリンピック・パラリンピックを控え、年間2000万人以上が日本へ来てくださる中、たばこが国際的にも大きな問題になると思う。5月31日の世界禁煙デーから始まる禁煙週間に、たばこの問題や健康への悪影響について考えていただきたい」とあいさつした。
「いきいき健康大使」を務めるシンガーソングライターの平原綾香さん、パラリンピアンの谷真海(旧姓・佐藤)さん、国立がん研究センター社会と健康研究センター疫学研究部の澤田典絵室長、厚労省健康局健康課の正林督章課長によるトークディスカッションでは、身の回りで起きたたばこにまつわるトラブルや不安に思っていること、受動喫煙の危険性についての意見交換が行われた。
平原さんは「めいが生まれて、受動喫煙について以前より考えるようになりました。煙を直接吸わなくても、たばこを吸っていた部屋に入るだけで害があると聞いてビックリしています。皆さんの協力で意識を高め、これ以上の被害が出ない社会になることを願っています」と禁煙を呼びかけるとともに、「ストレスがたくさんあるとたばこが吸いたくなるでしょうし、吸わないとストレスが発散できず悪循環になってしまう気がする。まずは自分が幸せになって、キラキラ輝いていたら健康的な日本になると思う。私もストレスがなくなる歌など、音楽を通じて発信できるよう精進したい」と、自身の活動目標について語った。
谷さんは「母親になってからは、今まで以上にたばこに関して気にするようになりました。公園に落ちているたばこの吸い殻を子どもが誤飲してしまう可能性があるので怖いと思う」と、一児の母として感じたたばこの危険性についてコメントした。
続いて行われた国立がん研究センターがん対策情報センターがん登録解析室長の片野田 耕太氏の講演では、受動喫煙を原因とする国内の死亡者が年間1万5000人に上ると明かされ、不安な表情を見せる聴講者の姿も見られた。
専用の測定器を用いた肺年齢測定体験や血管年齢測定体験コーナーが設けられたスマート・ライフ・プロジェクトブースには健康チェックを希望する一般来場者が列をつくり、健康年齢について関心が高いことを示していた。