DXからXDへ。医療・ライフサイエンス業界を変える、原点回帰の「治療体験向上エコシステム」とは(前編)
コロナ禍を経て、医療・ライフサイエンス業界におけるDXが急速に推し進められてきました。また、経済産業省が「健康経営」「健康投資」を推奨していることも後押しし、2025年には33兆円規模のマーケットになると予測されています。これは主に公的保険外のサービスを含みます。一方、厚生労働省の予測では、2025年度の国民医療費が約52.3兆円に膨らむとされています。これは主に公的医療保険が適用される範囲を指します。両者は異なる側面を捉えていますが、医療・ライフサイエンス業界全体の成長が期待されています。そのような中で、当該業界では、原点回帰とも言える「ペイシェントセントリック(患者中心のアプローチ)」が求められているといいます。
今回は、医療・ライフサイエンス領域を専門とする電通グループの中核組織・株式会社 dentsu health Japan 水田聖司氏、株式会社電通デジタルでメディカル統合ソリューション「DDMEX(Dentsu Digital Medical Experience Transformation)」を担当する登坂統彦氏、平山愛彩氏にインタビュー。業界の課題や今後の展望について語りました。前後編の2回に分けてお届けします。
DX(Digital Transformation)からXD(Experience Design)へのシフトで「新たな治療体験」の時代が始まる
Q. 皆さんはdentsu Japan(国内電通グループ)で医療やライフサイエンス領域を専門に活動されていますが、それぞれどのような立場で関わられているのでしょうか。

Q. dentsu health Japanは、2024年1月に「電通メディカルコミュニケーションズ」から社名変更しました。このタイミングで体制の刷新が行われた理由について教えてください。

コロナ禍を機にDXが進んだことで浮き彫りになった課題
Q. コロナ禍をきっかけに、DXが大きく進んだと感じています。医療分野におけるDXの現状や、そこから見えてきた課題について教えてください。

Q. 医療業界におけるデジタルリテラシーの格差を埋めるためには、企業の関わりも重要になってくるのでしょうか。
dentsu Japanが提供するワンストップ支援とは
Q. さまざまな課題がある中で、dentsu Japanではどのような体制でサービス展開をしていますか?取り組みの内容について詳しくお聞かせください。

Q. CXを起点にしたワンストップ支援が可能な点が、dentsu Japanの強みであり、競争力を高めることにもつながっているということでしょうか。
医療・ライフサイエンス業界では、DXが進む一方で、デジタルリテラシーの格差や情報の取り扱いに課題があることが分かりました。電通グループでは、医療従事者・企業・患者それぞれの立場から「より良い治療体験」を実現するために、さまざまな取り組みを行っています。後編では、電通グループが提供する具体的なサービスやソリューションについて詳しく聞いていきます。
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著者

水田 聖司
株式会社 dentsu health Japan
2000年株式会社 電通入社。2014年通信企業の新規事業の事業計画・サービス開発からデジタルマーケティング戦略策定などを担当し、その後は各種業界のデジタルマーケティングシフトを支援。2016年製薬企業の営業活動効率化プロジェクトの構想策定からシステム開発・導入・運用サポートまでを担当。2019年より事業開発セクションにて、医療情報提供プラットフォーム開発やヘルスケア領域の事業開発を推進。2025年より株式会社dentsu health Japanの代表を務める。

登坂 統彦
株式会社電通デジタル
2013年より電通グループ。ライフサイエンス企業へCX(顧客体験)起点でのマーケティング戦略およびアクティビティの実行・定着までを支援。株式会社電通デジタル|CX統合ソリューションサービス「DDMEX」ビジネスプロデュース、オムニチャネル・カスタマーエンゲージメントの構築支援、リアルワールドデータ(RWD)を活用した疾患/製品の戦略コンサルティング、CX人財育成・組織開発の支援を中心に活動。

平山 愛彩
株式会社電通デジタル
2014年に組織開発・人材育成コンサルティングの会社に入社。法人向け営業や組織開発業務に携わる。その後、データサイエンスを強みとするマーケティング専門コンサルティング会社でリサーチやマーケティング戦略立案に従事。ヘルスケア/化粧品/食品等のブランド開発支援、営業企画支援。株式会社電通デジタル入社後は、医療・ライフサイエンス業界やIT業界に携わる。次のプロジェクトを中心に活動。リモートMR向けガイドライン作成/CX営業組織支援/営業コンピテンシー策定支援/組織開発支援/営業管理職強化/CX起点のマーケティング戦略浸透支援/製品戦略策定支援

