10代女子のリアル #06

イマドキ女子高生とママの
リアルな母娘関係とは

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    阿佐見 綾香
    株式会社電通 ビジネス・クリエーション・センター 未来創造グループ

若いママが増えた!?

 
 
 
「ママは選ぶ服が若くて、“Barbie”とかよく着てます。顔も若いんですよ。自分で自分のことキレイという自覚もあって、『どっちがキレイ?』とかよく聞いてくる」(高校1年生)
 
 
 

心はいつでも17才、という歌がありましたが、イマドキの母たちはどうやら心だけではなく見た目が若い。原宿可愛研が調べたところ、「最近は見た目の年齢が若い母親が増えている」ことを実感する10代女子が72%という結果が出ました。

図表1

ちなみに自分の母親について、「見た目年齢が、実年齢よりも若く見える」と回答する10代女子が約半数の45.9%。そのキモチは、母の年齢が上がっても健在で、むしろスコアアップさえしています。

・母が30代で、見た目は20代だと感じる=40%
・母が40代で、見た目は30代だと感じる=37%
・母が50代で、見た目は40代だと感じる=47%

エイジレスな若い母親が増えた要因を語る上ではまず、男女雇用機会均等法施行以降の女性の社会進出というトピックは外せません。働く女性が年々増加し、女性の働きたい意欲も高まる中で、家族のかたちの多様化が進み、いわゆる「主婦」は減り続けています。第1子平均出産年齢は高齢化、未婚率も増加の一途をたどり、結婚・出産に決まったタイミングがなくなりました。

その結果、女性が必ずしも20代後半で結婚して寿退社して母になるとは限らなくなった。自分自身が母になったとしても、周囲の同年代がなかなか結婚しなかったり社会で働き続けることも多く、当然影響を受けることになります。女性のライフステージが一様には動かなくなった今、女性が“イマドキ女子”を卒業するタイミングがなくなったのです。

この年齢ならふさわしいのはコレという感覚がなくなったので、「私は何歳だから」と気にすることがなくなり、好きな服装、好きな髪形を選ぶようになりました。そんな時代背景の中で、母親世代の女性たちのセンスや見た目は大きく変化していきました。

あの有名漫画、サザエさん連載当初1946年の、磯野フネさんの初期設定年齢が48歳。2015年現在の48歳といえば、君島十和子さんや早見優さんあたりといえば、その変化がイメージしやすいかもしれません。

「女は25歳を過ぎたら、クリスマスケーキ」「20代後半で結婚出産が普通」という時代が去り、今はライフステージが動いても動かなくても、いつまでも現役女子なのはもはや当たり前という時代へ変化したということでしょう。

若い娘の持ち物に興味津々な「女子ママ」と、「娘レコメンド消費」とは

 

母親のセンスと見た目が若くなった結果、おしゃれに敏感な娘が使っている化粧品、洋服、持ち物に興味を持っては「自分も使いたい」と真似したがり、娘のものを欲しがる母が増えました。

電通ギャルラボでは、そんな母たちのことを「女子ママ」と呼んでいます。そしてその消費行動を「娘レコメンド消費」(※)と呼んでいます。

※レコメンドとは…推薦すること。もともとはビジネス用語として、特定の顧客の登録情報や購買履歴などから好みを分析してオススメ商品を推薦することを指して使われることが多かったが、サービスが急速に普及するとともに、最近は一般的な会話の中で使われることも増えた。「リコメンド」とも言う。
 

調査でも、10代女子の約半数(47.3%)が自分の母親は「女子ママ」に当てはまると回答。母たちの「女子ママ化」は、世の中の全体で増えている傾向だと実感している娘たちは6割という結果が出ており、若い娘の心をつかむことは、娘と母の両方の心をつかむことである可能性が高くなってきているといえます。

図表2,3

実際に最近母親が買っていた、若い世代向けだと思う商品にはどんなものがあるのか、女子高生にヒアリングしてみました。

「セルカ棒(※)」など最新の流行アイテムをおさえている他、「携帯につける付属品」も、娘と同じものを購入。「雑誌」もチェックしているようです。

※セルカ棒とは…スマホに取り付けて、自分撮りを行うための棒状の道具。「セルカ」とは、自分撮りを意味する「セルフカメラ」の略語で、韓国式英語(コングリッシュ)のひとつ。日本で1980年代に発明されたものの全く流行らず「日本の珍発明」とバカにされていたが、世界中で自分撮りブームが起こる中で2014年に世界的ヒット商品となった。
 

また、「カラコン」「ネイル関係のもの、エクステ、つけまつげ」など、娘の使っているイマドキ化粧品を積極的に取り入れる。そして回答の中で一番多く挙がっていたのは、やはりファッションアイテムでした。 「付け襟(※)」「リボンのついたスカート」「可愛いヘアアクセサリー」「ピンクのシューズ」「洋服、バッグなど買う物ほとんど!」

※付け襟とは…ワンピースやトップスの首元に、襟だけつけられるファッションアイテムで、ここ近年ブームが続いている。重ね着しなくても襟を出したコーディネートができることが便利。シンプルな白シャツの襟やレースのもの、パールやビジューのついたものなどが定番だが、最近はバリエーションが増えており、タートルネック型の「付けタートル」なども登場。
 

女子ママと娘は、洋服は共用が当たり前!ママとシェアするブランドランキング

 

母親が娘の洋服に興味を持つようになった結果、洋服をシェアする母娘が多くなっているようです。

 
 
「ママと洋服は何でも共用します!というかママが勝手に私の服を着てたりする」(高校1年生)
「ママと買い物に行ったときに共用できる洋服を買ってもらって、私はリーズナブルなファストファッションで組み合わせられるものを買ってきて、一緒に使うというのが多いです」(高校1年生)
 
 
 

原宿可愛研が調べたところ、母と洋服を共用する10代女子は62.3%と多数派。 それも、いかにも母と共有できそうな年代を問わないベーシックなブランドや大人向けブランドだけではなく、渋谷や原宿の若者向けのファッションビルに並ぶブランドを購入することも増えてきたのがイマドキ母娘の特徴です。 というわけで今回は、いわゆるベーシックブランド以外で、どんなブランドが母娘に選ばれているのかを聞いてみました。

図表4

10代女子の人気ブランドというイメージが強いブランドも、上位にランクインしていることからも、母達の着る服が若くなってきていることが分かります。

女子ママと娘は、渋谷・原宿でお買い物。美容院やネイルにも一緒に行く

 

当然、母親と一緒に出かける機会も多くなっています。

一緒に買い物に行く母娘が多い(88%)のは昔から変わらない傾向ですが、買い物だけではなく美容院(43%)にも一緒に行っていたり、他にも整体、エステ、マツエク、ネイルなど、ひと昔前までは母親と一緒に行くことは考えにくかった場所まで母娘で出かけるようになったのがイマドキ母娘の特徴です。

図表5

また買い物に行く街も、地元の他には表参道や銀座などの大人のイメージの街が挙がってくるかと思いきや、若者の街のイメージが強い渋谷・原宿を選ぶのが今流のようです。

図表6

女子高生からみる女子ママ、「ステキ」と「イタイ」の境界線とは

 
 
 
「高校生も着れそうな服を着こなしているのはおしゃれだと思う!」(高校3年生)
「わたしのママはニーハイも着こなしている」(高校1年生)
「ショッキングピンクのコートを中を黒でまとめてかっこよく決まってるお母さんがいた」(高校1年生)
「爪のネイルがかわいいとか、どんな服を着ててもスタイルがいいお母さんは素敵」(高校1年生)
「友達のお母さんが、きれい。美容美人で、美魔女みたいな感じ」(高校2年生)
 
 
 

見た目やセンスが若い女子ママは、女子高生たちの憧れの的です。

しかしヒアリングする中で、女子高生たちから見て同じ若い母親でも「イタイ」と感じる母親も存在することが分かりました。

基本的には自分たち世代の洋服やアイテムを取り入れる母親たちを肯定的に見る彼女たちが、受け入れられないと感じるポイントは大きく3つ、「露出」「幼稚」「TPO」のようです。

高い露出はイタイ

 
 
「ミニスカは痛い!やっぱりお母さんはお母さんだからミニスカだけはやめてほしい!」(高校2年生)
「膝上のスカートやパンツをはいても、しっかりロングブーツで隠しているひとは素敵だったけど、生足を出して歩いてる人はイタいなと思う」(高校2年生)
 
 
 
幼稚なファッションはイタイ
 
 
「「別にどんな髪型でもいいけど、さすがに二つ結びしてるお母さんは絶対ヤダかな(笑)」(高校2年生)
「若々しい人でもアラサーやアラフォーの人のツインテールは、見てて痛々しいし恥ずかしい」(高校2年生)
「あまりにブリブリすぎるのは痛い。」(高校3年生)
 
 
 
TPOをわきまえていないのはイタイ
 
 
「学校とかの参観で、ショートパンツとかをはくのはどうかと思う」(高校1年生)
「友達のお母さんで髪の毛真っ赤にしてる人がいるけど、子供が嫌がっている。子供の将来考えるべき」(高校1年生)
 
 
 

どこまでが母親らしくて、どこからが母親らしくないのか、その境界線はその時の時代の感覚によるところが大きく、明確な線引きはできないようです。そもそも「この年齢ならコレ」というステレオタイプが消えつつあるわけなので、当たり前のことかもしれません。

だからこそ、トレンドに敏感な娘たちの持つ情報や、娘からの率直なフィードバックは母たちにとって貴重な情報であり、母娘はファッション・美容・持ち物、あらゆるものを共有し、情報交換するようになったのかもしれません。

これは全世代に共通していえることですが、多くの女性は子育てに関しては自分がされて嫌だったことは反面教師として繰り返さず、うれしかったことは真似したいと思うもの。女子高生たちは若くて友達感覚で接してくれる母たちが好きです。だから、いつかはそんな母たちのように自分もなりたいと思っています。

 
 
「私もいつまでも若くて、友達みたいな感覚のママになりたいと思ってます」(高校2年生)
 
 
  原宿可愛研_イラスト/瀧井ハナ子(電通)  
 
イラスト/瀧井ハナ子(電通)
 
 
 
 
 

「10代女子調査」の概要
調査手法:インターネット調査
実施期間:2014年12月24日~1月19日
調査対象:13~19歳の「JOL」会員女子292名
調査実施機関:マイナビJOL編集部

 
 

 

 
 
 

原宿可愛研(ロゴ)

 
原宿可愛研とは?
  2012年12月に「電通ギャルラボ」と、女の子の夢を応援するマイナビのサービス「JOL」が共同で立ち上げた、10代の女子中・高・大学生の“今”を専門に調査するチームです。活動の拠点は原宿ですが、調査対象は原宿だけではなく、全国の女の子たちのリアルな実態を研究しています。
 
<関連プロジェクト>
電通ギャルラボ
ギャルのマインドとパワフルな生き方を生かし、企業だけでなく日本社会の活性化までを目指す、電通の若手女性社員中心の社内横断プランニングチームです。
マイナビJOL
全国6万人の10代女子会員(主に中高生)が登録。「ドリームステーションJOL原宿」は「原宿に行ったら絶対寄る!」と言われるほどの定番の場所になっています。
 
 

プロフィール

  • Asami profile
    阿佐見 綾香
    株式会社電通 ビジネス・クリエーション・センター 未来創造グループ

    原宿可愛研共同創立者。電通ギャルラボ研究員。若年女子研究を専門とする。
    ストラテジック・プランナーとして、企業や商品・サービスのマーケティングや商品開発、リサーチ、企画プランニング、コミュニケーション戦略立案などを担当。
    電通ダイバーシティ・ラボ研究員としても、マーケティングの最新トピックであるLGBTに取り組み、みんなが楽しく暮らせるダイバーシティ社会の形成を目指す。LGBTを中心として広がる消費に関する調査や、「レインボー消費」に関する研究を重ねる。ダイバーシティウェブマガジンcococolor編集部員兼ライター。
    「LOVEのカタチが変わると消費が変わる」が持論で、LOVEマーケティングを専門としている。

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