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キャッシュレス・ジャパン・サーベイNo.4

全体の半数以上が導入。コロナ禍で進む店舗のキャッシュレスシフト

2021/03/29

新型コロナウイルスの第3波が猛威を振るう中、「電通キャッシュレスプロジェクト」は2020年12月、「コロナ禍でのキャッシュレス意識に関する調査」を実施しました。

コロナによりライフスタイルが大きく変化した今、生活者の決済手段がどのように変化し、今後どのような決済手段が主流になっていくのか。今回は調査結果から見えてきた、店舗(中小事業者)で着実に進んでいるキャッシュレスシフトについてみていきたいと思います。

着実に伸びるキャッシュレス決済の導入

調査ではまず、クレジットカードや電子マネーなど「キャッシュレス決済」の導入状況を聞きました。
その結果、「キャッシュレス決済を導入している」店舗は55.5%と、約半数以上が導入済みであることが分かりました。過去の調査結果と比較すると、34.6%(2018年10月)→49.6%(2019年11月)→55.5%(2020年12月)と、順調に伸びています。

キャッシュレスの推移

直近で最も増えた決済手段は、スマホ決済

では、どのようなキャッシュレス決済手段が増えているのでしょうか。「キャッシュレス決済を使って支払うお客様は増えた」と回答した店舗に、最も増えた決済手段について聞きました。その結果、スマホ決済が最も高く62.7%を占めました。スマホ決済が、コロナ禍でのキャッシュレスの進展を大きく支えている状況が伺えます。

増えた決済手段
SA=単一回答

「レジ作業短縮」「釣り銭不要」「客層の広がり」「衛生的」が、導入効果の上位に

店舗側のキャッシュレス決済導入のメリットは何でしょうか。
キャッシュレス決済導入で感じられる効果を聞くと、

レジ作業の時間が短縮できた 21.6%
釣り銭を用意する手間が減った 20.7%
客層が広がった    18.9%
衛生的に支払いを受け付けられる    17.1%

が上位項目となりました。
「レジ作業短縮」「釣り銭不要」など「効率性」のコスト削減要因の方が、「客層が広がる」といった売上向上要因よりも強く出ているのは、外出の制限が続き、集客が期待できないコロナ禍の影響と言えるかもしれません。また、「衛生的」という項目が上位に挙げられるのも、コロナショック後の特色です。

キャッシュレス決済導入効果
MA=複数回答

今後のキャッシュレスに対する期待は、「早期入金」「決済アプリによる送客」「決済データ分析」

さらに、今後のキャッシュレス決済に対する期待について聞いたところ、

売上の早期入金  55.0%
決済アプリでの顧客への店舗紹介 21.6%
決済アプリでの特別特典(クーポンなど)の提供 21.6%
決済データの分析機能 18.9%

の順でした。決済から入金までの期間短縮とキャッシュレス決済によるトップライン(売上)向上への期待が伺える結果です。

キャッシュレスに対する期待

日本のキャッシュレスは、店舗の「キャッシュレスシフト」の進展で、広がっていく

今回は、「コロナ禍での店舗のキャッシュレスシフト」というテーマで、店舗のキャッシュレス利用実態を見てきました。その結果、

  • 店舗のキャッシュレス導入は約半数以上の水準まで伸びてきている。
  • その背景として、生活者のスマホ決済の利用増加が、コロナ禍での店舗のキャッシュレス導入の進展を大きく支えている状況が伺える。
  • キャッシュレスの効果として、「レジ作業短縮」「釣り銭不要」など生産性の高まりによるコスト削減や「客層の広がり」といったトップライン(売上)の向上などがある。
  • 今後は、「アプリ決済による送客」などトップライン向上の仕組みとして、主にスマホ決済に期待が高まりつつある。

といったことが分かりました。

電通キャッシュレスプロジェクトでは、前回のレポートで見えてきた生活者のキャッシュレスの「日常使い」と共に、今回見えてきた店舗の「キャッシュレスシフト」を背景に、日本のキャッシュレスが今後もますます広がっていくと見ています。

<電通 キャッシュレスプロジェクト>
キャッシュレスに関する 詳細は、事業共創局 新産業開発部 吉富(cash-less@dentsu.co.jp)までお問い合わせください。


【調査概要】
調査手法:インターネット調査
調査時期:2020年12月24~25日
日調査エリア:全国
調査対象 :①一般生活者、②中小企業※経営者
①20~69歳男女500人(人口構成に基づきウェイトバック集計を実施)
②20~69歳男女200人
※従業員数100名以下、資本金5000万円以下の飲食もしくは小売業の中小企業